生成AI時代のリスキリングを考える〜ホリエモンとあらけん、あんじゅ先生が語る「行動こそが全て」

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最終更新日:2024.06.26

生成AI時代のリスキリングを考える〜ホリエモンとあらけん、あんじゅ先生が語る「行動こそが全て」

2024年5月22日から24日に東京ビッグサイトで開催された「NexTech Week 2024」は、AI、IoT、ブロックチェーンなどの最新テクノロジーに関する展示会とカンファレンスです。

KIZASHIブースの特設ステージでは、生成AI時代のリスキリングをテーマにしたトークセッションが行われました。SNS media&consulting株式会社 ファウンダーの堀江貴文氏、ホリエモンAI学校株式会社CEOの荒木賢二郎氏、そしてフリーランス漫画家のあんじゅ先生が登壇。

AI活用をどうとらえ、どう取り組むべきかを語り合いました。リスキリングの重要性が高まる昨今、有識者3名がどのような未来を描くのでしょうか。

AIは人間の脳を超えた。全世界の知識がクラウドで繋がる時代

生成AIの登場により、私たちの生活や仕事のあり方は大きく変わろうとしています。堀江氏は、AIの進化を「脳の機能拡張」と表現します。

堀江氏:インターネットによって記憶に関しては既にクラウドが人間を超えている。そして今の生成AIは、もっと高度な脳の機能を拡張している。要は、クラウドの次が生成AIで、もっと高度な脳の機能が拡張されているんです。人間って、外部のデバイスといろんな五感を通じて接続できるんですよ。今回の生成AIは、その大脳の機能拡張なんです。

荒木氏:クラウドの登場で、個人の記憶の限界を超えられるようになった。そして、生成AIではその先の高度な処理まで可能になってきている。

堀江氏:そう。少なくとも記憶に関しては、もうクラウドが出てきた時点で人間は超えてる。だから僕はその時点で覚えることをやめたんです。

人間の記憶を超えたAI。それを使いこなすことが、これからのビジネスパーソンに求められるスキルとなりそうです。

「進化」を恐れるな。リスキリングで飛脚から運送業へ

江戸時代、情報を運ぶ飛脚は当時の最先端の通信手段でした。しかし、電信や郵便が登場すると、その地位は脅かされます。堀江氏は、リスキリングを「飛脚からの脱却」になぞらえて説明しました。

堀江氏:飛脚は足が速くて持続力があるのが売りだった。でも鉄道や自動車が登場した。「俺たちの仕事がなくなっちゃう」と焦るわけ。でもそこで必要なのは、頭を切り替えて、自動車や鉄道を買って、自分で運送業を始めること。

あんじゅ先生:なるほど。新しい技術を取り入れて、自分の強みを活かす。それがリスキリングなんですね。

変化を恐れるのは人間の本能かもしれません。でも、変化から逃げていては前に進めません。大切なのは、変化を受け入れ、そこにチャンスを見出すこと。飛脚たちが自らリスキリングに努め、運送業へと転身したように。

「漫画家×AI」の可能性。作家性を活かした新しい表現を

では、漫画の世界ではAIはどう活用できるのでしょうか。漫画家のあんじゅ先生もAIの可能性を感じているようです。

あんじゅ先生:自分のこだわりを残しつつ、AIを活用しながら漫画を描くのも面白そう。ネームをAIに学習させて、アシスタントの代わりにできるかも。漫画表現って、作家の個性が大事じゃないですか。だから最初はAIの絵柄に違和感があったんです。でも、自分の絵柄をAIに学習させることができれば、作家性を残したまま作画の効率化ができる。しかも、AIとのコラボレーションで新しい表現が生まれるかもしれない。そう考えたら、ワクワクしてきました。

堀江氏:漫画の世界では、ベテラン漫画家のアシスタントは、作風にこだわりがあって教えづらい。だから未経験者をゼロから育てる方が良い結果につながる。AIも同じで、これまでのやり方にとらわれず、新しい切り口で活用すべき。

荒木氏:あんじゅさんもね、アシスタントもいますよね。でも、これからはAIアシスタントの時代かもしれませんよ。

実際に、一部の漫画家やイラストレーターは既にAIを活用し始めています。背景の自動生成や、アイデアのインスピレーションとしてAIを用いるなど、様々な活用方法が試されています。将来的には、AIが漫画制作の一部を担うようになり、作家はよりクリエイティブな部分に集中できるようになるかもしれません。作家性を残しつつ、いかにAIを活用していくか。漫画家のリスキリングも必要になりそうです。

未経験者もAIで活躍できる。「好き」からリスキリングを

生成AI時代のリスキリングを考える〜ホリエモンとあらけん、あんじゅ先生が語る「行動こそが全て」

では具体的に何からリスキリングを始めるべきか。堀江氏は、まずは自分の好きなことから始めることを提案します。

堀江氏:ゴルフ、ヨガ、eスポーツなど、自分に合った趣味を見つけるところから始めよう。昔と違って、今は教材も充実している。ゲーム感覚で没頭できるコンテンツもある。

あんじゅ先生:自分に合った趣味を見つけることが大切ですよね。

好きなことから始めれば、学ぶハードルはぐっと下がります。習慣化にもつながりやすいでしょう。そこで得た知識やスキルが、仕事にも良い影響を与えてくれるかもしれません。

「行動すること」が全て。失敗を恐れずチャレンジを

生成AIがもたらす変化の波に乗るためには、何より「行動すること」が大切だと堀江氏は強調します。

堀江氏:30年前にウェブが登場した時、何に使えるのか分からないと言われていた。でも実際に使ってみた人だけが、可能性に気づいた。結局、行動することが全て。リスキリングも同じで、やってみないと分からない。失敗を恐れず、一歩踏み出してほしい。

あんじゅ先生:そうですね。漫画も、このオチがいいかなとか、この構成がいいかなみたいなのを試せるってことですもんね。ちょっと前向きに検討したくなりましたね。

荒木氏:そうだ、思い出した。アンジュさんが東京に引っ越してきたんですよ、最近。堀江さんに遊びを教えてほしいって話をしてて、なんか学習とか学びとかじゃなくて、遊びながら堀江さん色々やってるよねって話してました。

生成AIの未来は、まだ誰にも分かりません。でも一歩踏み出さなければ、その可能性は永遠に閉ざされたままです。NexTech Week 2024のKIZASHIブースで得た学びを活かし、新しいことにチャレンジしてみませんか。きっとそこには、新しい発見と成長のチャンスが待っているはずです。