IT導入補助金で不正発覚。問題の事業者等は58億円1978事業へ関与

最終更新日:2024.11.12

会計検査院

会計検査院は石破首相に11/6(水)、「令和5年度決算検査報告」を提出しました。中小企業向けIT導入補助金で9億5648万円の不適切な交付があったと指摘しました。このうち、1億4755万円が明確な不正受給と判断されました。

令和2年度から4年度までの383事業を検査し、55事業で不正が判明しました。主な不正として、41事業でIT導入支援事業者が事業主体に協賛金や紹介料名目で資金を還流し、自己負担額を減額・無償化する「実質的還元」が確認されました。また、11事業では実際には導入していないITツールを導入したとする虚偽の実績報告や、第三者による申請手続きが行われていました。さらに、3事業では導入したITツールを事業計画期間内に全て解約していました。

また、67事業主体の88事業(補助金交付額2億5352万円)で実質的還元と同様の資金の流れが確認。加えて、255事業主体の271事業(同6億7224万円)で、事業効果の報告において生産性関連情報等の数値が誤って報告されていました。不正に関与したIT導入支援事業者15社が支援した1,978事業(補助金交付額58億2891万円)にも影響が及ぶ可能性が指摘されています。

会計検査院は、これらの不正に対し補助金の返還を求めるとともに、同種の不正な事態の有無について調査を要請。また、不正を防止するための仕組みを整備するよう求めています。