AI導入7割超でも雇用に変化なし9割 5〜10年後は半数超が減少見込み 生産性本部
最終更新日:2026.10.09
日本生産性本部は2026年9月30日、「生産性年次報告2026」を公表した。AIが雇用に与える影響をテーマに、企業調査と労使・有識者へのヒアリング結果をまとめている。
ニュースの概要
報告は同本部のイノベーション会議による研究の一環で、年次報告としては4回目にあたる。企業調査によると、7割超の企業が全社的にAIを導入済みで、主な目的は業務の効率化・自動化とされている。
報道によれば、調査は同本部の人事関連活動に参加する企業が対象で、2026年7月に実施された(回収は33件とされる)。
雇用への影響については、現時点で従業員数に「変化なし」とする企業が9割以上を占めた。一方、5〜10年後の従業員数は「減少」を見込む企業が半数超となり、「増加」を見込む企業は1割弱にとどまる。
また、導入企業のうち45.5%が「ビジネスモデルの転換」に言及している。
労使学識ヒアリングでは、企業側から「事務職の採用は将来的に抑制の方向だが、現時点で採用は減っていない」との発言があった。
求める人材像が質的に変わりつつあるとの指摘もある。労働組合側は、AIを使いこなせる人とそうでない人の間で格差が広がる懸念を示した。
有識者は、生産性向上の効果が対象業務、導入方法、検証体制、組織文化などに左右されるとしたうえで、リスキリングや批判的思考力の重要性に触れている。
リスキリングドットコムの見解
以下は当サイトの見解です。回収数が限られた調査であり、数値は傾向として受け止める必要があります。
リスキリングドットコムとしては、「今は影響が小さいが、先行きは減少を見込む」という認識のずれに注目しています。
現在の雇用が維持されている間は、人材育成に投資する猶予期間とも捉えられます。
特に労組側が指摘した「使いこなせる人との格差」は、研修機会の設計次第で縮められる可能性があります。人事部門には、職種ごとにAIで変わる業務を洗い出し、配置転換や学び直しの道筋を早めに示すことが求められます。
効果が組織文化や検証体制に左右されるという指摘も踏まえると、ツール導入だけでなく、使い方の共有と効果測定の仕組みづくりが重要になりそうです。



