DX認定制度の申請手順【2026年最新】ウェブフォーム申請5ステップと審査60営業日の注意点
最終更新日:2026.11.04
DX認定制度は、経済産業省が「DXに取り組んでいる企業」を認定する国の制度です。申請費用は無料で、通年いつでも申請できます。
2025年8月27日から申請はDX推進ポータルのウェブフォームに切り替わり、新規申請の標準処理期間は60営業日とされています。
この記事では、2026年時点の公式情報をもとに、申請前の準備から認定・更新までの流れを5つのステップで整理します。
DX認定制度とは 対象・費用・有効期間
DX認定制度は、情報処理促進法に基づき、国が定めた指針(デジタルガバナンス・コード)を踏まえてDXに取り組む事業者を、申請に基づいて認定する制度です。
経済産業省が主管し、審査事務と問い合わせ窓口は情報処理推進機構(IPA)が担います。IPAによると、対象は法人(会社に限らず公益法人等を含む)と個人事業者で、業種や規模は問いません。
ただし、法人は日本国内で設立登記をした法人に限られ、海外現地法人は対象外です。
申請・認定・維持のいずれにも費用はかかりません。認定の有効期間は適用日から2年間で、2年ごとに更新申請が必要です。
認定されると認定事業者一覧で公表され、ロゴマークをホームページや名刺で使えるほか、IPAは金融・人材育成施策での優遇や助成の要件として活用できること、上場企業はDX銘柄、中堅・中小企業等はDXセレクションへの応募資格を得られることを挙げています。
具体的な支援措置の内容は、最新情報を経済産業省・IPAの公式ページで確認してください。
申請書で問われる項目 デジタルガバナンス・コードとの対応
認定基準は経済産業省令で定められ、デジタルガバナンス・コード3.0の「基本的事項」と対応しています。IPAの制度概要資料が示す項目は次のとおりです。
| コードの項番 | 求められる内容 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| (1) | データとデジタル技術を使って自社をどう変革するか(ビジョン) | 取締役会等の承認と対外公表が必要 |
| (2) | ビジョン実現に向けたDX戦略 | (1)のビジョンに基づいていること。機関承認と公表が必要 |
| (3-1)(3-2) | 推進に必要な組織と、デジタル人材の育成・確保 | 戦略の中で体制・人材の方策を示す |
| (3-3) | ITシステム環境の整備方策とサイバーセキュリティ対策 | 現状の課題と整備方針を具体化する |
| (4) | DX戦略の成果指標と、課題の分析・把握 | DX推進指標による自己診断か独自の課題把握を選ぶ |
| (5) | 経営者による対外的なメッセージ発信 | 経営者のリーダーシップが分かる発信を用意する |
FAQでは、申請書の設問(1)〜(4)は対外的な公表が必須で、申請時点で公表済みである必要があるとしています。
「公表予定」の内容では申請できない点に注意が必要です。
DX認定の申請手順 5ステップ
- gBizIDを取得し、DX推進ポータルにアクセスする(制度概要資料ではポータル利用にgBizIDの事前取得が必要とされています)。
- IPAの「申請要項」(本編と別添資料)とデジタルガバナンス・コード3.0を読み、自社が認定基準を満たすかを確認する。
- ビジョンとDX戦略を文書化し、取締役会またはそれに準ずる意思決定機関で承認を得たうえで、自社サイトや統合報告書などで公表する。
- 成果指標、課題把握(DX推進指標による自己診断など)、ITシステム整備とセキュリティ対策、経営者メッセージを整理し、Word形式の下書き様式で回答を固める。
- DX推進ポータルのウェブフォームに入力して提出する。審査通過後、その月末に経済産業省で認定手続きが行われ、通常は翌月初旬に認定となる。
IPAのFAQによると、新規申請の標準処理期間は60営業日で、カレンダー上は約3か月です。不備があるとさらに時間がかかるため、約4か月以上を見込むよう案内されています。
差し戻しを防ぐ注意点と更新のスケジュール
IPAはFAQで、よくある不備として次のような例を挙げています。公表URLが企業のトップページからたどれない、または検索でヒットしない。
社内ポータルのみの資料や会員制の記事を公表媒体として示している。公表が不足しているのに非公表情報による補足説明が多い。
再申請時に差し替え部分だけを提出している(申請内容一式が必要)。抜粋が過剰で審査が長引く。詳しくは別添資料「よくある不備と対処方法」で確認できます。
更新申請は、次の更新適用日の4か月前から受け付けが始まり、期限は適用日の60日前です。期限までに申請しないと、認定は失効します。
また、認定基準の根拠となるデジタルガバナンス・コードは概ね2年ごとに改訂されるため、更新時は前回の申請書をそのまま出すのではなく、最新の基準に合わせて内容を見直す必要があります。
社名・住所・代表者名などが変わった場合は変更届出も必要です。
まとめ
DX認定は無料・通年で申請でき、gBizIDとDX推進ポータルのウェブフォームで手続きが完結します。準備の核心は、ビジョンとDX戦略を経営の意思決定として承認し、申請前に外部へ公表しておくことです。
審査は60営業日が標準で、不備があれば4か月以上かかることもあるため、取得したい時期から逆算して早めに着手するのが現実的です。
申請要項は改訂されることがあるため、着手時に最新版を必ず確認してください。
リスキリングドットコムの視点
ここからは編集部の見解です。DX認定の申請書で問われるのは、ツールの導入実績よりも「経営がどう変わりたいのか」と「それを担う組織と人材をどう用意するのか」です。
とくに、デジタル人材の育成・確保の方策は、戦略の文章と人事施策が噛み合っていないと説得力を欠きやすい部分だと考えます。
認定取得をゴールにするのではなく、ビジョンの公表をきっかけに、必要なスキルの棚卸しやリスキリング計画、研修の効果測定までを一つの流れとして設計することが、2年後の更新審査で中身のある報告につながるはずです。
申請準備は、人事部門と経営企画、情報システム部門が同じテーブルにつく良い機会になるでしょう。
出典元
IPA「DX認定制度の概要」
IPA「DX認定制度 申請方法」
IPA「DX認定制度 FAQ(よくある質問)」
IPA・経済産業省「DX認定制度 申請要項 別添資料1. 制度概要」(第2版・2026年6月11日)



