【2026年最新】リスキリング助成金を比較|人材開発支援助成金と教育訓練給付の違い

最終更新日:2026.08.12

リスキリングに使える公的支援は「企業が研修費用を受け取る助成金」と「個人が受講費用を受け取る給付金」の2系統に分かれます。

この記事では2026年8月時点の最新の制度内容をもとに、人材開発支援助成金と教育訓練給付の違い、助成率・給付率、申請の流れ、2026年度ならではの注意点を整理します。

リスキリング支援は「企業向け」と「個人向け」に分かれる

企業向けの中心にあるのが厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。雇用保険適用事業所の事業主が、雇用する労働者に職務に関連した訓練を実施した場合に、訓練経費と訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

2026年8月時点では人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コース、建設労働者認定訓練コース、建設労働者技能実習コース、障害者職業能力開発コースの7コースが用意されています。

一方、個人向けの中心が雇用保険の「教育訓練給付」です。こちらは働く個人が厚生労働大臣の指定講座を自費で受講し、修了後に受講費用の一定割合を受け取る仕組みです。

さらに2025年10月には、無給の教育訓練休暇を取得して学びに専念する人の生活費を支える「教育訓練休暇給付金」も創設されました。

会社が費用を負担するのか、社員が自分で学ぶのかによって、使うべき制度が変わる点がまず押さえどころです。

主要制度の比較一覧(2026年8月時点)

企業側で迷ったときの目安はシンプルです。既存事業の底上げなら人材育成支援コース、新規事業やDX・GXへの人材転換なら事業展開等リスキリング支援コース、学習プラットフォームを全社導入するなら定額制訓練、という切り分けになります。

企業が助成金を申請するまでの5ステップ

  1. 職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を策定して自社の労働者へ周知する。
  2. 訓練内容・対象者・カリキュラムを固め、所定の様式で職業訓練実施計画届を作成する。
  3. 訓練開始日の1か月前までに、管轄の都道府県労働局へ計画届と添付書類を提出する。
  4. 計画どおりに訓練を実施し、支給申請までに訓練にかかった経費を全額支払う。
  5. 訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請を行う。電子申請にはGビズIDの取得が必要。

最大の落とし穴は3番目です。事後申請が認められないため、研修を発注してから助成金を思い出しても間に合いません。

研修ベンダーの選定と労働局への計画提出は、必ず同じスケジュール上で管理することが重要です。

2026年度に押さえておきたい3つの注意点

第一に、期限です。
人への投資促進コースと事業展開等リスキリング支援コースは令和8年度末までの時限措置とされています。

助成率の高いコースを使うなら、2026年度内に計画提出まで終える前提で逆算する必要があります。

第二に、2026年8月3日付の改正です。
事業展開等リスキリング支援コースでは、DX・GX関連の訓練について、職務に間接的に必要な知識や、職種を問わず共通して必要となるリテラシー・概念理解にとどまる内容が助成対象外となりました。

厚生労働省は、生成AIを利用するための汎用的なプロンプト作成研修を対象外の例として示す一方、営業担当者が生成AIを使って商品提案書を作成・修正する訓練など、具体的な業務に直結する内容は対象になるとしています。

また、同一労働者が助成を受けられる訓練は一年度3回まで、そのうちeラーニングは一年度1回までとなりました。

同時に訓練の職務関連性がより厳しく問われるようになり、研修名に「AI」「DX」と入っていても汎用的なリテラシー習得にとどまる内容は助成対象と認められにくくなっています。

「誰の、どの職務に、どう使う知識か」を計画段階で言語化できるかが分かれ目です。

第三に、限度額です。
人材育成支援コースの経費助成には受講者1人1訓練あたりの上限があり、中小企業の場合は訓練時間10時間以上100時間未満で15万円、100時間以上200時間未満で30万円、200時間以上で50万円です。

1事業所1年度あたりの助成限度額は1,000万円とされています。助成率だけを見て研修規模を決めると、想定より自己負担が膨らむことがあります。

まとめ:制度は「会社が出すか、個人が学ぶか」で選ぶ

会社が研修費用を負担して組織的に人材を育てるなら人材開発支援助成金、社員が自分の意思で資格やスキルを取りに行くなら教育訓練給付、というのが基本の分岐です。

両者は排他ではなく、全社研修は助成金、手挙げ型の学びは教育訓練給付の案内、という組み合わせも有効です。

まずは自社の育成計画を制度の枠に当てはめ、どのコースなら計画提出の期限に間に合うかを確認するところから始めるとよいでしょう。

リスキリングドットコムの視点

リスキリングドットコムとしては、2026年度の助成金活用は「金額」より「設計」の勝負になると見ています。

2026年8月の改正によって、研修内容と対象者の職務との具体的な関連性を、これまで以上に明確に設計する必要があります。スキルマップや職務要件を整理し、「誰が、どの業務で、何をできるようになるのか」を説明できる状態にしておくことが重要です。

助成金の申請書は、実質的に自社の人材戦略の要約になります。

また、助成率の高い事業展開等リスキリング支援コースが令和8年度末で区切りを迎える点も見逃せません。制度が続く前提で先送りするのではなく、今年度中に一度は使ってみて、社内に申請ノウハウを残しておくことが有効です。

そのうえで、会社主導の研修と個人主導の学びを教育訓練給付や教育訓練休暇給付金で接続できれば、育成投資の実効性は確実に高まります。

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