AI利用64%に拡大も学習機会は51%に低下 PwC、世界4.9万人調査

最終更新日:2026.09.30

PwCは2026年9月29日(ロンドン発)、世界48の国・地域の労働者4万9,364人を対象とした「Global Workforce Hopes and Fears Survey 2026」を公表しました。

職場でのAI利用が1年で10ポイント増えた一方、必要な学習機会を得られる人は8ポイント減り、AIスキルによる労働者の二極化が進んでいると指摘しています。

ニュースの概要

調査は2026年5〜6月に、48の国・地域、29業種の労働者4万9,364人を対象に実施されました。過去12か月に仕事でAIを使った人は64%(前年54%)、生成AIを毎日使う人は22%(同14%)に増えています。

一方、必要な学習・能力開発の機会を得られていると答えた人は51%で、前年の59%から低下しました。

PwCは回答者をスキルの希少性とAI活用度で4層に分類しています。希少なスキルと高いAI能力を持つ「フロントランナー」は14%、AIを積極活用する「AIインサージェント」は18%、希少スキルを持つもののAI学習が遅れる「インディスペンサブル」は11%でした。

残る56%は「エンジンルーム」と呼ばれ、希少なスキルもAI経験も乏しい層で、必要な学習機会を得られているのは40%にとどまるとしています。

生成AIを毎日使う人は、利用頻度の低い人に比べて雇用の安定に自信を持つ割合が高い(68%対57%)と報告されています。

一方、フロントランナーの29%が1年以内に転職する可能性が「非常に高い/極めて高い」と回答しました。PwCは、AIに最も精通した人材を失うリスクと、大多数を取り残すリスクの両方に企業が直面していると説明しています。

リスキリングドットコムの見解

以下はリスキリングドットコムとしての見解です。今回の調査で目を引くのは、AIの利用が広がるほど学習機会が減っているという逆行の構図です。

ツールの導入だけが先行し、使いこなすための学びが後回しになっている状況がうかがえます。

日本企業にとっての示唆は二つあると考えます。一つは、AIに強い一部の人材に育成投資が偏ると、その人材ほど転職しやすいという点です。

キャリアの展望や処遇とセットで育成を設計することが求められます。もう一つは、全体の過半を占める「エンジンルーム」層への底上げです。

日々の業務の中でAIを試せる時間と、身近な相談相手を用意するなど、現場に近い学習機会を整えることが重要です。

自社の従業員がどの層にどれだけいるかを把握することが、育成施策の優先順位を決める第一歩になるでしょう。

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