人的資本開示が義務化拡充—2026年3月期有報で問われる人材戦略

最終更新日:2026.06.26

2026年3月期の有価証券報告書から、人的資本に関する開示が一段と拡充されます。人材戦略を経営戦略とどう結びつけて語るかが、改めて企業に問われます。

ニュースの概要

内閣府令の改正により、2026年3月期以降の有価証券報告書では、人的資本に関する開示項目が拡充されます。

新たに義務付けられるのは、(1)経営方針・経営戦略等と関連付けた人材戦略(連結ベース)、(2)人材戦略を踏まえた従業員給与等の決定方針、(3)平均年間給与の前年度比増減率の3点です。

背景には、日本の人的資本投資が国際水準より低いとされる点や、生成AIの進展によるスキル需要の変化、これまでの開示では経営戦略と人的資本投資の連動が不十分との指摘があります。

2025年12月には内閣官房・金融庁・経済産業省が「人的資本可視化指針(改訂版)」を公表し、戦略と人材戦略の連動を重視する考え方を示しました。

さらに2027年3月期以降は、プライム市場上場企業を対象に、時価総額に応じてSSBJ基準による開示が段階的に義務化される予定です。

リスキリングドットコムの見解

リスキリングドットコムとしては、今回の拡充は「指標を埋める」作業ではなく、人材戦略を経営戦略に接続して語る好機だと考えます。

とりわけ、リスキリングや人材育成への投資が、生産性や事業成長にどうつながるのかを、定量・定性の両面で示せるかが問われます。

給与方針や賃金の増減率が開示対象に加わることで、人への投資の姿勢が外部からも見えやすくなります。形式的な対応にとどめず、育成の実態と成果を結びつけて語ることが重要です。

人事・経営層には、開示を人材戦略を高度化する起点として活用する姿勢が求められます。

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