リスキリング先進国シンガポール、国際サミットで先進的取り組みを披露
最終更新日:2024.11.27
2024年10月1日と2日、シンガポールで開催された第2回グローバル生涯学習サミット(GLLS)2024が、AIと生涯学習の融合をテーマに世界的な注目を集めた。400人以上の国際的リーダーが参加し、OECD、UNESCO、ILOなどの国際機関代表も登壇。AI時代における人材育成と経済発展の戦略を探る場となり、日本の取り組みとの差が浮き彫りになった。
主催者のSkillsFuture Singapore(SSG)と成人学習研究所(IAL)共催のこのイベントでは、AIが経済と労働力に与える影響を参加者が分析・議論を行いました。innovPlusやinnovSpurプログラムを通じて、産業界との密接な協力も進められている。これらのプログラムは、社会人教育・訓練分野における革新的なソリューションを支援するものであり、企業にとって実利のある学習成果を促すことができる。サミットでは、8つの技術ショーケースが展示され、参加者は実際のAI活用体験することができた。
シンガポールの取り組みは、AIと生涯学習を国家戦略として明確に位置づけている点で日本を大きく上回る。日本も「新しい資本主義」などを進めているが、シンガポールのような包括的且つ焦点を絞った戦略には至っていない。また、日本とは異なり、シンガポールはリスキリングに関連した大規模な国際サミットにおいてOECD、UNESCO、ILOなど国際機関との強い連携を示しました。
SSGはシンガポール政府が推進する国家的スキル開発イニシアチブを担う機関で、企業、労働組合、教育機関など様々な組織を巻き込み、国家戦略としてリスキリングを推し進めています。
この先進的な取り組みは、AIと生涯学習の統合において世界の最先端を行くものであり、日本を含む他国の政策にも大きな影響を与える可能性がある。日本が追いつくためには、より包括的な国家戦略の策定と、産学官の緊密な連携が不可欠だろう。