PISA2025で日本が3分野OECD1位 学習の自己調整は平均下回る

最終更新日:2026.09.09

経済協力開発機構(OECD)は2026年9月8日、15歳を対象とした国際的な学習到達度調査「PISA2025」の結果を公表した。

91の国・地域から76万人以上が参加した過去最大規模の調査で、日本は科学コンピテンシー538点、数学的リテラシー525点、読解力503点となり、OECD加盟国の中では調査開始以来初めて3分野すべてで1位となった。

全参加国・地域の中では科学が5位、数学が5位、読解が4位である。

好成績の一方で、得点は3分野とも前回から低下

前回2022年調査と比べると、科学は9点、数学は11点、読解は13点それぞれ低下した。OECD平均との差は科学56点、数学62点、読解42点と大きいままだが、低得点層の割合は読解18.6%、数学16.1%、科学11.3%で、3分野とも前回より増えている。

OECD全体でも読解と数学の成績が大きく落ち込んだと報告されており、日本の順位の高さは各国の下げ幅の中で相対的に保たれた面がある。

新領域は4位、一方で「学習の自己調整」はOECD平均を下回る

今回初めて評価対象となった「コンピュータ上の問題解決」で、日本は557点、全参加国・地域中4位だった。

他方、公表資料をもとにした報道によれば、学習の自己調整に関する4つの設問(学んだ内容について自問自答する、うまくいかないときに学び方を変えるなど)では、日本の生徒の回答はいずれもOECD平均を下回ったという。

授業でのデジタル機器の利用頻度も低く、「半分以上の授業で使う」と答えた割合は数学14.0%、理科15.2%、国語16.6%にとどまる。

なお、革新的領域「デジタル世界での学び」の詳細な分析結果は2027年5月に公表される予定とされている。

リスキリングドットコムの見解

ここからは編集部の見解である。今回の結果で目を向けたいのは順位ではなく、「学習の自己調整」がOECD平均を下回った点だ。

目標を立て、進み具合を確かめ、うまくいかなければ方法を変える。この一連の力は、学校を出たあとの学び直しでこそ効いてくる。

研修を受ける機会が増えても、何を身につけるかを自分で決められなければ、リスキリングは受講で終わってしまう。

企業の育成担当者に引き寄せれば、講座を増やす前に、目標設定と振り返りを仕組みとして組み込めているかを点検したい。

学習ログを本人に返す、上長との面談で学びの進捗を扱うといった地味な運用が自己調整を支える。コンピュータ上の問題解決で4位という土台がある以上、伸びしろは「学ぶ内容」より「学び方」の側にあると考えている。

出典元

OECD「PISA 2025 Results (Volume I)」プレスリリース(2026年9月8日公表)
https://www.oecd.org/en/about/news/press-releases/2026/09/pisa-2025-students-reading-and-mathematics-performance-declined-sharply-across-the-oecd.html

国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html

教育新聞「【PISA2025】学習の目標設定に課題 デジタル利用頻度も低く」(2026年9月8日)
https://www.kyobun.co.jp/article/2026090802

リセマム「【PISA2025】日本、3分野すべてOECD平均上回る…科学5位・数学5位・読解4位」(2026年9月8日)
https://resemom.jp/article/2026/09/08/87467.html