最低賃金1,177円へ56円引き上げ 全都道府県で答申 10月から順次発効
最終更新日:2026.09.04
厚生労働省は2026年9月3日、全ての都道府県で令和8年度の地域別最低賃金の改定額が答申されたと公表しました。
改定額の全国加重平均額は1,177円で、昨年度から56円の引き上げとなります。
ニュースの概要
厚生労働省の公表によると、令和8年度の地域別最低賃金は全47都道府県で改定額が答申され、改定額の全国加重平均額は1,177円となりました。
昨年度の1,121円から56円の引き上げです。同省は、この56円という引き上げ幅について、昭和53年度に目安制度が始まって以降で2番目の高さであるとしています。
引き上げ額は都道府県によって54円から65円まで分かれました。同省の資料では、引き上げ額として最も該当が多かったのは56円で、11道県となっています。
改定後の最高額は1,280円、最低額は1,085円で、最高額に対する最低額の比率は84.8%となり、昨年度の83.4%から改善しました。
同省はこの比率の改善が12年連続であると説明しています。
答申された改定額は、都道府県労働局における手続きを経て、令和8年10月1日から同年12月2日までの間に順次発効する予定とされています。
発効日は都道府県ごとに異なるため、複数の拠点を持つ企業では、拠点ごとに適用の時期を確認する必要があります。
地域別最低賃金は、正社員だけでなくパートやアルバイトを含むその地域のすべての労働者に適用され、これを下回る賃金の定めは無効となります。
リスキリングドットコムの見解
リスキリングドットコムとしては、今回の答申で人事実務が最初に押さえるべきは、引き上げ幅そのものよりも「発効日が10月1日から12月2日までに分散している」点だと考えます。
複数拠点を持つ企業では拠点ごとに賃金改定のタイミングが異なるため、給与計算や賃金テーブルの見直しを段階的に進める設計が必要になります。
また、時給の底上げ分をどう吸収するかは、あらためて経営課題として浮上します。人件費の上昇を価格転嫁だけで賄うことには限界があり、一人あたりの付加価値を高める取り組みが避けられません。
デジタルツールの活用や業務プロセスの見直し、現場人材の多能工化といった能力開発は、コスト増への現実的な対応策としても位置づけられます。
事務対応と並行して、育成投資の優先順位を見直すことが求められます。



