三菱電機、約15万人の人財データをAIで統合 2029年度までに人財情報基盤
最終更新日:2026.09.16
三菱電機は2026年9月10日、グループ約15万人分の人財データをAIで統合・可視化する「グローバル人財情報基盤」を2029年度までに整備すると発表しました。
データに基づく人財の育成・配置・獲得の強化が狙いです。
ニュースの概要
三菱電機が整備するのは、国内外のグループ各社に分散している人財データを一つに集約する情報基盤です。同社グループの従業員は約15万人にのぼりますが、人財に関する情報は会社ごとに管理・運用の方式が異なり、共通の尺度で比較・分析することが難しい状態にありました。
新たな基盤ではAIエージェントを活用し、人事領域特有の非構造データを解析して、高精度な比較・分析が可能な人財データへ変換したうえで集約するとしています。
整備は2029年度までを予定しています。
基盤の上で人財ポートフォリオを可視化し、最適かつ機動的な人財マネジメントによってグループの育成・配置・獲得を強化する考えです。
取り組みは段階的に進めるとしており、まず次世代経営層の候補者とジョブポスティング制度のマッチング支援について実行可能性を検証し、その後、人事業務のプロセス再設計へと広げるとしています。
将来的には全従業員の異動・配置への適用も視野に入れているとしています。
基盤の構築では、東京大学松尾研究室発のスタートアップであるBAKUTAN株式会社の人事AIプラットフォーム「BAKUTAN OS」を採用します。
同社は一連の取り組みを通じて「AIドリブンな人財マネジメント」の確立を目指すとしており、経営戦略の実行をけん引する人財づくりと、イノベーティブカンパニーへの変革を推進する狙いを示しています。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、この発表で注目したいのは、AIの用途が採用や評価の自動化ではなく、まず「データを比べられる状態にすること」に置かれている点だと考えます。
グループ会社ごとに職種の呼び方も等級も評価の書き方も異なる状態では、どれだけ高機能なタレントマネジメントシステムを導入しても、比較も配置検討も進みません。
非構造データの変換という地味な工程にAIを充てる設計は、人的資本経営を掲げながらデータの不揃いに悩む企業にとって現実的な示唆があります。
もう一点は、適用範囲を次世代経営層の候補という限られた領域から始めている点です。全社一斉ではなく、効果を検証しやすい場から広げる進め方は、企業規模を問わず参考になる手順だと考えます。
人財データの整備は、育成投資の優先順位を決める土台でもあります。



