CEOの86%が「社員にAIスキルあり」 実際の日常活用は25% IBM調査
最終更新日:2026.07.29
IBMは2026年7月28日、世界2,000人のCEO・上級リーダーを対象とした「CEOスタディ2026」を公表しました。
経営層の86%が「従業員にはAIと協働するスキルがある」と答える一方、実際にAIを日常業務で使っている従業員は25%にとどまることが明らかになりました。
ニュースの概要
IBMが2026年7月28日に公表した「CEOスタディ2026:経営の連携を組み替える-AIファースト企業への経営実践」は、IBM Institute for Business Value(IBV)が2026年2月から4月にかけて、33カ国・地域、21業界のCEOおよび上級リーダー2,000人に実施した調査です。
最も鮮明に浮かび上がったのは、経営層の認識と現場の実態のずれでした。CEOの86%(日本は88%)が「従業員はAIと協働するスキルを備えている」と回答した一方、実際にAIを日常業務で活用している従業員は世界・日本ともに25%にとどまっています。
組織体制の変化は急速です。最高AI責任者(CAIO)を設置した企業は世界で76%(前年26%)、日本では84%(前年34%)に達しました。
人事の位置づけも動いており、CEOの約6割(世界59%、日本60%)が今後数年でCHROの影響力が高まると回答し、約4分の3(世界77%、日本76%)が人材とテクノロジーのリーダーシップの役割が融合しつつあると認めています。
スキル面では、2026年から2028年にかけて従業員の29%が異なる役割への移行を必要とし、約半数(世界53%、日本52%)が現在の役割をより効果的に遂行するためのスキルアップを要すると予測されました。
さらに、人間が介在しない業務上の意思決定の割合は、2030年までに現在の25%から48%へ倍増するとみられています。
AIの成功はテクノロジーよりも人々の受容と活用にかかっていると答えたCEOも、世界で83%、日本で76%を占めました。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、この調査で最も重い数字は86%と25%の差だと考えます。研修を提供したことと、業務で使えるようになったことは別物です。
受講率や導入率で成果を測っている限り、この開きは埋まりません。求められるのは、どの業務プロセスのどこでAIを使うのかを職務ごとに定義し、実際の利用状況を可視化して育成計画に戻す仕組みです。
また、従業員の29%が異なる役割へ移るという見通しは、育成を「現在の職務のスキル向上」だけで設計する危うさを示しています。
CHROの影響力が増すという回答は、人材配置と技術投資を同じ会議体で決める体制への移行が始まった兆しとも読めます。
日本はCAIO設置率が世界を上回る一方で、現場の活用が伴っていません。制度を整える段階から、使われる状態をつくる段階へ移すことが重要です。



