AI時代の教育、優先課題は5つ 18か国70人の専門家が合意 熊本大学など国際研究

最終更新日:2026.10.29

熊本大学などの国際研究チームは2026年10月28日、教育現場でAIを責任をもって活用するためのロードマップを発表しました。

18か国・70人の専門家の合意から、AIリテラシーや教員の役割の変化など5つの優先課題を示し、AIは教員の代替ではなく支援のツールと位置づけています。

ニュースの概要

研究を率いたのは、熊本大学 半導体・デジタル研究教育機構(REISI)のRwitajit Majumdar准教授です。

日本、ドイツ、アイルランド、オーストラリア、オランダ、フィンランドの研究者が参加した国際共同研究で、成果は学術誌『Computers & Education Open』に2026年7月20日付で掲載され、大学が10月28日に発表しました。

研究チームは、学術界・教育現場・産業界・行政の専門家70人(18か国)を対象に、意見調査を複数回繰り返して合意を形成する「デルファイ調査」を実施しました。

背景には、AIの急速な普及に伴う教育格差の拡大や倫理面の懸念があるとしています。

調査から導かれた優先課題は「AIリテラシー」「自動評価とフィードバック」「教員の役割の進化」「信頼性と説明可能性」「公平なアクセス」の5つです。

研究チームは、AI導入を技術の導入にとどめず、学習者・教育者・政策立案者・インフラ・倫理を含む「教育エコシステム」として統合・協働させる必要があると提言しています。

今後は「社会の理解と協働」「インクルージョンと公平性」「生涯学習と能力構築」など6つの戦略的ドメインに基づき、関係者が連携する実践的なフレームワークの検証と社会実装を進めるとしています。

リスキリングドットコムの見解

本研究は学校教育を主な対象としていますが、示された5つの優先課題は、企業の人材育成にもそのまま当てはまると私たちは考えます。

社内研修でも、AIで評価やフィードバックを効率化する動きが広がる一方、講師や上司の役割をどう再定義するか、AIの判断をどこまで信頼し説明できるかは、多くの現場で整理が追いついていない論点です。

リスキリングドットコムとしては、「AIは人の代替ではなく支援」という位置づけを研修設計の前提に置くことが重要だと見ています。

また「公平なアクセス」は、部署や雇用形態でAIを学ぶ機会に差が生じていないかを点検する視点として有効です。

ツール導入だけで終わらせず、学ぶ人・教える人・ルールを一体で設計する発想が求められます。

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