AI人材339万人不足へ|経産省・IPAが示すデータマネジメント人材育成の重要性
最終更新日:2026.07.14
経済産業省のMETI Journal ONLINEは、AI時代に不可欠な人材として「データマネジメント人材」の重要性を取り上げました。
AIやロボットの利活用が進むなか、企業が成果を出すには、AIを導入するだけでなく、AIが活用できるデータを整え、管理し、ビジネスの意思決定につなげる人材の育成が欠かせません。
ニュースの概要
経済産業省のMETI Journal ONLINEは2026年7月7日、「AI時代に不可欠なデータマネジメント 経済産業省とIPAが推進する人材育成」と題した記事を公開しました。
記事では、政府が掲げる未来社会「Society 5.0」の実現に向け、AIなどの先端技術を活用するうえで、データの整備・管理・利活用を担う「データマネジメント人材」の育成が重要になっていると説明しています。
経済産業省の「2040年の就業構造推計(改訂版)」によると、2040年の就業者数は2022年の約6,700万人から約6,300万人へ減少する見通しです。一方で、職種別には大きなミスマッチが生じるとされています。
特に、AIやロボットなどの利活用に関わる人材は、需要が約782万人に拡大する一方、供給は約443万人にとどまり、約339万人不足する見込みです。省力化の進展で事務職には400万人超の余剰が見込まれることと対照的に、AIを活用できる専門人材の不足が深刻な課題として示されています。
こうした背景を受け、経済産業省とIPAは2026年4月、企業の人材育成・確保の指針である「デジタルスキル標準(DSS)」を改訂しました。DX推進に必要な役割の類型に、新たに「データマネジメント」を追加しています。
データマネジメントには、データの安全性や信頼性の確保、データ利用の仕組みの設計・運用、データ整備による価値創出の促進といった役割が期待されています。
また、経済産業省とIPAは、情報処理技術者試験の見直し案において、2027年度をめどに「データマネジメント試験(仮称)」を新設する方針も示しています。AI時代に必要なデジタルスキルを、より幅広く習得・評価する試験体系へ進化させる狙いです。
企業がAIを導入しても、社内データが分断され、形式や品質が不揃いなままでは、有益な答えを得ることはできません。AI活用の前提として、データを経営資源として整え、正しく理解し、活用できる人材が求められています。
リスキリングドットコムの見解
今回の記事が示すのは、AI時代のリスキリングが「AIツールの使い方」だけでは不十分だということです。
生成AIやAIエージェントを導入しても、参照するデータが古い、重複している、部門ごとに分断されている状態では、業務で信頼できる成果にはつながりません。AI活用の成果を左右するのは、モデルの性能だけでなく、データの質と、それを扱う人材の力です。
データマネジメント人材は、エンジニアやデータサイエンティストだけのものではありません。営業、企画、人事、経理、現場部門など、日常業務でデータを入力・活用するすべての職種に関わるテーマです。
企業には、社員一人ひとりが「自分もデータをつくる主体であり、活用する主体である」という意識を持てるよう、データリテラシーを底上げするリスキリングが求められます。
特に人事・経営層にとって重要なのは、データマネジメントを情報システム部門だけの課題にしないことです。事業戦略、人材戦略、AI活用をつなぐ基盤として、どのデータを整え、誰が責任を持ち、どのように活用するのかを設計する必要があります。
AI人材の不足が見込まれるなか、企業の競争力は「AIを導入したか」ではなく、「AIが使えるデータと人材を育てているか」で差がついていくでしょう。
出典元
経済産業省 METI Journal ONLINE:AI時代に不可欠なデータマネジメント 経済産業省とIPAが推進する人材育成



