正社員不足51.3% 金融が67.1%で最高 人手不足倒産227件で過去最多
最終更新日:2026.08.17
帝国データバンクは2026年8月17日、「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」の結果を公表した。
正社員が不足していると回答した企業は51.3%となり、前年同月から0.5ポイント上昇した。7月としては4年連続で5割を超え、人手不足が高い水準のまま定着している実態が浮き彫りとなった。
一方、非正社員の不足は28.8%で前年同月比0.1ポイントの上昇にとどまり、7月としては3年連続で3割を下回った。
正社員の不足感が高止まりする裏側で、非正社員の需給は落ち着きつつあり、両者の差が広がっている。
業種別に正社員の不足割合をみると、「金融」が67.1%で最も高く、前年同月から6.4ポイントの大幅な上昇となった。
次いで「建設」が66.0%、「運輸・倉庫」が65.6%と続き、6業種で6割を超えた。非正社員では「飲食店」が57.7%で最高だったものの前年同月比では4.1ポイント低下し、「メンテナンス・警備・検査」の56.8%とともに改善の傾向がみられる。
同社は関連指標として、2026年上半期の「人手不足倒産」が227件発生し、5年連続で前年を上回り過去最多を更新したことも示した。
業種別では建設業が65件で最も多い。人材を確保できないこと自体が事業継続を左右する段階に入りつつある。
調査は2026年7月17日から31日にかけて全国2万2350社を対象に実施され、1万518社から有効回答を得た(回答率47.1%)。
リスキリングドットコムの見解
注目すべきは、非正社員の不足感が和らぐ一方で正社員の不足が高止まりしている点だ。頭数の不足というより、担える職務の水準に届く人材が足りない「スキルの穴」が主因になりつつあることを示している。
とりわけ金融の6.4ポイント上昇は象徴的だ。デジタル化とAI活用で業務の中身が変わり、求められる人材要件そのものが動いた結果、既存の採用基準では埋まらない空白が生まれている。
同じ人材を各社が奪い合う構図では、採用単価が上がるだけで解決しない。
現実的な打ち手は、社内にいる人材の職務転換だ。不足しているポジションに必要なスキルを言語化し、隣接業務の経験者が移れる学習経路を用意する。
人手不足倒産が過去最多を更新する今、育成は余裕がある企業の施策ではなく、事業を続けるための投資である。
出典元
帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」(2026年8月17日公表)
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260817-laborshortage202607/



