転職者への教育訓練82.6% 前回74.5%から上昇、規模間で17.7ポイント差

最終更新日:2026.09.28

厚生労働省は2026年9月25日、令和7(2025)年「転職者実態調査」の結果を公表しました。転職者を受け入れた事業所のうち、教育訓練を実施した割合は82.6%で、前回2020年調査の74.5%から8.1ポイント上昇しています。

ニュースの概要

調査は、5人以上の常用労働者を雇用する事業所約1万7,000事業所と、そこで働く転職者約1万3,000人を対象に、2025年10月1日現在の状況を調べたものです。

有効回答率は事業所調査が52.7%、個人調査が52.3%で、前回は2020年に実施されました。一般労働者がいる事業所のうち「転職者がいる事業所」の割合は38.2%です。

転職者に対して「教育訓練を実施した」事業所は82.6%、「実施しなかった」は15.9%でした。実施した事業所を100とした内訳(複数回答)は、計画的なOJTが79.8%、OFF-JTが64.5%で、OFF-JTの内訳では入職時のガイダンスが53.9%、職務遂行に必要な能力・知識を付与する教育訓練が35.7%となっています。

事業所規模が大きいほど実施割合は高く、1,000人以上が97.5%、5〜29人が79.8%で、17.7ポイントの差があります。

産業別では運輸業・郵便業が92.3%で最も高く、金融業・保険業が90.9%で続きました。

今後3年間に「転職者を採用する予定がある」事業所は63.6%で、このうち「転職者を優先して採用したい」が40.0%、「新規学卒者を優先して採用したい」が9.8%です。

個人調査では、直前の勤め先を離職した主な理由は「自己都合」が81.3%で最多でした。自己都合の理由(3つまでの複数回答)は「賃金が低かったから」25.5%、「会社の将来に不安を感じたから」25.2%、「満足のいく仕事内容でなかったから」24.7%の順です。

現在の勤め先を選んだ理由は「仕事の内容・職種に満足がいくから」40.2%、「自分の技能・能力が活かせるから」38.4%が上位に並びました。

リスキリングドットコムの見解

リスキリングドットコムとしては、中途入社者にも育成投資を行う動きが前回調査から明確に広がった点に注目しています。

実施率が74.5%から82.6%へ上昇した背景には、人手不足のなかで「即戦力採用」だけに頼りにくくなった事情があるとみられます。

一方で、実施率は1,000人以上の事業所で97.5%、5〜29人で79.8%と規模による開きがあり、中小企業ほど受け入れ後の育成を設計しにくい状況がうかがえます。

個人が現在の勤め先を選んだ理由の上位に「自分の技能・能力が活かせるから」38.4%が入っていることを踏まえると、入社後にどのような学びの機会があるかを明示できるかどうかが、採用力と定着の双方に効いてくると考えられます。

計画的なOJT(79.8%)に依存しすぎず、OFF-JT(64.5%)のように仕事を一時的に離れて学ぶ時間をどう確保するかが、これからの設計上の論点になりそうです。

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