男性育休が初の5割超50.9% 人的資本経営に問われる代替要員育成
最終更新日:2026.08.03
厚生労働省は2026年7月31日、令和7年度「雇用均等基本調査」の結果を公表しました。男性の育児休業取得率は50.9%となり、1993年度の調査開始以降で初めて5割を超えました。
ニュースの概要
調査によると、配偶者が出産した男性のうち育児休業を取得した人の割合は50.9%で、前年度から10.4ポイント上昇しました。
上昇は13年連続で、政府が掲げてきた「2025年までに50%」という目標に到達したことになります。女性の取得率は88.3%でした。
今回の伸びをけん引したのは、これまで取得が進みにくかった中小規模の事業所です。従業員5〜29人の事業所では前回調査の25.1%から42.9%へと大幅に上昇し、従業員500人以上でも53.8%から60.7%に伸びました。
規模による差は依然として残るものの、その幅は着実に縮まっています。背景には、妊娠・出産を申し出た労働者に対する育休制度の個別周知と意向確認の義務化や、分割して取得しやすい「産後パパ育休」(出生時育児休業)の定着など、近年の制度改正の効果があるとみられます。
育児休業が一部の大企業に限られた先進的な取り組みから、企業規模を問わない標準的な人事実務へと移行しつつある局面といえます。
人事部門にとっては、取得を促す段階から、取得を前提に組織を回す段階への転換が現実の課題となります。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、今回の5割超えを「制度整備の完了」ではなく「運用力が問われる段階への移行」と捉えています。
取得率が半数に達すると、職場では常に誰かが一定期間不在である前提でチームを設計する必要が生じます。鍵になるのは、業務の属人化を解消する標準化と、周囲のメンバーが一時的に職務を担えるようにするスキルの相互補完です。
業務の棚卸しとマニュアル化、生成AIを使った引き継ぎ支援、多能工化を意識した育成計画は、そのまま人的資本経営の実装につながります。
管理職には、代替要員の確保と復帰後のキャリア設計を同時に扱う力が求められます。育休を組織のスキル再配置を進める機会として位置づける視点が重要です。



