【2026年7月最新版】ITパスポートとは?難易度・試験内容・取得メリットと似た資格を比較

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最終更新日:2026.07.23

2026年最新版 ITパスポート完全ガイド

DXや生成AIの活用が広がるなか、職種を問わず基本的なIT知識が求められるようになっています。その入口として注目されているのが、国家試験の「ITパスポート試験」です。

ITパスポートは、ITエンジニアだけを対象とした資格ではありません。経営戦略、マーケティング、財務、法務、プロジェクト管理、情報セキュリティ、ネットワーク、AIなど、デジタル社会で働くために必要な知識を幅広く学べます。

2025年度の年間応募者数は30万人を超え、IT企業よりも非IT企業からの応募者が多い状況が続いています。人事・総務、営業、製造、医療・福祉など、幅広い業種・職種で活用されている資格です。

本記事では、2026年7月時点のITパスポート試験の内容や難易度、取得するメリットを解説します。あわせて、情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験、G検定、DS検定など、目的が近い資格との違いも紹介します。

ITパスポートとは

ITパスポート試験、通称「iパス」は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。

「情報処理の促進に関する法律」に基づく情報処理技術者試験の一区分であり、ITを利用するすべての社会人や、これから社会人になる学生が身につけるべき基礎知識を対象としています。

出題範囲は、パソコンやプログラミングに関する知識だけではありません。主に次の3分野から出題されます。

ストラテジ系

企業活動や経営に関する分野です。

経営戦略、マーケティング、財務、会計、法務、知的財産権、業務分析、DXなどが含まれます。

マネジメント系

プロジェクトやITサービスの管理に関する分野です。

プロジェクトマネジメント、システム開発の進め方、サービスマネジメント、システム監査などが対象です。

テクノロジ系

IT技術に関する分野です。

コンピューターの仕組み、アルゴリズム、データベース、ネットワーク、情報セキュリティ、AI、IoT、ビッグデータなどが含まれます。

特定の技術を深く学ぶというよりも、ビジネスとITをつなぐための共通知識を幅広く身につける試験といえるでしょう。

2026年7月時点の試験概要

ITパスポート試験は、全国の試験会場でコンピューターを使って受験するCBT方式で実施されています。基本的に年間を通じて受験でき、試験会場や日時を自分で選択できます。

試験概要は次のとおりです。

試験は100問で、ストラテジ系が35問程度、マネジメント系が20問程度、テクノロジ系が45問程度出題されます。

合格するには、1,000点満点の総合評価点で600点以上を取るだけでなく、3分野それぞれで300点以上を取る必要があります。総合点が600点を超えていても、一つの分野が300点未満の場合は合格基準を満たしません。

2026年の最新シラバスはVer.6.5

2026年7月時点で公開されているITパスポート試験のシラバスは「Ver.6.5」です。

Ver.6.5では、法改正に対応して「下請法」が削除され、「中小受託取引適正化法」が追加されました。生成AIについては、以前の改訂ですでに出題範囲へ追加されています。

ITパスポートは、一度作られた知識体系をそのまま問う試験ではありません。AI、データ活用、セキュリティ、法律など、社会や技術の変化に合わせてシラバスが更新されています。

そのため、古い教材だけで学習すると、現在の出題範囲に含まれる用語や制度を十分にカバーできない可能性があります。教材を選ぶ際は、対応するシラバスのバージョンや発行年を確認することが重要です。

2025年度の合格率は48.6%

IPAによると、2025年度のITパスポート試験は、応募者数が30万7,266人、受験者数が27万1,352人、合格者数が13万2,012人でした。合格率は48.6%です。

およそ2人に1人が合格しているため、国家試験のなかでは比較的挑戦しやすい資格といえます。

ただし、出題範囲は広く、IT技術だけでなく、経営、会計、法務、プロジェクト管理なども問われます。実務でITツールを使用している人でも、対策せずに合格できるとは限りません。

特に、IT分野に慣れている人はストラテジ系や会計・法務分野、非IT職の人はネットワークやデータベース、セキュリティ分野で苦戦することがあります。

重要なのは、得意分野だけに頼らず、3分野をバランスよく学ぶことです。

ITパスポートを取得するメリット

1.ITとビジネスの基礎を体系的に学べる

ITパスポートの大きな特徴は、ビジネスとITの両方を学べることです。

DXや生成AIを活用するには、ツールの操作方法だけでなく、企業活動、業務プロセス、データ、セキュリティ、法務などの理解が欠かせません。

ITパスポートの学習を通じて、個別の用語を覚えるだけではなく、企業がITをどのように利用しているのかを体系的に理解できます。

2.非IT職でも業務に生かしやすい

2025年度は、非IT系企業の応募者数が17万9,995人となり、IT系企業の4万715人を大きく上回りました。

業務別では、営業・販売、情報システム、総務・人事、企画、製造など、幅広い職種から応募されています。

例えば、人事担当者であれば、個人情報管理、情報セキュリティ、HRテクノロジー導入、業務システムの選定などに知識を活用できます。

営業職であれば、顧客企業のDX課題やITサービスの基本構造を理解しやすくなります。管理職にとっても、IT部門や外部ベンダーとの会話に必要な共通言語を身につける機会になります。

