新入社員の定着に8割超が課題|育成の型化と若手リスキリングが鍵に
最終更新日:2026.07.09
企業の8割超が、新入社員・若手社員の定着に課題を感じていることが、アイ・ラーニングの調査で分かりました。
早期離職を防ぐには、採用後の研修だけでなく、入社前後の期待調整や、現場で継続的に育てる仕組みづくりが重要になっています。
ニュースの概要
アイ・ラーニングは2026年6月25日、「新入社員育成・定着課題調査2026」の結果を発表しました。
調査は2026年4月14日から17日にかけて、従業員50名以上の企業で新入社員や若手社員の育成・受け入れに関わる担当者500名を対象に、インターネットで実施されました。
新入社員・若手社員の定着に課題を「強く感じている」と答えた企業は33.4%、「やや感じている」は47.8%で、合わせて81.2%が定着を課題と認識しています。
企業が新入社員・若手社員に求める力は、「コミュニケーション力」が60.0%で最多となり、「主体性・自律性」が43.0%、「問題解決力」が41.2%と続きました。一方で、不足している力としても「コミュニケーション力」が57.2%、「主体性・自律性」が43.2%、「問題解決力」が39.6%と上位に挙がっており、企業の期待と現場での実感にギャップがあることがうかがえます。
早期離職や定着課題につながる要因としては、「仕事内容と本人の期待のミスマッチ」が56.9%、「上司・先輩・同僚との人間関係」が53.3%、「職場の文化や価値観が合わない」が41.9%と、業務内容や職場環境に関する項目が上位を占めました。
育成体制にも課題が残っています。入社後に身につけてほしいスキルが「明確化されている」と回答した企業は14.2%にとどまりました。また、受け入れ側の負担要因として「教え方が統一されていない」との回答も42.2%にのぼっています。
育成の属人化と期待水準の曖昧さが、新入社員・若手社員の定着を妨げる一因になっていると考えられます。
リスキリングドットコムの見解
今回の調査は、人事の重心が「採る力」から「育て、定着させる力」へ移りつつあることを示しています。
求める力と不足している力がほぼ同じ項目で並んでいる点は、単に若手側の能力不足を示すものではありません。企業側が期待する役割や成長ステップを十分に言語化できていない可能性もあります。
特に、身につけてほしいスキルを明確化できている企業が1割台にとどまる点は見逃せません。誰が教えても一定の質を担保できるよう、育成内容を型化し、現場任せにしない仕組みを整える必要があります。
定着は待遇だけでなく、成長実感と関係性の質に支えられます。若手社員のリスキリングを考えるうえでも、入社時研修だけで完結させるのではなく、配属後のフォロー、上司・先輩の関わり方、期待値のすり合わせまで含めた継続的な育成設計が重要です。
新入社員の定着を高めるには、早期の期待調整と育成の標準化が欠かせません。若手が「何を期待され、どう成長すればよいのか」を理解できる環境をつくることが、結果として企業の人材力を高めることにつながります。



