人材開発支援助成金で1億円超の不適切支給、特定4機関に支給額計9億円超。会計検査院が指摘

最終更新日:2024.11.27

会計検査院

会計検査院が石破首相に11/6(水)、石破首相に「令和5年度決算検査報告」(以下、報告)を提出しました。厚生労働省が支給した人材開発支援助成金で、約1億735万円の不適切な支給が判明したことを報告。

会計検査院は、事業主が訓練経費を全額負担していないケースがあったと指摘しています。具体的には、32事業主のうち2事業主(支給件数計4件、支給額計239万余円)は、訓練実施機関に教育訓練を委託しながら、同機関から業務協力料等の名目で入金を受けていました。

さらに、30事業主(支給件数計79件、支給額計1億0495万余円)は、訓練実施機関等と役務契約を締結し、感想文提出や写真撮影協力などの名目で金銭を受け取っていました。19事業主は契約の一部しか履行せずに全額を受け取るなど、不適切な事例も見られました。

また、32事業主が利用した訓練実施機関は特定の4機関に集中していました。これら4機関による3年度から5年度の助成金支給は40労働局で961件、支給額計9億6433万円に上り、年々増加。しかし、多くの労働局で訓練実施機関からの入金確認が行われていませんでした。

会計検査院は厚労省に対し、不適切分の返還や制度の見直し、審査方法の改善などを求めています。