GMOが在宅勤務推奨を完全廃止|AI時代に問われる働き方と生産性設計
最終更新日:2026.07.15
GMOインターネットグループが、在宅勤務の推奨を完全に廃止したと報じられています。
GMOインターネットグループの熊谷正寿代表は2026年7月14日、グループとして推奨してきた在宅勤務を7月13日付で完全廃止したとXで明らかにしました。コロナ禍を機に始めた在宅勤務は、約6年半で区切りを迎えたとされています。
ニュースの概要
GMOインターネットグループは、コロナ禍初期から在宅勤務を積極的に導入してきた企業の一つです。
同社は2020年1月、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、いち早く在宅勤務体制に移行しました。その後、2023年2月には「原則、週3日出社・週2日在宅勤務」を推奨していた体制を廃止し、グループ各社で出社勤務を原則とする方針に移行しています。
今回、残っていた在宅勤務の推奨も終了したことで、GMOグループの働き方は完全出社を前提とする形になりました。
リモートワークの是非ではなく、働き方設計が問われる
今回のニュースで重要なのは、「リモートワークは良いか悪いか」という単純な対立ではありません。
リモートワークには、通勤負担の軽減、集中作業のしやすさ、育児・介護との両立、地方人材の採用などの利点があります。一方で、対面での相談、若手育成、偶発的なコミュニケーション、組織文化の共有などは、出社の方が機能しやすい場面もあります。
つまり、企業に必要なのは「全員出社」か「全員リモート」かを決めることではなく、業務ごとに最適な働き方を設計することです。
AI時代に変わる生産性の考え方
AIの活用が進むほど、働き方の設計はさらに重要になります。
資料作成、議事録、調査、要約、定型業務の一部は、生成AIやAIエージェントによって効率化できます。一方で、課題設定、意思決定、チーム間調整、顧客理解、若手育成といった領域では、人と人の関わりが成果を左右します。
そのため、AI時代の生産性は、単に「どこで働くか」だけでは測れません。どの業務をAIに任せるのか、どの業務に人が集中すべきなのか、どの場面で対面の価値が高まるのかを整理する必要があります。
出社回帰で問われる人事・経営層の役割
出社回帰を進める場合でも、単にオフィスに人を戻すだけでは不十分です。
重要なのは、出社する意味を明確にすることです。対面でしか得にくい学びや協働、フィードバック、意思決定の機会を設計できなければ、出社は単なる義務になってしまいます。
人事・経営層には、働き方と成果の関係を見直すことが求められます。どの業務はリモートでも成果が出るのか、どの業務は対面の方が育成や意思決定に向いているのか、どのような指標で生産性を測るのかを整理することが重要です。
リスキリングドットコムの見解
GMOの在宅勤務推奨廃止は、働き方改革が次の段階に入ったことを示すニュースです。
これまでの働き方改革は、場所や時間の柔軟性を広げることに重点が置かれてきました。しかしAI時代には、柔軟性だけでなく、成果につながる働き方をどう設計するかが問われます。
企業に必要なのは、制度を導入することではなく、業務、職務、チーム、育成を再設計することです。AIを活用する業務、対面で価値が高まる業務、人が判断すべき業務を切り分ける力が、これからの組織運営に求められます。
AI時代の働き方改革は、リモートか出社かの二択ではありません。成果を出すために、業務と人材育成をどう組み合わせるか。その視点こそが、これからの企業に求められるリスキリング課題になるでしょう。



