5月の実質賃金1.6%増、名目賃金は3.3%増 厚労省確報
最終更新日:2026.07.27
厚生労働省は2026年7月24日、「毎月勤労統計調査」の5月分確報を公表しました。物価変動を考慮した実質賃金は前年同月比1.6%増となり、速報値の1.4%増から上方改定されました。
現金給与総額は31万1,448円
事業所規模5人以上の労働者1人当たりの現金給与総額は31万1,448円で、前年同月比3.3%増でした。速報の31万1,165円、3.2%増から金額・伸び率ともに上方修正されています。
内訳は、基本給や残業代などを含む「きまって支給する給与」が29万5,908円で3.0%増。このうち所定内給与は27万5,919円で3.0%増、賞与などの特別に支払われた給与は1万5,540円で7.4%増でした。
物価の影響を除いた実質賃金指数は、「持家の帰属家賃を除く総合」で実質化した場合、84.4で1.6%増となりました。消費者物価指数の「総合」を使った参考値では1.8%増です。実質賃金は2026年1月から5カ月連続で前年同月を上回っています。
調査対象を継続して回答した同一事業所にそろえる「共通事業所」では、現金給与総額が3.1%増、所定内給与が2.7%増でした。速報値の2.9%増、2.5%増から、それぞれ上方改定されています。
なお、今回の統計だけで、春季労使交渉や最低賃金の引き上げがどの程度影響したかを特定することはできません。賞与などの支給時期によって、月ごとの現金給与総額が変動する点にも注意が必要です。
リスキリングドットコムの見解
実質賃金のプラスは、物価上昇を上回る賃金の伸びが確認されたことを意味します。ただし、1カ月の結果だけで家計の購買力が継続的に改善したと判断するのは早く、所定内給与と物価の動きを中長期で見る必要があります。
企業にとって、処遇改善と人材育成は対立するものではありません。賃上げを人材育成の条件とするのではなく、適正な処遇を土台として、業務時間内の学習機会、職務に必要なスキルの明確化、学んだ能力を生かせる配置や業務設計を整えることが重要です。
人件費の増加を単なるコストとして捉えず、従業員の定着、能力開発、業務改善を一体で進める人的資本投資へつなげられるかが問われます。



