女性管理職11.3%で過去最高も「ゼロ」企業42.1% 育成施策は7.1%にとどまる
最終更新日:2026.08.24
帝国データバンクは2026年8月21日、「女性登用に対する企業の意識調査(2026年)」の結果を公表しました。
企業における女性管理職の平均割合は**11.3%**となり、過去最高を更新しました。
一方で、女性管理職が一人もいない企業は**42.1%**と依然として4割を超えています。
さらに、女性活躍推進の取り組みとして「性別に関わらず成果で評価する」企業が64.2%に上る一方、「キャリア開発・育成」を実施する企業は7.1%にとどまりました。
女性登用を進めるうえで、評価制度だけでなく、管理職候補を継続的に育成する仕組みが課題となっています。
女性管理職の平均割合は11.3%で過去最高
調査は2026年7月17日から31日にかけて全国2万2,350社を対象に実施され、1万518社が回答しました。回答率は47.1%です。
女性管理職の平均割合は11.3%で、前年から0.2ポイント上昇し、過去最高となりました。
ただし、女性管理職が一人もいない企業は42.1%に上ります。
企業規模別では、小規模企業が13.9%と最も高く、中小企業11.7%、大企業8.9%となりました。
一方、前年からの上昇幅では大企業が0.6ポイント増と最も大きく、大企業でも女性登用が徐々に進んでいる状況がうかがえます。
小売19.5%、建設は7.0% 業界差も大きく
業界別では「小売」が19.5%で最も高く、「不動産」18.7%、「サービス」15.5%と続きました。
一方、「建設」は7.0%、「製造」は8.2%、「運輸・倉庫」は8.6%と低い水準です。
帝国データバンクの調査では、建設業の企業から「女性がいないため、採用したくても適任者に巡り合えていない」といった声も寄せられています。
女性従業員そのものの少なさに加え、職種構成や勤務環境、これまでのキャリア形成のあり方など、管理職登用までの複数の課題があることがうかがえます。
女性役員14.2%も過去最高 半数の企業では「ゼロ」
女性役員の平均割合も14.2%となり、前年から0.4ポイント上昇して過去最高を更新しました。
ただし、女性役員が一人もいない企業は51.5%と半数を超えています。
今後について、女性管理職が「増加する」と見込む企業は29.6%、女性役員が「増加する」と回答した企業は10.8%でした。
平均割合は上昇しているものの、企業間の差は依然として大きい状況です。
「成果で評価」64.2%に対し「キャリア育成」は7.1%
女性活躍推進のために企業が実施している取り組みを見ると、「性別に関わらず成果で評価」が64.2%で最多となりました。
次いで、
- 性別に関わらず配置・配属:53.8%
- 女性の育児・介護休業の推進:34.0%
- 時短勤務の対応:28.5%
- 就業時間の柔軟化:27.5%
となっています。
評価や働き方に関する制度整備が進む一方、**「キャリア開発・育成」は7.1%**にとどまりました。
さらに、「数値目標の設定」は3.5%、「モデルケースの提示」は2.6%です。
女性管理職を増やすためには、評価制度や両立支援だけではなく、その前段階となる管理職候補の育成やキャリア形成支援も重要になりそうです。
女性管理職を増やすには「登用前」の育成が重要
女性管理職比率を高めようとする場合、管理職登用の段階だけを見るのではなく、数年前から候補者を育てる視点が必要です。
たとえば、管理職候補者に対するマネジメント研修、プロジェクト責任者などを経験する機会の提供、社内メンター制度、キャリア面談などが考えられます。
また、これまで女性が少なかった職種では、別職種への転換や新たな業務への挑戦を支援するリスキリングも選択肢になります。
「管理職になれる人がいない」という状態になってから対応するのではなく、将来の管理職候補を計画的に育てる人材ポートフォリオの設計が求められます。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムでは、今回の調査で注目すべきなのは、女性管理職比率が11.3%まで上昇したことだけではなく、評価・配置に関する取り組みと、キャリア育成施策との大きな差だと考えます。
「性別に関わらず成果で評価」が64.2%であるのに対し、「キャリア開発・育成」は7.1%です。
公平な評価制度を整えることは重要ですが、管理職として評価されるために必要なスキルや経験を積む機会が十分でなければ、管理職候補の層そのものは厚くなりません。
必要なのは、管理職になる直前の社員だけを対象とする研修ではなく、より早い段階からマネジメント経験や学習機会を提供することです。
さらに、女性比率が低い職種や部門では、職域転換も含めたリスキリングによって経験できる仕事の幅を広げる視点も重要になります。
「女性管理職○%」という数値目標だけを設定するのではなく、
候補者の可視化 → 経験機会の提供 → リスキリング → 登用 → 登用後の支援
までを一続きで設計する。
女性登用を人的資本経営の一環として進めるのであれば、こうした中長期の人材育成設計が重要になってくるでしょう。
出典元
株式会社帝国データバンク「女性登用に対する企業の意識調査(2026年)」(2026年8月21日公表)
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260821-women2026/



