生成AIで幸福度向上も38%が思考力低下|AI時代のリスキリング課題
最終更新日:2026.07.07
生成AIは私たちの幸福度を高める一方で、自ら考える力を損なうのではないか――。株式会社日本デザインが生成AI利用者253名を対象に実施した意識調査から、そんな利便性と思考力低下の二面性が浮かび上がりました。
ニュースの概要
調査は2026年6月27日から30日にかけて、生成AIを利用する253名を対象にインターネットで実施されました。
利用頻度は高く、94.5%が週1回以上、63.2%がほぼ毎日AIを使っていると回答しています。主な利用目的は「アイデア出し・ブレインストーミング」が73.1%で最も多く、日常業務に深く組み込まれている実態がうかがえます。
効果の面では、「幸福度が上がった」と答えた人が59.3%にのぼり、業務負担の軽減や成果創出への手応えが幸福感につながっている様子が読み取れます。
一方で、その裏側で懸念も広がっています。「自分で考える機会が減った」と感じる人は43.5%、「調べたり考えたりする力が落ちた」と実感する人も38.0%に達しました。
便利さと引き換えに、批判的思考力や自律的に問いを立てる力が弱まりつつあることを示唆する結果です。学びの環境に関しては、企業研修に対して「実践的に手を動かせる場」を求める声が60.0%、「伴走してくれる存在」を求める声が40.0%を占め、独学ではなく対話的で実践的な学習環境へのニーズが鮮明になりました。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、この調査結果はAI時代の人材育成が二正面作戦であることを示していると考えます。
生成AIを使いこなす操作スキルの習得は当然重要ですが、それだけでは「考える力の空洞化」を招きかねません。
AIの出力を鵜呑みにせず、前提を疑い、問いを磨く批判的思考力をあわせて鍛える設計が求められます。研修では、AIに任せる領域と自分で判断する領域を意識的に切り分け、実践と振り返りを繰り返す伴走型の学びが有効でしょう。
人事・経営層には、AI活用の推進と思考力の維持を両立させる育成方針が重要になります。



