日本は生成AIの日常利用で遅れも|AI検索時代に求められる情報活用リスキリング

最終更新日:2026.07.14

日本の生成AI日常利用の遅れとAI検索時代に求められる情報活用リスキリング

アウンコンサルティングは2026年7月14日、日本・アメリカ・ドイツ・インド・シンガポールを対象にした「AIツールの利用状況と検索における利用実態調査」を発表しました。

調査では、生成AIツールの利用頻度や目的、検索行動の変化について国際比較が行われました。その結果、日本では生成AIツールを日常的に利用していない人が3割以上にのぼり、他国と比べて日常利用が進んでいない傾向が示されました。

ニュースの概要

今回の調査は、生成AIの普及と検索エンジンの進化により、ユーザーの情報収集行動が大きく変わりつつあることを背景に実施されました。

対象国は、日本、アメリカ、ドイツ、インド、シンガポールの5カ国です。調査期間は2026年6月30日から7月6日で、日本では600名が回答しています。

最も頻繁に利用する生成AIツールについては、5カ国すべてでChatGPTがプライベート・ビジネスの両方で最大の利用シェアを占めました。プライベート利用におけるChatGPTのシェアは、シンガポール57.8%、インド55.6%、アメリカ43.8%、日本40.8%となっています。

仕事や学校生活におけるChatGPTのシェアも、シンガポール56.3%、インド55.8%、アメリカ39.6%、日本39.7%となり、ChatGPTが日常生活から業務効率化まで幅広く使われている状況がうかがえます。

一方で、生成AIツールの利用頻度には国ごとの差が見られました。AIツールを日常的に利用していないと回答した割合は、インドで1.6%、シンガポールで3.4%にとどまっています。アメリカは20.8%、ドイツは17.0%でした。

これに対し、日本では回答者の3割以上がAIツールを日常的に利用していないと回答しており、他国と比べて生成AIの習慣化が進んでいない傾向が見られます。

AI検索時代に変わる情報収集

今回の調査で重要なのは、生成AIツールの利用率だけではありません。

GoogleのAI OverviewsやAI Modeのように、検索エンジンそのものがAI化している点です。これまでユーザーは、検索結果の一覧からサイトを選び、情報を比較していました。しかし今後は、AIが検索結果を要約し、ユーザーがAIの回答を入口に情報へアクセスする場面が増えていきます。

この変化は、企業の情報発信にも大きな影響を与えます。従来のSEOだけでなく、AIに参照されやすく、ユーザーに信頼されやすい情報をどう整えるかが重要になります。

ただし、AI検索時代になっても、基本は変わりません。求められるのは、ユーザーにとって有益で、信頼でき、分かりやすい情報を届けることです。AIに読まれるためのテクニックだけでなく、人にとって価値ある情報を整える力が必要になります。

リスキリングドットコムの見解

日本で生成AIの日常利用が他国より進んでいないことは、単なるツール利用率の問題ではありません。

企業にとっては、情報収集、調査、資料作成、顧客対応、マーケティング、採用広報など、さまざまな業務の生産性に関わる課題です。AIを日常的に使う人と使わない人の間で、情報にたどり着くスピードや、仮説を立てる力、資料化する力に差が生まれる可能性があります。

特にAI検索時代には、情報を探す力そのものが変わります。検索キーワードを入力するだけでなく、AIに適切な問いを立てる力、AIの回答を鵜呑みにせず確認する力、複数の情報源を比較する力、信頼できる情報を見極める力が求められます。

これは、すべてのビジネスパーソンに関わるリスキリングテーマです。

人事・経営層にとって重要なのは、生成AI研修を「ツールの使い方講座」で終わらせないことです。必要なのは、業務の中でAIをどう使うか、情報をどう扱うか、AI検索時代に自社の情報発信をどう変えるかまで含めた学習設計です。

たとえば、社員向けには、AIを使った情報収集、要約、比較、ファクトチェックの基本を学ぶ機会が必要です。マーケティングや広報担当者には、SEOに加えて、AIOやAI検索を意識したコンテンツ設計の理解が求められます。管理職には、部下のAI活用を業務改善につなげる視点が必要になります。

生成AIを日常的に使えるかどうかは、今後の業務スピードや情報活用力を左右します。企業は、AIを一部の詳しい人だけが使うものにせず、全社的な情報活用リテラシーとして育てていく必要があります。

出典元

PR TIMES:AIツールの利用状況と検索における利用実態調査【アメリカ、ドイツ、インド、シンガポール、日本】