人材育成に課題8割超 OFF-JT費用増も自己啓発は35.5%に低下 厚労省

最終更新日:2026.07.31

厚生労働省は2026年7月31日、令和7年度「能力開発基本調査」の結果を公表しました。人材育成に何らかの問題があるとする事業所は80.1%にのぼり、労働者の自己啓発実施率は35.5%へ低下しました。

ニュースの概要

調査は企業7,452社、事業所7,194か所、労働者個人20,127人を対象に実施されました。企業・事業所調査は令和7年10月1日から31日、個人調査は同年11月15日から12月16日にかけて行われています。

企業側の結果では、OFF-JT(通常の業務を離れて行う研修)に費用を支出した企業の割合は54.4%で、前年度から0.5ポイント低下しました。

一方で労働者一人当たりのOFF-JT費用は2.0万円と0.5万円増えており、自己啓発支援費用は0.4万円で前年度と同額でした。

正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所は60.6%で0.5ポイント低下しています。人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所は80.1%と0.2ポイント上昇し、正社員向けのキャリアコンサルティング制度がある事業所は48.4%で1.0ポイント低下しました。

制度面では、教育訓練休暇制度を導入している企業は5.7%、教育訓練短時間勤務制度は4.7%にとどまります。

労働者側では、OFF-JTを受講した割合が37.3%と0.3ポイント上昇した一方、自己啓発を行った割合は35.5%で1.3ポイント低下しました。

属性別では正社員43.3%に対し正社員以外は15.9%、男性40.3%に対し女性29.8%と、開きが残っています。

リスキリングドットコムの見解

リスキリングドットコムとしては、今回の数字に「投資する企業はさらに増やし、動かない企業は動かないまま」という二極化が表れている点に注目しています。

一人当たりのOFF-JT費用が2.0万円へ増えた一方で、費用を支出した企業の割合は54.4%へ低下しました。

原資を投じる企業が絞られつつあることを示唆します。より気がかりなのは自己啓発の低下と、正社員以外15.9%、女性29.8%という差です。

AI活用が現場に広がるほど、学ぶ機会の差はそのまま成果の差になりやすくなります。教育訓練休暇制度の導入が5.7%にとどまる現状を踏まえると、費用の増額だけでなく、学ぶ時間を業務時間内に確保する設計が重要です。

キャリアコンサルティング制度の後退も、育成を個人任せにしない仕組みづくりが求められていることを示しています。

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