3.DX・AI人材育成の入口にしやすい

ITパスポートは、全社員向けのデジタル基礎教育としても活用しやすい資格です。

出題範囲が特定製品や特定サービスに偏っていないため、企業共通のITリテラシーを確認する指標として利用できます。

ただし、資格を取得しただけで、DX推進やAI活用を実践できるようになるわけではありません。資格学習で得た知識を、実際の業務改善やデータ活用、生成AI利用と結びつけることが重要です。

ITパスポートはどのような人におすすめか

ITパスポートは、次のような人に向いています。

  • ITを基礎から学び直したい社会人
  • DXや生成AIに関わる仕事を始めたい人
  • 人事、総務、営業、企画、経理などの非IT職
  • IT企業への就職や転職を考えている人
  • 社内のデジタル人材育成を担当する人
  • 基本情報技術者試験などへの準備を始めたい人
  • 学習成果を国家試験で証明したい学生

一方、プログラミングやシステム開発の実践力を直接証明したい場合は、ITパスポートだけでは十分ではありません。その場合は、基本情報技術者試験やベンダー資格など、次の段階の資格を検討する必要があります。

ITパスポートと似た資格

ITパスポートと比較されることが多い資格には、それぞれ異なる特徴があります。

生成AIパスポート

生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が実施する、生成AIの基礎知識と安全な活用方法を学ぶための民間資格です。

ChatGPTをはじめとする生成AIの仕組みや活用方法に加え、個人情報や機密情報の漏えい、著作権侵害、商用利用、ハルシネーション、AI倫理といったリスクについて学べます。

ITパスポートにもAIや情報セキュリティに関する問題は含まれていますが、生成AIパスポートは、生成AIを業務で安全に利用するための知識に重点を置いている点が特徴です。

2026年7月時点では、試験はオンラインのIBT方式で実施され、試験時間は60分、問題数は60問です。受験資格に制限はなく、一般の受験料は1万1,000円、学生は5,500円です。

2026年は2月、4月、6月、8月、10月の年5回の受験期間が設けられています。2026年2月試験からは新しいシラバスが適用されているため、教材を選ぶ際は対応年度を確認する必要があります。

生成AIは変化が速いため、GUGAではシラバスを原則として年1回以上改訂しています。取得済みの資格自体に有効期限はありませんが、改訂内容を学ぶ有料の資格更新テストも用意されています。

向いている人

  • ChatGPTなどの生成AIを仕事で使い始めたい人
  • 生成AIの情報漏えいや著作権リスクを学びたい人
  • 社内の生成AI研修や利用ルールの策定に関わる人
  • 人事・総務・広報・営業・企画などの非IT職
  • 全社員向けのAIリテラシー教育を検討している企業

ITや経営の基礎を幅広く学びたい場合はITパスポート、生成AIの活用とリスク管理を重点的に学びたい場合は生成AIパスポートが適しています。

両資格は競合するというより、互いに補完する関係にあります。ITパスポートでデジタル社会に必要な基礎知識を身につけた後、生成AIパスポートで生成AIに特化した知識を深めるという学習順序も考えられます。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、組織における情報セキュリティの計画、運用、評価、改善に必要な知識を問う国家試験です。

ITパスポートよりもセキュリティ分野を深く学びたい人に向いています。情報システム部門だけでなく、個人情報や機密情報を扱う人事、総務、管理部門の担当者にも適しています。

試験はCBT方式で、年間を通じて随時実施されています。

向いている人

  • 情報セキュリティ担当者
  • 人事・総務・管理部門
  • 個人情報や機密情報を扱う人
  • ITパスポート取得後に専門性を高めたい人

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、ITサービスやシステム、ソフトウェアを作る人材に必要な基礎知識と技能を問う国家試験です。

ITパスポートが「ITを利用する人」を主な対象とするのに対し、基本情報技術者試験は「ITを活用してシステムやサービスを作る人」に適しています。

アルゴリズム、プログラミング、情報セキュリティ、ネットワーク、データベースなどが出題され、ITパスポートよりも技術的な難易度が高くなります。試験は科目Aと科目Bで構成され、CBT方式で通年実施されています。

