デザイン業の倒産が上半期で過去最多41件 生成AIで顧客の内製化進む 東京商工リサーチ
最終更新日:2026.11.02
東京商工リサーチ(TSR)は、2026年度上半期(4〜9月)の「デザイン業」の倒産が41件となり、前年同期の1.9倍に増えたと公表しました。
生成AIなどによる顧客の内製化が、受注減の一因として挙げられています。
ニュースの概要
TSRの集計(負債1千万円以上)によると、2026年度上半期のデザイン業の倒産は41件で、前年同期の22件から86.3%増えました。
上半期として40件を超えたのは1989年以降で初めてです。
規模別では負債1千万円以上5千万円未満が34件と8割を超え、従業員5人未満が39件を占めるなど、小規模事業者の倒産が中心です。
負債額の上位7社のうち5社は、住宅の内装や家具などを手がけるインテリアデザイン会社でした。同期間のハウスメーカーの倒産も115件(前年同期比88.5%増)と増えており、TSRは住宅業界の変化が影響しているとしています。
一方で、生成AIやノーコードツールの普及により、一部のデザイン業務を短時間・低コストで内製化する企業が増えていると指摘しています。
顧客の内製化で受注が減り倒産に至った事例や、先端技術の台頭で経営意欲が低下し事業継続を断念した事例もあるとしています。
TSRは、生成AIの活用などで内製化がさらに進めば倒産の急増が懸念され、年度最多だった2011年度の82件を上回る可能性もあるとの見方を示しています。
リスキリングドットコムの見解
以下はリスキリングドットコムとしての見解です。今回のデータは、生成AIが「仕事を手伝う道具」にとどまらず、発注のあり方そのものを変え始めていることを示す一例と考えます。
発注側の企業にとっては、バナーや資料作成などを社内で担える範囲が広がる一方、ブランドの一貫性や著作権・権利確認の責任も社内に移ります。
内製化を進めるなら、ツールの操作研修だけでなく、デザインの基礎や品質チェック、権利面のルールまで含めた育成が重要です。
また、受注側の小規模事業者や社内のクリエイティブ職にとっては、AIで代替しやすい作業から、企画・ディレクションや顧客課題の言語化へと役割を移すリスキリングが求められます。
変化を脅威として受け止めるだけでなく、自社の業務設計を見直すきっかけにしたいところです。



