精神障害の労災請求4,958件、過去最多 支給決定ではパワハラが最多 厚労省

最終更新日:2026.07.27

精神障害に関する労災請求が4,958件となり、過去最多を更新したことが、厚生労働省の「令和7年度 過労死等の労災補償状況」で明らかになりました。前年度から1,178件増加しています。

精神障害の支給決定は1,082件

今回の統計は、2025年4月から2026年3月までの令和7年度に扱われた労災補償の状況を、厚生労働省が2026年7月15日に公表したものです。

過労死等に関する請求件数は6,212件で、前年度より1,402件増加しました。このうち、精神障害の請求は4,958件、脳・心臓疾患は1,254件でした。

精神障害の支給決定件数は1,082件で、前年度より26件増加。自殺未遂を含む自殺事案の支給決定は76件で、12件減少しました。

なお、請求件数は令和7年度中に申請された件数です。一方、支給決定件数には前年度以前に請求された案件も含まれるため、両者を単純に認定率として比較することはできません。

支給決定ではパワハラが最多

精神障害の支給決定事案を、発病に関与したと考えられる出来事別に見ると、「上司等から身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が222件で最多でした。

「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」と「セクシュアルハラスメントを受けた」がそれぞれ127件、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」が113件で続きました。

業種別では「医療、福祉」が請求1,288件、支給決定292件で、いずれも最多となっています。

リスキリングドットコムの見解

今回の統計は、メンタルヘルス対策を個人のセルフケアだけに委ねることの限界を示しています。

特にパワーハラスメントが最多となった点から、企業には管理職の対話、指示、フィードバックの方法を具体的に訓練する必要があります。年1回の知識研修だけでなく、面談や業務指示を想定した演習を行い、管理職の行動変容まで確認することが重要です。

カスタマーハラスメントについても、従業員個人の対応力だけに頼らず、対応を中止する基準や上司への報告経路、会社が組織として対応する範囲を明文化しなければなりません。

人的資本経営では、健康と安全を人材投資の前提と捉え、相談件数、休職、離職、職場改善の状況を継続的に確認する仕組みが求められます。

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