愛媛県、リスキリング取組企業「1割」。47.7%が時間不足に課題(株式会社いよぎん地域経済研究センター調べ)
最終更新日:2024.12.16
株式会社いよぎん地域経済研究センターが、2024年9月〜10月に実施した「愛媛県内企業のDXとリスキリングの取組状況」の調査結果が発表されました。愛媛県に事業所を置く法人228社と、愛媛県内在住の企業勤務者(経営者を除く)500人を対象に行われました。
調査によると、事業を継続・成長させるためにデジタル技術の利活用(DX)が「重要」とする企業が91.7%と大半を占める一方、「全社的に取り組んでいる」28.9%、「一部の部署で取り組んでいる」36.0%と、実際に取り組まれている割合は計64.9%に留まりました。
DXを進める上での問題点として「費用負担が大きい」(70.2%)に次いで「専門知識やスキルを持つ人材の不足」(68.4%)が挙げられています。個人向けアンケートでは、バックオフィス業務のデジタル化ニーズが高く、特に「書類の作成・管理」(60.9%)や「データ入力・集計」(47.8%)と“時間のムダ”を感じている人がいることが明らかになりました。
DXに全社的に取り組んでいる企業は『リスキリング』に取り組む割合が高く、リスキリングの取組内容としては、「社内研修・トレーニングの実施」(68.8%)が最も多く、「社外研修・外部スクールへの派遣」(37.7%)と続きます。
一方、県内企業でリスキリングに「取り組んでいる」のは16.7%に留まりました。「必要だと思うが取り組めていない」(58.3%)とする回答が最も多く、取り組めない理由として「時間が取れない」(47.7%)、「他の優先事項があり、取り組む余裕がない」(43.7%)が上位に挙げられています。
さらに、リスキリングに「すで取り組んでいる」「取組を検討中」企業でも「従業員のスキルの可視化ができていない・習得すべきスキルが不明確」と、「リスキリングのための時間が不足」が同率49.4%、「従業員のモチベーション不足」(36.4%)、「学びの継続・習慣化が難しい」(33.8%)などの課題が浮き彫りになりました。
また、「自社課題をデジタル技術で解決するビジョンを持っているか」という質問に対し、企業向けでは47.6%が「はい」と回答したのに対し、個人向けでは「持っている」が17.2%で、「従業員のモチベーションが低い」という課題につながっている可能性が指摘されました。
株式会社いよぎん地域経済研究センターは、1988年に設立された愛媛県の企業。地域に密着した経済・産業に関する情報発信や、地元企業の役に立つ経営ノウハウを提供しています。