デジタル化・AI導入補助金2026の申請手順【旧IT導入補助金】補助額・賃上げ要件・締切

最終更新日:2026.09.18

旧IT導入補助金は、2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。この記事では、中小企業庁と事務局の公募要領(2026年8月28日改訂版まで)をもとに、申請枠ごとの補助額、申請の6ステップ、150万円以上の申請で必須になる賃上げ要件、見落としやすい注意点をまとめます。

デジタル化・AI導入補助金2026とは

中小企業・小規模事業者などが、労働生産性を高めるソフトウェアやクラウドサービスを導入するときの費用を国が一部補助する制度です。

令和7年度補正予算の事業から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。事務局の案内では、ITツールの導入にとどまらず、より踏み込んだデジタル化とAI活用が重要だと広く伝えるための名称変更だとしています。

公募要領では、補助対象のソフトウェアに「AIを含む」と書かれています。ITツール検索サイトでは、AI機能があるツールだけを絞り込めるようになりました。

申請は、事務局に登録された「IT導入支援事業者」(ITツールの販売会社など)と一緒に進めます。通常枠の交付申請は2026年3月30日に始まりました。

申請枠ごとの補助額・補助率を比較

申請枠は4つです。社内の業務効率化に使うなら「通常枠」が基本です。インボイス対応や、IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を導入する場合は、それぞれ専用の枠があります。

申請枠補助額補助率主な対象
通常枠5万円〜150万円未満(1プロセス以上)
150万円〜450万円以下(4プロセス以上)
1/2以内(令和6年10月〜令和7年9月に、改定後の地域別最低賃金未満で雇用する従業員が3割以上の月が3か月以上あれば2/3以内)ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費
インボイス枠(インボイス対応類型)ITツール:〜350万円
PC・タブレット等:〜10万円
レジ・券売機:〜20万円
ITツール50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円を超える部分は2/3以内。ハードウェアは1/2以内会計・受発注・決済の機能を持つツールとハードウェア
インボイス枠(電子取引類型)〜350万円中小企業・小規模事業者等は2/3以内、その他の事業者等は1/2以内発注側が導入し、受注側の取引先に無償でアカウントを発行できる受発注システム
セキュリティ対策推進枠5万円〜150万円中小企業1/2以内、小規模事業者2/3以内サイバーセキュリティお助け隊サービスの利用料(最大2年分)
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)の枠一覧をもとに作成。このほか、複数の事業者が連携して申請する「複数者連携デジタル化・AI導入枠」もあります。

通常枠の「プロセス」は、ソフトウェアが持つ業務機能の区分を指します。汎用的な機能だけでは申請できず、業務プロセスを1つ以上含むことが条件です。

申請の手順6ステップ

事務局が公開している手続きの流れに沿うと、申請者がやることは次の6ステップです。

  1. 公募要領を読み、使う申請枠と要件を確認する
  2. GビズIDプライムを取得し(目安は約2週間)、IPAの「SECURITY ACTION」で一つ星か二つ星を宣言する(目安は2〜3日)
  3. ITツール検索サイトで、IT導入支援事業者と導入するツールを選び、見積もりを取る
  4. 支援事業者から招待を受けて申請マイページを開き、会社の情報と事業計画を入力して提出する(ツール情報と計画値は支援事業者が入力します)
  5. 交付決定を受けてから、ツールの契約・導入・支払いを行い、期限までに実績報告を出す
  6. 補助金を受け取った後は、決められた期間ごとに効果報告(生産性や賃金の数値、ツールを使い続けている証拠など)を出す

公式サイトによると、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠の次の締切は2026年9月29日17:00です。

交付決定は11月9日の予定で、事業の実施と実績報告は2027年4月30日17:00が期限の予定です。事務局は、決まった募集回のスケジュールだけを公表し、その後の日程は順次更新するとしています。

GビズIDをまだ持っていない場合は、次の締切に間に合わない可能性があるため、最新の日程は公式サイトで確認してください。

申請前に確認したい注意点

1つ目は賃上げ要件です。150万円以上を申請する場合は、次の3つを含む3年間の事業計画が必須です。1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率を3%以上にすること、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くすること、申請時点で賃上げ計画を従業員に伝えておくことです。

IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けたことがある事業者は、150万円未満でも年平均3.5%以上の賃上げ計画と従業員への表明が必要です。

目標を達成できなかった場合は、補助金の全額または一部の返還を求められます。

2つ目は契約のタイミングです。交付決定より前にITツールを契約・発注すると補助の対象になりません。3つ目は労働生産性の目標です。

通常枠では、1年後に3%以上、3年間の年平均で3%以上の向上が求められます。過去に通常枠などで交付決定を受けた事業者は4%以上です。

審査の加点項目も追加されています。「デジタル化セカンドオピニオン」の実施は第3回の募集から、中小機構の無料オンライン相談窓口「IT経営サポートセンター」の利用は第6回の募集から加点の対象になりました。

通常枠では、ITツールの費用に比べて役務費用の割合が著しく高くないことも申請要件です。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金2026は、AIを含むツールの導入費用を最大450万円まで補助する制度です。

ただし、150万円以上の申請では3年間の賃上げ計画が必須です。申請の準備、交付決定後の契約、導入後の効果報告まで、スケジュールを逆算して進めることが大切です。

リスキリングドットコムの視点

ここからはリスキリングドットコムとしての意見です。この補助金は、ツールを導入したら終わりではありません。

3年間の効果報告を通じて、生産性と賃金の数値を追いかけ続ける仕組みになっています。AIツールを入れても、社員が使いこなせなければ生産性の目標には届かず、賃上げの原資も生まれにくいと考えます。

補助対象の導入関連費には「導入研修」や「活用コンサルティング」も含まれています。そのため、ツール選びと同じ段階で、誰にどのような使い方を身につけてもらうかという育成計画まで一緒に考えることが大切です。

人事部門が早い段階から関わることで、補助金を人材育成と賃上げにつなげやすくなるとみています。

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