ストレスチェック義務化 50人未満はいつから【2026年最新】準備7ステップと外部委託の注意点
最終更新日:2026.10.02
労働者数50人未満の事業場でも、ストレスチェックの実施が2028年4月1日から義務になります。これまで小規模事業場は「当分の間の努力義務」とされてきましたが、2025年の労働安全衛生法改正で対象が広がりました。
この記事では、施行時期と求められる内容、厚生労働省が2026年に公表した「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」に沿った準備の手順、注意点を整理します。
ストレスチェック義務化とは|50人未満は2028年4月1日から
ストレスチェックは、労働者が選択式の質問票に回答し、自分のストレス状態を知るための簡単な検査です。2015年から労働安全衛生法で事業者に実施が義務付けられていますが、労働者数50人未満の事業場は努力義務にとどまっていました。
2025年5月に公布された改正労働安全衛生法で50人未満の事業場にも義務化され、施行期日は令和10年(2028年)4月1日とされています。
厚生労働省は制度の目的を「メンタルヘルス不調の未然防止」とし、不調者を見つけ出すための仕組みではないと説明しています。
厚生労働省のスタートガイドでは、制度の3つの柱と位置付けが次のように整理されています。
| 柱 | 主な内容 | 位置付け |
|---|---|---|
| ①ストレスチェック | 1年ごとに1回検査を実施し、結果を本人に通知 | 義務 |
| ②医師の面接指導 | 高ストレスの労働者の申出を受けて医師の面接指導を実施し、意見を踏まえて就業上の措置 | 義務 |
| ③集団分析・職場環境改善 | 結果を職場ごとに集計・分析し、ストレス要因の軽減に取り組む | 努力義務 |
小規模事業場の実施状況(2025年調査)
厚生労働省が2026年8月7日に公表した「令和7(2025)年労働安全衛生調査(実態調査)」によると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は、労働者数50人以上で93.7%に対し、30〜49人で72.0%、10〜29人で54.6%でした。
メンタルヘルス対策に取り組む事業所のうちストレスチェックを実施している割合は、50人以上で89.8%、30〜49人で58.4%、10〜29人で55.9%です。
規模が小さいほど取り組みに差がある状況がうかがえます。
同ガイドは、メンタルヘルス不調による病休期間が平均で約3か月、復職後に再び病休となる割合も約半数にのぼるとし、特に小規模事業場では大きな人材の損失や経営上のリスクにつながると指摘しています。
準備から実施までの7ステップ
厚生労働省のマニュアル(スタートガイド)に沿うと、小規模事業場の進め方は次の流れになります。
- 方針表明:事業者が実施責任者として制度導入の方針を示す(マニュアルにモデル例あり)。
- 労働者の意見を聴く:社内の実施体制・実施方法について意見を聴取する。
- 社内ルール(規程)の作成・周知:実施時期や情報の取り扱い等を定めて周知する。
- 実務担当者の指名と委託先の選定:委託先との連絡調整役を指名し(衛生推進者・安全衛生推進者の選任が望まれる)、外部機関から「サービス内容事前説明書」で提案を受けて料金体系などを比較する。
- ストレスチェックの実施:委託先が紙またはWebで調査票(国が推奨する57項目版など)を配布・回収し、個人結果を本人に直接通知する。
- 医師の面接指導:高ストレス者から申出があれば医師に依頼し、医師の意見を聴いて必要な就業上の措置を行う。
- 集団分析と職場環境改善:委託先に集団ごとの集計・分析を依頼し、結果を職場環境の改善に生かす。
面接指導の依頼先としては、外部機関のオプションサービス、地域産業保健センター、産業保健に対応する医療機関等が挙げられています。
地域産業保健センターは全国350か所に設置され、50人未満の事業場は医師の面接指導などの産業保健サービスを無料で利用できます。
注意点|プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
マニュアルは、労働者のプライバシー保護の観点から原則として外部委託による実施を推奨しています。個人結果などの健康情報の取り扱いは外部機関で完結させ、事業場内では取り扱わないのが基本です。
事業者には個人結果は提供されず、個人が特定されない形で集計した集団分析の結果のみが提供されます。
また、集団の単位が10人を下回る場合は個人が特定されるおそれがあるため、原則として集団分析結果の提供を受けてはならないとされています。
小規模事業場では部署ごとの人数が少なくなりやすいため、集計単位の設計に注意が必要です。受検や面接指導の申出を理由とした不利益な取扱いの防止も求められており、禁止事項はマニュアルで具体的に確認できます。
委託先を比較する際は、どこまでが標準サービスでどこからがオプションか、別料金の内容が適切かといった料金体系の確認が重要です。
手順や報告の要否などの詳細は、最新のマニュアルや厚生労働省の案内で確認することをおすすめします。
まとめ
50人未満の事業場のストレスチェック義務化は2028年4月1日施行です。方針表明から委託先選定、実施、面接指導、集団分析までの流れは厚生労働省のマニュアルで具体的に示されており、外部委託と無料の地域産業保健センターを組み合わせれば小規模事業場でも体制をつくりやすくなっています。
施行までの時間を使い、社内ルールの整備と委託先の比較から着手するのが現実的です。
リスキリングドットコムの視点
以下はリスキリングドットコムとしての見解です。ストレスチェックを「義務だから外部に丸投げする検査」と捉えると、年1回のイベントで終わってしまいます。
本来の価値は、集団分析で見えた職場のストレス要因を、管理職のマネジメントや業務の進め方の見直しにつなげる点にあると考えます。
特に小規模事業場では一人の不調が組織全体に与える影響が大きく、管理職が部下の変化に気づき、相談しやすい関係をつくる力は、リスキリングの重要なテーマの一つです。
施行前の準備期間を、1on1やラインケア研修など管理職の育成と組み合わせて設計することが、制度を形骸化させない近道になるのではないでしょうか。



