賃上げ実施83.2%で3年ぶり上昇 5%以上は中小が大企業を逆転 人材確保が主因
最終更新日:2026.08.14
2026年度に賃上げを実施した企業は83.2%となり、3年ぶりに前年度を上回りました。賃上げ率5%以上の割合では、中小企業が大企業を3年ぶりに逆転しています。
ニュースの概要
東京商工リサーチが2026年8月14日に公表した調査によると、2026年度に賃上げを実施した企業は83.2%で、前年度から1.2ポイント上昇し、3年ぶりに前年を上回りました。
調査は2026年7月31日から8月11日にインターネットで実施され、5,909社が回答しています。規模別では大企業が93.8%、中小企業が82.3%で、いずれも前年度を上回りました。
賃上げ率が5%以上の企業は全体で42.5%となり、前年度から2.9ポイント増えています。このうち中小企業は42.6%と3.6ポイント伸び、41.4%だった大企業を2023年度以来3年ぶりに上回りました。
賃上げの内容を見ると、定期昇給は72.7%で前年度の76.2%から低下した一方、ベースアップは61.1%へ上昇しています。
賞与・一時金の増額は46.6%、新卒初任給の引き上げは26.3%でした。業種別の実施率は製造業が90.0%、運輸業が89.6%と高く、不動産業は59.1%にとどまっています。
調査は、人手不足や離職防止に迫られた防衛的な賃上げが多く、原資を継続的に確保できるかは企業間の差が大きいと指摘しています。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、今回の結果で最も重い意味を持つのは、5%以上の賃上げで中小企業が大企業を上回った点だと考えます。
人材の獲得競争は企業規模ではなく賃金水準で起きており、中小企業ほど賃上げを避けられない構図が鮮明になりました。
ただし調査が指摘するとおり、その多くは離職を防ぐための防衛的な賃上げです。原資を継続的に確保するには、価格転嫁の交渉力と生産性の向上が欠かせません。
定期昇給が下がりベースアップが上がったことは、年功で配分する仕組みから、職務や成果に応じて配分する仕組みへの移行が進んでいることも示しています。
人事部門には、賃上げと同時に社員のスキルを可視化し、教育訓練への投資が生産性の向上につながることを経営層に説明できる設計が求められます。



