27卒の内々定率82.3%、文系は3年ぶり80%割れ|採用後の育成設計が内定者フォローの鍵に

最終更新日:2026.07.15

株式会社学情は2026年7月2日、2027年春に卒業・修了予定の大学生・大学院生を対象とした調査で、6月末時点の内々定率が82.3%になったと発表しました。

前月から4.6ポイント上昇し、今季初めて8割を超えた一方、前年同時期を4カ月連続で下回っています。文系学生の内々定率は3年ぶりに80%を割り込み、採用活動の早期化が進むなかでも、企業と学生の双方が慎重に進路を見極めている状況がうかがえます。

27卒の内々定率は6月末時点で82.3%

調査は2026年6月24日から30日にかけて、2027年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生を対象にインターネットで実施され、279人から回答を得ました。

6月末時点の内々定率は82.3%で、前月の77.7%から4.6ポイント上昇しました。ただし、前年同時期を4カ月連続で下回り、過去3年間続いていた同時期の84%超には届いていません。

学情は、インターンシップなどを起点とした早期選考によって内々定出しが前倒しされたことに加え、経済の先行き不透明感や若手キャリア採用との兼ね合いから、企業が採用計画や採用対象を慎重に見極めている可能性があると分析しています。

文系は79.4%、理系も4年ぶりに90%を下回る

文理別の内々定率は、文系が79.4%、理系が88.3%でした。

文系が6月末時点で80%を下回るのは3年ぶりです。理系も4年ぶりに90%へ届かず、文理ともに前年より伸び悩む結果となりました。

一方、就職活動を継続している学生の割合は全体で36.5%でした。文系では43.9%と4割を超えていますが、理系は21.3%にとどまっており、進路決定の動きには文理で差が見られます。

「内々定を獲得し、就職活動を終了した」と回答した学生は60.6%でした。内々定率が8割を超えている一方で、一定数の学生は引き続き複数の企業を比較していると考えられます。

内々定後のフォローで問われる成長機会の伝え方

企業にとって、内々定を出すことが採用活動のゴールではなくなっています。

内々定後も学生が就職活動を続ける背景には、待遇や知名度だけでなく、仕事内容、職場の雰囲気、キャリア形成の可能性などを比較したいという意識があると考えられます。

そのため、内定者フォローでは懇親会や定期連絡だけでなく、入社後にどのような仕事を経験し、どのようなスキルを身につけられるのかを具体的に示すことが重要です。

若手社員との対話、配属予定部門の仕事紹介、入社後の研修内容、キャリアモデルの提示などを通じて、学生が自社で働く姿を想像できる接点を設計する必要があります。

リスキリングドットコムの見解

今回の調査は、採用と人材育成を別々に考えることが難しくなっている現状を示しています。

学生から選ばれるためには、企業の魅力を伝えるだけでなく、「入社後にどのように成長できるのか」を説明できなければなりません。内定者研修についても、入社前に知識を詰め込むことではなく、仕事への理解を深め、必要なスキルや学び方を共有する機会として設計することが重要です。

また、若手キャリア採用や第二新卒採用が広がるなかでは、新卒一括採用だけに依存せず、通年採用やスキルを基準とした採用を組み合わせる視点も求められます。

採用人数や内々定率だけでなく、内定承諾率、入社後の定着率、研修参加率、配属後の成長実感などを継続的に確認し、採用から育成、定着までを一体で改善していくことが、人材確保の重要なポイントになります。

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