情報サービス業の利益、5年で1.8倍に DX・AI需要で過去最高も大手が8割超 東京商工リサーチ
最終更新日:2026.10.28
東京商工リサーチは2026年10月27日、「情報サービス業」4,417社の業績動向を公表しました。2025年度の当期利益は3兆2,755億円と過去5年で最高となり、2021年度比で81.8%増(約1.8倍)に拡大した一方、利益の大半を従業員300人以上の大手が占める構造が浮き彫りになりました。
ニュースの概要
調査は、東京商工リサーチの企業データベースから、5期連続で売上高と当期利益を比較できる情報サービス業4,417社を抽出して分析したものです。
2025年度(2025年4月期〜2026年3月期)の売上高は32兆6,569億円(前年度比7.7%増)、当期利益は3兆2,755億円(同28.9%増)で、いずれも過去5年間で最高でした。
2021年度比では売上高が32.4%増、当期利益が81.8%増と、利益の伸びが売上高を大きく上回っています。
同社は背景として、DX需要の高まりと生成AIの普及による付加価値の上昇を挙げ、ソフトウェア開発やテスト、文書作成などでニーズが拡大したとしています。
一方で規模による格差は鮮明です。2025年度の当期利益に占める割合は従業員300人以上が86.3%、49人以下は1.0%にとどまりました。
赤字企業率は300人以上が4.2%、49人以下が21.7%です。2026年度上半期の同業の倒産は174件(前年同期比41.4%増)で、うち従業員5人未満が143件を占めました。
同社は格差の要因として、大手・中堅が待遇改善で高度なIT人材を確保する一方、小・零細はAI人材の採用が難しく下請け案件で利益を確保しにくい点を指摘しています。
リスキリングドットコムの見解
以下はリスキリングドットコムとしての見解です。今回の調査は、AI需要の恩恵が「人材を確保できる企業」に集中しやすいことを数字で示した点に意味があると考えます。
東京商工リサーチも、小・零細ではAI人材の採用が難しいことを格差の一因に挙げています。採用で大手と競うのが難しい企業ほど、既存社員のリスキリングによってAI活用力を社内で育てる発想が重要です。
同社が中小に求める取り組みとして挙げる専門特化や上流工程への進出も、業務知識とAIを組み合わせられる人材がいてこそ実現します。
これはIT業界に限らず、システム開発を外部に委託するユーザー企業にとっても、発注側のAIリテラシーが問われる局面だといえるでしょう。



