委託訓練の就職率71.8%で目標未達 施設内は86.9% 厚労省が実績評価案

最終更新日:2026.09.07

厚生労働省は2026年9月7日、労働政策審議会人材開発分科会(第59回)を開催し、会議資料を同省ウェブサイトに掲載した。

資料には、人材開発分科会が所管する7つの年度目標について、2025年度の実績評価と2026年度の目標設定(案)が示されている。

目標を達成したのは、地域若者サポートステーションの就職等率74.3%(目標72.9%以上)、フリーター等支援に係る就職支援ナビゲーターによる正社員就職率60.3%(同51.1%以上)、新卒者等支援の同就職率73.9%(同62.5%以上)、ジョブ・カード作成者数329,451人・速報値(同32.6万人)、求職者支援制度による職業訓練の雇用保険適用就職率が基礎コース60.4%・実践コース63.6%(同58%・63%)の各項目。

一方、公共職業訓練(離職者訓練)の就職率は、施設内訓練が86.9%と目標82.5%を上回ったのに対し、委託訓練は71.8%で目標75%を下回る見込みとされた。

資料は、有効求人倍率が1倍を上回る状況が続くなか、早期に就職できる人は離職者訓練を受講せずに再就職するため、相対的に就職が困難な人の受講割合が上昇していることが要因と考えられる、としている。

技能検定試験の合格者数も326,045人にとどまり、目標の35万人には届かなかった。

2026年度の目標案は、公共職業訓練の委託訓練を75%に据え置く一方、技能検定試験の合格者数を34万人へ引き下げるなど、過去3年間の実績平均などを踏まえて設定されている。

いずれも同日の分科会に諮られた案で、確定した数値ではない。

リスキリングドットコムの見解

目を引くのは、就職率の未達がそのまま支援の質の低下を意味するとは限らない点だ。厚労省は委託訓練の低下要因として、労働市場が逼迫し、すぐ就職できる人が訓練を経ずに再就職する結果、訓練に残るのは支援難度の高い層になっていることを挙げている。

これは企業の社内研修にも通じる話だと考える。受講者の顔ぶれが変われば、同じ研修でも成果指標は動く。修了率や満足度の推移だけを追うのではなく、受講前のスキルや配置を揃えたうえで比較する設計がなければ、施策の良し悪しを取り違えかねない。

技能検定の目標が34万人へ引き下げられた点も見逃せない。資格取得の裾野は放っておいて広がるものではなく、企業側が受検勧奨や費用負担を制度として持てるかどうかが、技能人材の層の厚さを左右するとみている。

出典元

厚生労働省「第59回労働政策審議会人材開発分科会資料」(2026年9月7日開催・同日資料掲載/【資料6-1】【資料6-2】人材開発分科会における2025年度の実績評価及び2026年度の年度目標設定(案))
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76030.html