ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者の違い【2026年最新】社員に勧める資格の選び方
最終更新日:2026.11.05
社員のITリテラシー底上げに、国家試験の「ITパスポート」「情報セキュリティマネジメント」「基本情報技術者」のどれを推奨すべきか。
結論から言うと、全社員の共通基礎ならITパスポート、利用部門のセキュリティ担当なら情報セキュリティマネジメント、システムを作る側の人材なら基本情報技術者が目安です。
いずれもIPA(情報処理推進機構)が実施し、CBT方式で年間を通じて受験でき、受験手数料は7,500円(税込)です。
本記事では3試験の違いを比較表で整理し、2027年度に予定されている試験制度見直し(案)も踏まえた選び方を解説します。
3試験はいずれもIPAの国家試験、違いは「誰に向けた試験か」
IPAの試験区分一覧では、ITパスポート試験は「全ての社会人」向けの共通的知識、情報セキュリティマネジメント試験は「ITの安全な利活用を推進する者」向け、基本情報技術者試験は「情報処理技術者」向けの基本的知識・技能と位置づけられています。
難易度の上下というより、想定する役割が異なる点が選び方の出発点になります。
実施方式はいずれもCBT(コンピュータを使った試験)で、ITパスポートは2011年11月、情報セキュリティマネジメントは2020年12月、基本情報技術者は2021年1月からCBTで実施されています。
全国の会場で随時受験できるため、研修計画に合わせて受験時期を決めやすいのが特徴です。
ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者の比較表
| 項目 | ITパスポート(IP) | 情報セキュリティマネジメント(SG) | 基本情報技術者(FE) |
|---|---|---|---|
| 想定する人 | 職種を問わずITの共通的な基礎知識を持つべき社会人 | 利用部門で情報セキュリティリーダーとして対策を推進する人 | ITを活用したサービス・システム・ソフトウェアを作る人材 |
| 試験時間 | 120分 | 120分(科目A・B) | 科目A 90分+科目B 100分 |
| 出題 | 四肢択一・100問 | 多肢選択式・60問 | 科目A 60問(四肢択一)+科目B 20問(多肢選択式) |
| 実施方式・時期 | CBT・随時 | CBT・随時 | CBT・随時 |
| 受験手数料(税込) | 7,500円 | 7,500円 | 7,500円 |
| 向いている社内対象 | 全社員・新入社員・管理職 | 総務・情報管理担当、部門のセキュリティ推進役 | 情報システム部門、DX推進の実務担当、エンジニア候補 |
社員に推奨する試験の選び方
選び方は「対象者の役割」で決めるのが基本です。営業や管理部門を含む全社員の共通言語づくりが目的なら、AIやセキュリティ、経営戦略、法務まで幅広く問うITパスポートが合います。
生成AIの社内活用を進める際の基礎教養としても位置づけやすい試験です。
部門ごとに情報管理のルールを運用する担当者を育てたいなら、情報セキュリティマネジメントが候補になります。
システム開発や内製化、データ活用の実務を担う人材には、「作る人材」の基本的知識・技能と実践的な活用能力を想定した基本情報技術者が適しています。
段階的に育成する場合は、ITパスポートで基礎をそろえた後、役割に応じてSGかFEへ進むルートを示すと、社員がキャリアを描きやすくなります。
注意点:2027年度に試験制度の見直しが予定されている
IPAは2026年3月31日、情報処理技術者試験の見直し(案)を公表しました。ITパスポートは出題分野を「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に再整理する案が示され、ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者は2027年度春頃から新制度での実施が想定されています。
あわせて「データマネジメント試験(仮称)」や、「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3領域からなる「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」の新設も示されています。
IPAは「現時点の検討状況であり、今後変更が生じる場合がある」としています。社内の資格取得支援制度や報奨金の対象試験を規程に書き込む場合は、名称変更に備えて「IPAが実施する情報処理技術者試験のうち会社が指定するもの」といった書き方にしておくと改定の手間を減らせます。
最新の出題範囲や日程は、受験前にIPAの公式サイトで確認してください。
まとめ
3試験はいずれもCBTで随時受験でき、受験手数料は共通の7,500円です。全社員の基礎はITパスポート、セキュリティ推進役は情報セキュリティマネジメント、作る側の人材は基本情報技術者と役割で使い分け、2027年度の制度見直しの動向も追いながら社内の推奨ルートを設計しましょう。
リスキリングドットコムの視点
以下は編集部の意見です。資格は「取らせること」が目的化すると、合格後に業務で使われないまま終わりがちです。
ITパスポートを全社の共通言語として位置づけ、その先にSGやFEへ進む道筋を職種ごとに示すと、学びがキャリアと結びつきやすくなると考えます。
また、2027年度に予定される制度見直しでは、データ・AI領域の試験新設が示されています。現行試験で基礎を固めつつ、新制度の確定情報を待って次のステップを設計する、という二段構えが現実的ではないでしょうか。
受験費用の補助と合わせて、学習時間を業務内に確保できるかどうかも、制度が定着するかを左右するポイントになりそうです。
出典元
IPA「スケジュール、手数料など」(2026年10月26日更新)
IPA「試験区分一覧」
IPA「ITパスポート試験」
IPA「情報セキュリティマネジメント試験」
IPA「基本情報技術者試験」
IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直し(案)について」(2026年3月31日)



