DX認定制度の申請方法【2026年最新】|費用無料・審査60営業日、要件と取得メリットを解説

最終更新日:2026.08.26

「DX認定を取っておいた方がいい」と言われても、何を準備し、どこから申請すればよいのか分かりにくいのがDX認定制度です。

この記事では、2026年8月時点のIPA(情報処理推進機構)と経済産業省の公式情報をもとに、DX認定制度の要件、申請方法、費用、審査期間、取得メリット、更新時の注意点まで整理します。

人事・経営企画・DX推進担当者が、社内で取得を検討する際に必要なポイントをひととおり確認できる内容です。

DX認定制度の要点

DX認定制度は、DX推進の準備が整っている事業者を国が認定する制度です。申請・認定・維持に制度上の費用はかからず、DX推進ポータルからウェブ申請します。新規申請の標準処理期間は60営業日ですが、IPAは不備対応なども考慮して計画上は約4か月以上を見込むよう案内しています。認定の有効期間は2年間です。

DX認定制度とは?国が「DX推進の準備が整った事業者」を認定

DX認定制度とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、デジタルガバナンス・コードに対応し、DX推進の準備が整っていると認められる事業者を国が認定する制度です。

経済産業省が主管し、IPAが審査事務や問い合わせ窓口を担います。

認定対象は大企業だけではありません。法人と個人事業者を含むすべての事業者が対象で、業種や企業規模も問われません。

重要なのは、DX認定が「DXで高い成果を出している企業」を表彰する制度ではないことです。

審査されるのは、経営者がDXによって自社をどのように変革するかを示し、そのための戦略、組織・人材、IT環境、サイバーセキュリティ対策、成果指標などを整え、対外的に公表しているかという「DXに取り組む準備状況」です。

DX認定では何が審査される?

DX認定の基準は、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード」に対応しています。

2026年8月時点の最新版は、2024年9月19日に策定された「デジタルガバナンス・コード3.0」です。

申請では、経営ビジョンやビジネスモデル、DX戦略、戦略を実現するための組織・人材、ITシステム、サイバーセキュリティ、成果指標などについて、自社がどのように考え、取り組んでいるのかを整理します。

特に注意したいのが「公表」です。

設問の一部では、コーポレートサイト、統合報告書、アニュアルレポートなどを通じて、DX戦略等を社外へ公表していることが認定要件となります。

社内資料としてDX戦略が存在するだけでは足りないケースがあるため、申請前に自社Webサイトなどの公開情報を確認する必要があります。

DX認定制度の申請方法は?5ステップで解説

STEP1 認定基準と現在の取り組みを確認する

まずIPAの「申請要項」「申請ガイダンス」「よくある不備と対処方法」などを確認し、自社がどこまで認定基準を満たしているかを棚卸しします。

DX戦略そのものだけでなく、その内容が自社サイトなどで適切に公表されているかも確認します。

STEP2 ウェブフォームへの回答内容を準備する

現在のDX認定申請は、ウェブフォームへ直接入力する方式です。

以前はWordの申請書とExcelのチェックシートを作成し、DX推進ポータルへアップロードする方式でしたが、2025年8月27日からウェブフォーム方式へ切り替わりました。

申請方式が変わっただけで、認定基準や審査内容そのものは変更されていません。

IPAは「DX認定制度 申請ウェブフォーム入力ガイド」を公開しており、各入力欄で求められる内容や、よくある不備を確認できます。

STEP3 GビズIDを準備する

DX推進ポータルへのログインにはGビズIDを使用します。

新たに取得する場合は、DX認定申請の準備と並行して手続きを進めておくとスムーズです。

担当者の変更や更新申請まで考える場合は、社内でGビズIDの管理方法も決めておくとよいでしょう。

STEP4 DX推進ポータルからウェブ申請する

GビズIDでDX推進ポータルへログインし、ウェブフォームに必要事項を入力して申請します。

申請は年間を通して受け付けられています。

申請前には、回答内容と自社サイトなどで公表している情報が矛盾していないかを確認しておくことが重要です。

STEP5 審査・不備対応を経て認定される

申請後、IPAによる審査が行われます。

内容に不備や確認事項がある場合は連絡があり、申請者側で修正・再申請を行います。

審査を経て経済産業省が認定すると、認定事業者一覧に掲載されます。認定事業者はDX認定ロゴをホームページや名刺などで使用できます。

DX認定の申請費用はいくら?

DX認定制度の申請手続き、認定適用、認定維持について費用は発生しません。

つまり、国やIPAへ支払う申請料・認定料・更新料は無料です。

ただし、自社で申請内容を整理するための人件費や、Webサイトの情報整備、外部コンサルティング会社へ申請支援を依頼する場合の費用などは別途発生します。

「DX認定そのものは無料だが、取得準備には社内工数が必要」と考えるのが実務的です。

DX認定の審査期間は?60営業日だが「4か月以上」を想定

新規申請を受理してから認定結果が通知されるまでの標準処理期間は60営業日です。

実カレンダーではおよそ3か月ですが、申請内容に不備があれば、その修正期間は標準処理期間に含まれません。

IPAは公式FAQで、申請計画上は「約4か月以上」を見込むよう案内しています。

そのため、補助・金融施策への活用やDX銘柄への対応など、「○月までにDX認定が必要」という目的がある場合は、取得希望日の4か月以上前から動く方が安全です。

DX認定の有効期間と更新期限は?