向いている人

  • ITエンジニアを目指す人
  • プログラミングを学んでいる人
  • システム開発の基礎を身につけたい人
  • ITパスポートの次の資格を探している人

G検定

G検定は、日本ディープラーニング協会が実施する、AI・ディープラーニングの活用リテラシーを問う民間資格です。

AIの仕組み、機械学習、ディープラーニング、活用事例、法律、契約、AI倫理、AIガバナンスなどを学びます。

ITパスポートにもAI関連の内容は含まれますが、AIを事業や業務で活用するための知識を深めたい場合は、G検定の方が専門的です。

2026年はオンライン試験が年6回、会場試験が年3回予定されています。受験料は一般1万3,200円、学生5,500円です。

向いている人

  • 生成AIやAI活用を体系的に学びたい人
  • DX推進担当者
  • AIを使った事業企画に関わる人
  • AIガバナンスや倫理を学びたい人

データサイエンティスト検定 リテラシーレベル

データサイエンティスト検定、通称「DS検定」は、データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力の基礎を問う民間資格です。

データ分析そのものだけでなく、データをビジネス課題の解決にどのようにつなげるかを学べます。

ITパスポートよりもデータ活用に重点を置き、G検定よりも統計、データ処理、分析業務を幅広く扱う点が特徴です。

2026年6月に実施された第13回試験では、100問・100分のCBT方式で、一般受験料は税抜1万円でした。次回以降の日程や料金は公式情報を確認する必要があります。

向いている人

  • データ分析の基礎を学びたい人
  • マーケティングや事業企画に携わる人
  • データを使った意思決定を行う人
  • データサイエンティストを目指す人

目的別に選ぶならどの資格か

IT初心者が最初の資格を選ぶ場合は、ITパスポートから始めると、IT、経営、セキュリティなどの全体像をつかみやすいでしょう。

一方、業務ですでにChatGPTなどを使用しており、生成AIの安全な使い方を優先して学びたい場合は、生成AIパスポートから始める選択肢もあります。

その後、仕事やキャリアの方向性に合わせて、セキュリティ、システム開発、AI、データサイエンスなどの専門資格へ進む方法があります。

2027年度には試験制度見直しの予定

IPAは、2027年度から情報処理技術者試験の制度を見直す方向で検討を進めています。

ITパスポートでは、現在の「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」という構成を、「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」へ再整理する予定です。

また、DXに必要なマインドやスタンス、データマネジメントの基礎を追加し、AI時代に対応したセキュリティと倫理の出題を強化する方針が示されています。

2026年中に受験する人は現行制度が対象ですが、今後の受験を考えている人や、企業研修に取り入れている人は、IPAから発表される最新情報を継続的に確認する必要があります。

企業がITパスポートを人材育成に活用する際の注意点

企業がITパスポートを社員教育に取り入れる場合、合格者数だけを目標にすると、資格取得が目的化する可能性があります。

学習内容を実務につなげるには、次のような設計が重要です。

  • 自社の業務と出題内容を関連づける
  • 資格学習後に業務改善の実践機会を設ける
  • 職種ごとに次に学ぶスキルを示す
  • 受験前後でITリテラシーの変化を確認する
  • 合格後にAI、データ、セキュリティなどの専門学習へつなげる

IPAには、企業や学校が受験料を一括で支払えるバウチャーチケット制度があります。利用者の成績情報を確認できるため、組織的な受験や研修効果の把握にも活用できます。

リスキリングドットコムの見解

ITパスポートは、IT人材になるためだけの資格ではありません。

生成AIやクラウドサービスが一般の業務に入り込む現在、社員一人ひとりがIT、データ、セキュリティ、経営の基本を理解することは、企業の生産性と安全性を高める土台になります。

一方で、資格取得だけでは行動変容は起こりません。

企業に必要なのは、ITパスポートを「ゴール」にするのではなく、デジタルを使って業務を改善するための「入口」として位置づけることです。

基礎知識を学んだ後に、自社の業務課題を整理し、生成AIやデータ分析ツールを実際に使い、成果を振り返る。さらに、職種や役割に応じて、情報セキュリティ、AI、データサイエンス、システム開発などの専門学習へ進む。

こうした学習と実践の循環を設計することで、ITパスポートは単なる資格取得を超え、組織のDXを支えるリスキリング施策になります。

まとめ

ITパスポートは、IT、経営、マネジメント、セキュリティなど、デジタル社会で働くための基礎知識を幅広く学べる国家試験です。

2025年度の応募者数は30万人を超え、非IT企業や非IT職にも活用が広がっています。

IT初心者やDXに関わり始める人は、まずITパスポートで基礎を学び、その後の目的に応じて資格を選ぶとよいでしょう。

セキュリティを学ぶなら情報セキュリティマネジメント試験、エンジニアを目指すなら基本情報技術者試験、AIならG検定、データ活用ならDS検定が候補になります。

資格は、取得すること自体が目的ではありません。学んだ知識を実際の仕事で使い、業務改善やキャリア形成につなげることが、リスキリングにおいて最も重要です。

※試験日程、受験料、出題範囲などは変更される場合があります。受験前に各実施団体の公式情報をご確認ください。

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