ソニー銀行と富士通、勘定系開発に生成AIで工数40%減 人は最終判断と品質保証へ

最終更新日:2026.09.15

ソニー銀行と富士通は2026年9月14日、ソニー銀行の勘定系システムの実開発に生成AIを本格適用し、2026年7月時点で基本設計から結合テストまでの開発期間を従来比30%短縮、工数を40%削減したと発表しました。

ニュースの概要

両社は2025年9月から、富士通の勘定系ソリューション「Fujitsu Core Banking xBank」を採用したソニー銀行の新勘定系システムで、機能開発への生成AI適用を始めていました。

2025年10月の発表時点では、開発期間の20%短縮を目標に掲げていました。

今回の取り組みでは、生成AIを単独の開発支援ツールとして使うのではなく、設計書・ソースコード・テスト資産をAIが工程横断で活用できる仕組みを構築したとしています。

中核となるのは、Amazon Bedrock上で提供されるAnthropicの「Claude」と「Claude Code」を用いたAIエージェントです。

工程別の成果として、基本設計工程では影響調査の工数を最大90%、詳細設計工程では設計書作成の工数を最大40%削減したと説明しています。

製造工程ではソースコード生成率99%、結合テスト工程ではテスト実行の工数を最大90%削減したとしています。

一方で、最終判断と品質保証は人が担う体制です。

今後は要件定義を含む開発工程全体への適用を進め、セキュリティや運用・保守などの領域、周辺システムへと段階的に広げる方針です。

富士通は、得られた知見を他の金融機関の勘定系開発にも生かすとしています。

リスキリングドットコムの見解

リスキリングドットコムとしては、高い信頼性が求められる銀行の勘定系という領域で、当初目標の20%を上回る30%の期間短縮が示された点に注目しています。

「重要なシステムほど生成AIは使いにくい」という前提を見直すきっかけになる事例といえます。

同時に、人事・経営層が読み取るべきは「人が最終判断と品質保証を担う」という設計だと考えます。コードの生成をAIが担うほど、エンジニアに求められる力は、要件を正しく定義する力、AIの出力を検証する力、変更の影響範囲を見極める力へと重心が移るとみられます。

これは開発部門に限らず、AIエージェントを業務に組み込むあらゆる職種に共通する変化です。ツールの導入と並行して、評価基準や育成プログラムを「作る人」から「確かめ、判断する人」へと見直していくことが求められます。

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