DX認定の有効期間は2年間です。

更新申請は次回の認定更新適用日の4か月前から受け付けられ、申請期限は更新適用日の60日前までです。

期限までに更新申請を行わなければ、認定は有効期間満了で失効します。

取得後は、人事・経営企画・DX推進部門などの担当部署で更新期限を管理しておくことが重要です。

DX認定を取得するメリットは?

DX認定を取得すると、自社がDXに取り組むための準備を整えている事業者として、IPAの認定事業者一覧に掲載されます。

DX認定ロゴをホームページや名刺などに使用できるため、取引先、求職者、金融機関などのステークホルダーへ、自社のDXへの取り組みを示す材料になります。

さらに、金融・人材育成に関する支援施策の要件として活用できる場合があります。

たとえば日本政策金融公庫の「IT活用促進資金」では、効力のあるDX認定を受けている事業者について、一定の要件のもと2億7,000万円まで特別利率②の対象としています。実際の利用条件や利率は変更される可能性があるため、申請時には最新情報の確認が必要です。

DX銘柄2026とDX認定の関係は?

上場企業にとって重要なのが「DX銘柄」です。

DX認定を取得した上場企業は、DX調査への回答時にDX銘柄の選定対象となります。

経済産業省は2026年4月10日、「DX銘柄2026」30社(うちDXグランプリ3社)、「DX注目企業2026」17社、「DXプラチナ企業2026-2028」2社を選定しました。

DX認定は、単なるロゴ取得だけでなく、こうした外部評価制度へ進むための基盤の一つにもなっています。

DXセレクションとDX認定の関係は?

中堅・中小企業等を対象とする「DXセレクション」でも、DX認定との関係があります。

DXセレクション2026では、DX認定事業者は自薦で応募可能でした。

DX認定を取得していない事業者についても、関係機関からの推薦による応募は可能でしたが、2026年1月末までにDX認定を申請することが選定対象になる条件とされていました。

したがって、「DX認定を取得していなくてもDXセレクションには関係ない」と考えるのではなく、認定の有無によって応募方法や条件が変わると理解しておく必要があります。

2026年にDX推進指標も改訂

DX認定とあわせて確認したいのが「DX推進指標」です。

経済産業省とIPAは2026年、デジタルガバナンス・コード3.0を踏まえてDX推進指標を改訂しました。

DX推進指標は、自社のDXの現在地を自己診断し、課題を把握するためのツールです。

DX認定そのものとは別制度ですが、どちらもデジタルガバナンス・コードを共通の土台としているため、自己診断を通じて課題を整理することは、DX戦略や人材育成を見直すうえでも役立ちます。

2026年8月26日時点の注意点

2026年8月26日から8月31日までは、DX推進指標の提出方法をExcelからウェブフォームへ移行するため、自己診断結果の受付が一時停止されています。

新しいウェブフォームは、準備が整い次第、2026年8月下旬から9月上旬に公開される予定です。

DX認定の申請で重要なのは「申請書」より社内のDX設計

DX認定では、申請フォームを上手に書くことだけが目的ではありません。

経営者がDXによって何を実現するのか、そのためにどのような組織・人材・システムが必要なのか、どの指標で成果を確認するのかまでを整理する必要があります。

つまり申請準備そのものが、自社のDX戦略を棚卸しするプロセスになります。

情報システム部門だけに申請作業を任せるのではなく、経営企画、人事、DX推進部門などを交えて進めることが重要です。

リスキリングドットコムの見解

リスキリングドットコムでは、DX認定を「認定ロゴを取得する活動」ではなく、DX戦略と人材戦略がつながっているかを確認する機会として活用することが重要だと考えます。

DXを進めるには、新しいシステムやAIツールを導入するだけでは十分ではありません。

戦略を実行できる人材が社内にどれだけいるのか。不足しているスキルは何か。誰に何を学んでもらい、学んだ人材をどの業務へ配置するのか。

この部分が曖昧なままでは、DX戦略と人材育成が別々に動くことになります。

実務では、

DXで変える事業・業務を決める → 必要な人材・スキルを定義する → 現在とのスキルギャップを把握する → リスキリングを行う → 配置・実践につなげる → 成果指標で確認する

という一連の設計が必要です。

DX認定の申請を、人事・経営企画・DX推進・情報システム部門が同じテーブルでこの流れを確認する機会にできれば、認定取得そのもの以上の価値を生み出せるのではないでしょうか。

よくある質問

DX認定制度の申請費用はいくらですか?

DX認定制度への申請、認定、認定維持に制度上の費用はかかりません。外部の申請支援サービスなどを利用する場合は、別途費用が発生します。

DX認定を取得するまで何か月かかりますか?

新規申請の標準処理期間は60営業日で、実カレンダーでは約3か月です。ただし、不備対応などを考慮し、IPAは計画上は約4か月以上を見込むよう案内しています。

中小企業や個人事業主でもDX認定を取得できますか?

取得できます。DX認定制度は法人・個人事業者を含むすべての事業者が対象で、業種や事業規模も問いません。

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