長時間労働の監督指導、38.5%で違法な時間外労働 月80時間超は4,991事業場

最終更新日:2026.09.17

厚生労働省は2026年9月15日、長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が令和7年度に実施した監督指導の結果を公表しました。

対象となった29,150事業場のうち38.5%で違法な時間外労働が確認されています。

ニュースの概要

今回の監督指導は、時間外・休日労働が1か月80時間を超えていると考えられる事業場や、過労死等に係る労災請求があった事業場などを対象に、2025年4月から2026年3月にかけて実施されたものです。

対象29,150事業場のうち22,882事業場(78.5%)で労働基準関係法令違反が認められました。

主な違反は、違法な時間外労働が11,228事業場(38.5%)、過重労働による健康障害防止措置の未実施が5,919事業場(20.3%)、賃金不払残業が1,901事業場(6.5%)です。

違法な時間外労働があった事業場で最長の労働者の実績を確認したところ、月80時間超が4,991事業場(44.5%)で、このうち100時間超が2,842事業場、150時間超が554事業場、200時間超が111事業場でした。

前年度(26,512事業場を監督)と比べると、法令違反の割合は81.1%から78.5%に、違法な時間外労働のうち月80時間超の割合は48.7%から44.5%に低下しています。

一方で、健康障害防止措置の改善指導は12,811事業場、労働時間の把握が不適正なための指導は4,045事業場にのぼりました。

公表資料では、始業・終業時刻の記録とパソコンの使用記録に乖離があった事業場や、勤怠の記録を後から修正できる仕様だったシステムを改修した事例も紹介されています。

厚労省は、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を行うとしています。

リスキリングドットコムの見解

リスキリングドットコムとしては、違反割合の低下よりも「労働時間を正しく把握できていない職場」が依然として多い点に注目しています。

紹介された事例では、特定の人への業務の集中や休日出勤の過小申告、パソコンの記録との乖離が、長時間労働を見えにくくしていました。

是正の鍵は、人員の確保に加えて、非効率な業務の洗い出しやITツールの活用、管理者が業務量を把握できる体制づくりにあると考えます。

これは管理職のマネジメント力とデジタル活用力の課題でもあります。

長時間労働が常態化した職場では、社員が学び直す時間も確保しにくくなります。11月のキャンペーンを前に、勤怠データの点検と業務設計の見直しを、管理職の育成とセットで進めることが重要ではないでしょうか。

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