DX・AI人材育成、先進企業でも戦略起点の全社設計は57.6% NEC調査

最終更新日:2026.09.10

NECは2026年9月9日、「大手企業のDX/AI人材育成 先進企業ベンチマーク調査2026」のレポートを公開しました。

育成が事業成果に結びついていると答えた「先進企業」に絞った調査でも、事業戦略を起点に全社の育成を設計できている割合は57.6%にとどまりました。

ニュースの概要

NEC(日本電気)が公開したのは、大手企業におけるDX/AI人材育成の実態を、成果を出している企業に絞って可視化したベンチマーク調査です。

同社の発表によると、調査は2026年7月10日から14日にかけてインターネット調査で実施され、有効回答は205名でした。

対象は売上高1,000億円以上の大手企業に勤務する部長相当以上(役員・本部長・部長)で、自社のDX/AI人材育成に携わり、かつ「育成が事業成果に貢献している」「全社での実行・展開フェーズ以上にある」と回答した層に限定されています。

つまり、育成が進んでいない企業をあらかじめ除いた、いわば上位層だけを集めた調査設計です。

その先進企業層においても、「事業戦略起点の全社育成設計」を実施している割合は57.6%でした。裏を返せば、成果を実感している企業でも4割強は、事業戦略から逆算した全社的な育成の設計には至っていないことになります。

育成の効果については、「業務効率・生産性の向上」を実感したとの回答が6割を超えたとしています。

NECは調査結果をレポートとしてまとめ、自社サイトで公開しています。今回の発表で具体的な数値として示されたのはこの2点が中心で、設問ごとの詳細な内訳はレポート本体で確認する形になります。

企業自身による調査発表であり、母集団が先進企業に限定されている点は、数値を読む際の前提として押さえておく必要があります。

リスキリングドットコムの見解

リスキリングドットコムとしては、この57.6%という数字を「先進企業でも半数弱が設計に届いていない」と読むことが重要だと考えます。

育成が進んでいない企業を除いた母集団でこの水準ということは、一般的な企業ではさらに低い可能性があります。

研修メニューを揃えることと、事業戦略から逆算して「誰に・どのスキルを・いつまでに」を全社で設計することは別物です。

効果として挙がったのが「業務効率・生産性の向上」だった点も示唆的です。効率化は測りやすく、成果として認識されやすい一方、新規事業や収益構造の転換といった上流の成果に届いているかは別に検証が必要です。

人事としては、育成計画を事業計画と同じ会議体で議論し、成果指標を効率化の先まで設定することが求められます。

なお本稿の見解は当サイトの意見であり、調査の解釈は出典に基づくものです。

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