AI研修の85%が実務に活きない 海外調査が問う「学びと現場」のギャップ
最終更新日:2026.07.10
AIリテラシーの向上が学習テーマの最優先に挙がる一方で、従業員の85%が研修内容を実際の業務に活かせていない――。
学習管理システムを手がけるDoceboの調査が、AI人材育成の根深い課題を浮き彫りにした。
ニュースの概要
学習管理システムを提供するDoceboが公表した「AI Readiness Gap(AI対応力ギャップ)レポート2026」は、米国・英国・カナダ・フランス・ドイツ・イタリアの6カ国で、人事・人材開発部門以外の従業員1,000名とL&D(人材開発)責任者1,000名の計2,000名を対象に実施された。
米経済誌フォーブスが2026年6月30日に取り上げた同レポートによると、AIリテラシーと応用スキルが今後12〜18カ月の最優先学習テーマに挙げられているにもかかわらず、従業員の85%が受けたAI研修を日々の業務に適用できていないと回答した。
背景には研修の「作りっぱなし」がある。学習内容が個々の役割に十分パーソナライズされていないと感じる従業員は79%に上り、L&D責任者側も63%が個別最適化の不足を認めた。
さらに、半数を超える従業員が就業時間内に学習を終える時間が足りないと訴え、L&D責任者の3分の2近くも研修を届ける時間の確保に苦労している。
学習が経営戦略と完全に連動していると答えた組織は4分の1未満にとどまっており、AIへの投資を成果に変えるうえで、研修設計そのものの見直しが急務となっている。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、この調査結果を「研修を提供したか」ではなく「現場で使えるようになったか」で成果を測るべきだという警鐘として受け止めたいところです。
AI研修を導入する企業は増えていますが、汎用的なeラーニングを一律に配るだけでは、85%が「実務に活かせない」と感じる状況は変わりません。
重要なのは、職種や業務ごとに「何にAIを使い、どんな成果を出すか」を具体化し、実際の業務課題を教材に落とし込むことです。
日本企業でも生成AIの研修は広がりつつありますが、学びと現場を橋渡しする仕組みづくりは道半ばです。学習時間の確保や上司の関与、成果指標の設定まで含めて設計することが、投資を成果へ変える近道になると考えます。



