臨床研修医9,054人で375人減 地方41道県は60.6% 小児科・産科は241人
最終更新日:2026.09.07
厚生労働省は2026年9月4日、令和8年度の臨床研修医の採用実績を公表しました。採用は9,054人で、前年度から375人減りました。
ニュースの概要
今回の調査は、医師臨床研修の実施状況を把握するために毎年度行われているもので、全国1,028か所の臨床研修病院を対象としています。
令和8年度の採用実績は9,054人で、前年度の9,429人から375人減少しました。医師臨床研修が必修化された平成16年度以降、研修医が特定の地域に集中する状況が続いたことを踏まえ、国は平成22年度から都道府県別の募集定員上限を設けるなどの偏在是正措置を講じています。
大都市部のある6都府県(東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県)を除く41道県が占める割合は60.6%で、前年度の60.9%からわずかに低下しました。
都道府県別で採用が増えた上位5県は、福井県が54人から75人へ38.9%増、山形県が69人から87人へ26.1%増、熊本県が105人から115人へ9.5%増、鳥取県が43人から47人へ9.3%増、岩手県が72人から77人へ6.9%増と、いずれも地方部でした。
一方、東京都は1,248人から1,215人、愛知県は552人から517人、大阪府は634人から608人へ減少しています。
採用実績のうち小児科・産科プログラムで採用された人数は241人で、前年度の271人を下回りました。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、この数字を医療分野に限った話とは捉えていません。研修医の採用は、募集定員の上限という「配分ルール」によって人の流れを一定程度動かせることを示す事例だと考えます。
福井県や山形県のように前年度から2〜4割増えた県がある一方で、全体は375人減っています。母数が縮む局面では、配分の工夫だけで地域の人材確保を賄うことは難しくなると見ています。
企業の人材戦略にも同じ構図があります。採用市場で人を奪い合うよりも、育成枠をどこに置き、どの職種・拠点にどれだけ振り向けるかという設計が効いてくる局面です。
小児科・産科プログラムの採用が241人にとどまった点も、人が集まりにくい領域ほど育成の入口を意図的に厚くすることが重要であることを示していると考えます。



