給与を上げた企業は勤続2.7年長い 上場3,656社分析が示す人的資本経営の効果
最終更新日:2026.07.07
給与を引き上げた企業ほど、従業員が長く定着している――。株式会社エフペリが上場3,656社の開示情報を分析したところ、賃上げと人材の定着・働きやすさの間に明確な相関がみられました。
ニュースの概要
エフペリは、2024年から2025年にかけての給与データを確認できた上場3,656社を対象に、有価証券報告書や統合報告書、サステナビリティレポートなどの開示情報をもとに人的資本KPIを分析しました。
対象企業のうち給与が上昇した企業は75.5%を占め、給与増減率の中央値はプラス2.80%でした。注目されるのは定着への影響です。
給与が上昇した企業の平均勤続年数は13.4年で、上昇しなかった企業の10.7年を2.7年上回りました。
離職率も給与上昇企業が3.10%と、非上昇企業の3.75%より低く抑えられています。働きやすさの指標でも差が表れました。
月間残業時間は給与上昇企業が16.5時間で非上昇企業の18.2時間を下回り、有給休暇取得率は76.4%対74.1%、男性育児休業取得率は73.2%対68.2%と、いずれも給与上昇企業が上回りました。
金融庁による開示府令の改正で給与情報の開示が重要性を増すなか、エフペリは単独の指標ではなく、複数の人的資本KPIを組み合わせて企業を評価する必要性を指摘しています。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、この分析は賃上げが単なるコストではなく、人的資本への投資であることを裏づけるものだと受け止めています。
給与の引き上げが定着や働きやすさと結びついている背景には、待遇改善と労働環境整備を一体で進める経営姿勢があると考えられます。
人事・経営層にとって重要なのは、賃上げを一過性の施策で終わらせず、育成機会やワーク・ライフ・バランス、育児支援などと組み合わせて設計することです。
開示が進むいま、複数の人的資本KPIを連動させて自社の魅力を可視化する姿勢が、人材の獲得と定着の両面で求められます。



