6割超の職場にOBNが存在|女性比率が高くても残る閉鎖的な組織文化
最終更新日:2026.07.09
6割超の職場に、主に男性を中心に築かれた閉鎖的な人間関係や慣習、いわゆる「オールド・ボーイズ・ネットワーク(OBN)」が存在することが、パーソル総合研究所の調査で明らかになりました。
女性比率が高い職場でも、非公式な情報共有や意思決定の慣習に根ざした「深層の閉鎖性」は残りやすく、人的資本経営や人材活躍の実効性を左右する課題となっています。
ニュースの概要
パーソル総合研究所は2026年7月2日、「オールド・ボーイズ・ネットワーク(OBN)に関する定量調査」の結果を発表しました。
調査は2025年12月25日から2026年1月5日にかけて、従業員101人以上の企業に勤める20〜64歳の正社員2,500名と、女性管理職353名を対象に実施されました。
「オールド・ボーイズ・ネットワーク(OBN)」という言葉を聞いたことがある人は18.3%にとどまりました。一方で、意味を説明したうえで尋ねると、67.0%が勤務先にOBNやそれに基づく慣習・組織文化があると回答しています。
注目されるのは、職場の女性比率が高くても閉鎖性が解消されるとは限らない点です。女性正社員の比率が5割以上の職場でも約4割、女性管理職の比率が5割以上の職場でも3割強で、「深層の閉鎖性」が高い状態が残っていました。
これは、単に女性社員や女性管理職を増やすだけでは、非公式なネットワークや暗黙の意思決定ルールに根ざした組織文化は変わりにくいことを示しています。
さらに、深層の閉鎖性が高い組織では、低い組織に比べて「外部から来た人が力を発揮しにくい」と感じる割合が5.0倍にのぼりました。中途採用者や異動者など、新たな視点を持つ人材の活躍を妨げる要因にもなり得ます。
同研究所は、深層の閉鎖性を弱めるには、重要情報を一部の人だけに偏らせず同時に共有することや、多様な立場の人が意思を示せる機会を設計することが重要だと提言しています。
リスキリングドットコムの見解
OBNの問題は、ダイバーシティ推進における「見えにくい壁」であると同時に、人的資本経営の実効性を左右する重要なテーマです。
女性比率や女性管理職比率といった数値目標を達成しても、非公式な情報網や意思決定の慣習が閉じたままでは、多様な人材の力は組織成果に結びつきません。
とりわけ、中途採用者やリスキリングを経て新たな職務に挑戦する人材が活躍できるかどうかは、情報や機会が公平に開かれているかに大きく左右されます。
求められるのは、意識改革の呼びかけにとどまらず、情報共有、評価、登用、アサインのプロセスを「仕組み」として透明化することです。
リスキリングの成果を組織に根づかせるためにも、学び直した人材が新しい役割に挑戦できる機会設計が欠かせません。誰が参加しても成果を出せる土壌づくりこそが、多様な人材への投資を活かす前提になるでしょう。



