役員報酬1億円以上が過去最多1,345人 経営人材の処遇と人的資本開示

最終更新日:2026.07.30

2025年度に1億円以上の役員報酬を開示した上場企業は606社、対象役員は1,345人で、社数・人数ともに過去最多となりました。

従業員平均給与との差は最大100.9倍に達しています。

ニュースの概要

東京商工リサーチが2026年7月30日に公表した調査によると、2025年度に1億円以上の役員報酬を開示した上場企業は606社(前年度540社)、対象となった役員は1,345人(同1,207人)で、社数・人数ともに過去最多を更新しました。

コロナ禍の2020年度(382社)を底に5年連続の増加です。一方で報酬額の中央値は9,300万円(前年度9,500万円)、平均値は1億1,800万円(同1億2,200万円)とわずかに低下しており、高額報酬の裾野が広がった構図が読み取れます。

個人別では7&i HDのジョセフ・マイケル・デピント元取締役が134億1,700万円で歴代最高となり、退職手当103億6,800万円が大きく寄与しました。

次いでソフトバンクグループのレネ・ハース取締役が61億3,900万円、キオクシアホールディングスのステイシー・スミス会長が44億3,100万円で、上位10人のうち5人が外国人役員でした。

報酬10億円以上は24人(前年度20人)に増えています。従業員の平均給与との差は中央値9.7倍(同10.6倍)、平均12.7倍(同13.4倍)で、最大はトヨタ自動車の豊田章男会長の100.9倍でした。

企業別では日立製作所が34人で最多です。同調査は、業績連動報酬に加えて株式報酬などの非金銭報酬の比率が上昇したことが高額化を後押ししていると分析しています。

リスキリングドットコムの見解

リスキリングドットコムとしては、この数字を経営人材の市場価格がグローバル基準に近づいたシグナルとして読み解きたいところです。

株式報酬の拡大は、経営者に中長期の企業価値向上と人的資本への投資を促す仕組みでもあります。一方で、役員報酬が5年連続で増える局面において、従業員の賃金や教育訓練費が同じ速度で伸びているかは別の問題です。

格差の中央値が9.7倍へ縮小した点は賃上げが一定に進んだ裏付けとも読めますが、人的資本開示の場面では報酬の説明責任と学び直しへの投資が対で問われます。

人事部門には、役員報酬の水準だけでなく、AI時代に必要なスキルへの投資額とその成果を同じ粒度で語れる制度設計が求められます。

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