HR部門はなお人員集約型|AI・HRテック活用とリスキリングの課題
最終更新日:2026.07.01
ドイツ人事管理協会(DGFP)と人事・マネジメントコンサルティング会社のキーンバウムが公表した「2025年HRコスト調査」では、人事部門が依然として人件費中心の「人員集約型」であり、AIやHRテクノロジーによる生産性向上の余地が大きいことが示されました。
ニュースの概要
本調査は、ドイツ企業を中心とする約200組織の回答に基づき、主に2024年・2025年の実態と、2026年の計画見通しを対象にしたものです。
調査によると、継続的なコスト圧力があるにもかかわらず、企業全体のコストに占めるHRコストの割合はおおむね横ばいで推移しています。
その大部分は依然として人件費が占めており、人事部門が「人員集約型」の機能である構造は大きく変わっていません。生産性の確保も、構造的な効率化より、追加的な人員によって支えられている傾向が示されています。
一方で、プロセス最適化や集約化、テクノロジー導入は業務の進め方を改善するものの、必ずしもHRコストの削減には直結していない現状も浮き彫りになりました。
特に、HRテクノロジーへの投資は、主に給与・労務管理などの基幹的な業務プロセスに集中しており、AIによる生産性向上のポテンシャルは、現時点では部分的にしか引き出されていないと分析されています。
2026年についても、多くの企業がHRコストの横ばいまたは増加を見込んでいます。DGFPとキーンバウムは、HRコストの管理と可視化、プロセスの合理化によるリソースの解放、HRテクノロジーを活用した自動化の推進を、具体的な行動として提言しています。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、この結果は日本企業にも通じる示唆を含むと考えます。人事部門が採用・育成・評価などの定型業務に多くの工数を割く「人員集約型」の構造は、日本でも共通の課題です。
AIやHRテクノロジーは、これらの業務を自動化・効率化し、人事担当者をより戦略的な役割へ振り向ける好機となります。
ただし、ツールの導入だけでは生産性は上がりません。業務プロセスの見直しと、人事自身のデジタルスキルのリスキリングを併せて進めることが、人的資本経営を支えるHR部門の変革には不可欠です。



