生成AI利用者の7割「スキルセット変える必要」 高年収層ほど人間性で希少化
最終更新日:2026.08.10
ビズリーチは2026年7月30日、「AI時代のキャリア観」に関する意識調査の結果を公表した。年収800万円以上で、業務での生成AI利用頻度が週1日以上のビジネスパーソン1007人を対象に、2026年6月18日から22日にかけて実施したもので、AIの普及が個人のスキル観とキャリア設計をどう変えているかを浮き彫りにしている。
調査によると、70.2%が「AI時代に向けてスキルセットを変える必要がある」と回答した。キャリアプランについても79.2%が「見直した」または「見直す必要性を感じる」としており、AIの実務浸透がキャリアの再設計を促している実態が確認された。
年収帯別では、年収1500万円以上の層で「全体的に見直した」と答えた割合が、年収800万〜1000万円層の5倍超に達している。
危機感も強い。自身の専門性や強みが「生成AIによって代替・侵食されている」と感じる人は56.8%にのぼった。
AIによる代替が進むと認識されているスキルは、汎用スキルでは情報収集・整理が58.5%、定型的な文章作成が58.1%。
専門スキルではデータ分析が55.1%、翻訳・言語処理が50.5%と続いた。
希少性の高め方は年収帯で分かれた。年収800万〜1000万円層では「AI拡張型」が1位となった一方、年収1500万円以上層では「人間性特化型」が1位となり、AIで代替しにくい対人・構想領域に軸足を移す傾向がうかがえる。
また、44.7%が生成AIに転職やキャリアについて相談した経験があると回答した。理由としては「客観的なアドバイスが得られた」が46.0%、「本音が話せた」が24.0%となり、AIがキャリア相談の相手としても使われ始めていることが示された。
リスキリングドットコムの見解
注目すべきは、AIを日常的に使いこなしている高年収層ほど危機感が強く、しかも向かう先が「AIをより使う」ではなく「人間性で差別化する」に分かれている点だ。
情報収集・整理や定型文書作成といった、これまで若手の育成課題とされてきた業務が代替対象の上位に並んだことは、企業の育成設計に直接響く。
企業に求められるのは、ツール操作研修の先にある二層構造の再設計である。第一に、AIに任せる業務を明示し、空いた時間を課題設定や検証といった上流工程の訓練に振り向けること。
第二に、交渉、合意形成、育成といった対人スキルを、精神論ではなく到達基準のあるカリキュラムとして定義することだ。
放置すれば、危機感を持つ人材ほど自力でキャリアを描き直し、社外へ動く。スキル転換の道筋を社内で示せるかどうかが、これからの定着力を左右する。
出典元
株式会社ビズリーチ「<ビズリーチ、『AI時代のキャリア観』を調査>約7割が『AI時代に向けて、スキルセットを変える必要がある』と回答」(2026年7月30日)
https://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2026/0730.html



