看護師のスキルアップにおすすめな資格15選|受験資格や取得方法

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最終更新日:2024.08.06

看護師として働きながら、「もっと専門的な知識を身につけたい」「早く頼りになる看護師になりたい」といった思いを抱いている人は多いのではないでしょうか。

看護師の仕事は、人の命に寄り添う、やりがいのある仕事です。しかし、夜勤の大変さや職場の人間関係、給与面での不安など、悩みを抱えている人は多いといわれています。

そこで、看護師としてのスキルアップを目指し、キャリアアップや収入アップにつなげたいと考えている人は、資格取得への挑戦をおすすめします。

この記事では、スキルアップを目指す看護師の皆さんに、おすすめな資格を15種類紹介しています。資格取得を検討する際に知っておくべき点もまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

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看護師のスキルアップには資格取得がおすすめ

看護師として経験を積んでいくなかで、さらにスキルアップしたいと考えている人には、資格取得がおすすめです。

資格を取得することで、看護師としての知識や技術を深め、より質の高い看護を提供できるようになります。具体的には、以下3つのようなメリットを受けられます。

専門性が向上する

看護師として働きながら資格を取得することで、特定分野における専門的な知識や技術が大幅に向上します。

たとえば、がん看護専門の認定看護師を取得すれば、がん患者のケアに関する高度な知識や技術を習得できます。

ほかにも、糖尿病専門の専門看護師を取得すれば、糖尿病患者の食事療法や運動療法に関する専門的な知識を深められます。

専門性の高い知識や技術を身につけることで、より幅広い患者さんのニーズに対応できるようになり、看護師としての仕事のやりがいも増えるでしょう。

キャリアアップを目指せる

資格取得は、看護師としてキャリアアップを目指すうえで有効な手段です。

資格取得によって特定分野の専門性が高まると、これまでより仕事の幅が広がるため、より多くの選択肢から将来のキャリアを選択できます。

たとえば、特定の分野を深く学びたい場合は、その分野に関する資格を取得することで、専門病院などで活躍できる可能性があります。

また、資格取得によって、指導や相談といった新たな役割を担ったり、保健所や企業など、病院以外で働いたりする選択肢も広がるでしょう。

収入アップの可能性がある

看護師の資格に加えて、専門性の高い資格を取得することで、収入UPや昇進の可能性が高くなります。

多くの医療機関では、高度な資格保持者に専門手当を支給したり、昇進の機会を設けたりしています。さらに、需要の高い資格を持っていると、転職活動でも有利に働き、より高い給与での採用も期待できるでしょう。

このように、資格取得は単なるスキルアップにとどまらず、具体的な収入アップやキャリア向上につながるのです。

自己成長につながる

看護師として働きながら資格取得を目指すことは、自己成長につながる大きな一歩となります。

資格取得に向けて努力することで、新しい知識や技術を習得し、看護師としての専門性を高められます。学習の過程で直面するさまざまな課題は、問題解決能力を高め、困難な状況にも対応できる柔軟な思考力を養う機会になるでしょう。

そして、目標を達成し資格を取得することで、自己肯定感が高まり、「やればできる」という自信につながります。この成功体験は、さらなる目標に挑戦する原動力となり、自己成長を促進するでしょう。

キャリアアップ・収入アップを目指せる資格

看護師としてさらにキャリアアップ・収入アップを目指したい人は、専門性の高い資格の取得がおすすめです。ここでは、代表的な資格として次の4つを紹介します。

  1. 認定看護師
  2. 専門看護師
  3. 保健師
  4. 助産師

これらの資格は、看護師としての専門性をさらに深め、より高度な医療を提供できるようになります。それでは、受験資格や取得方法、取得費用などをご紹介しましょう。

認定看護師

認定看護師とは、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を使い、水準の高い看護を提供できる看護師のことです。

認定看護師は、専門知識や技術を生かして、患者さんの個別ニーズに合わせた質の高い看護を提供します。また、ほかの看護師への指導や相談、チーム医療の推進など、リーダーシップを発揮することも期待されます。

【2020年からの認定看護19分野】

クリティカルケア、緩和ケア、がん薬物療法看護、在宅ケア、生殖看護、腎不全看護、摂食嚥下障害看護、小児プライマリケア、脳卒中看護、呼吸器疾患看護、心不全看護、皮膚・排泄ケア、感染管理、糖尿病看護、新生児集中ケア、手術看護、乳がん看護、認知症看護、がん放射線療法看護

参考:https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/vision/cn/index.html

認定看護師受験資格

認定看護師の資格を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

要件 内容
看護師としての経験年数 5年以上(認定看護分野における経験が3年以上含まれていること)
教育機関における教育時間 認定看護師教育機関において、1年以内に800時間程度の教育を受けること

認定看護師取得費用

認定看護師の審査を受けるために、審査料51,700円(税込)、合格後の認定料51,700円(税込)が必要になります。

また、認定看護師になるためには、認定看護教育機関で教育カリキュラムを受講する費用も発生します。

  • 入学金約5万円
  • 授業料約70万円
  • 実習費約10万円

これらの費用は、認定看護師教育機関によって異なるため、事前に確認が必要です。

また、資格の有効期限は5年間です。そのため、認定看護師の資格を維持するには、5年ごとに更新手続き費用として30,800円(税込)が発生します。

専門看護師

専門看護師とは、複雑で解決が難しい看護上の問題を抱えた患者さんや家族、集団に対して、特定の専門看護分野の知識や技術を身につけた高い水準の看護を提供できる専門職のことです。

専門看護師は、認定看護師よりもさらに専門性の高い知識や技術を有し、特定の看護分野におけるスペシャリストといえます。

具体的には、患者さんや家族への直接的な看護に加え、ほかの看護師への指導・相談(コンサルテーション)、円滑なケアのための関係調整をします。倫理的な問題解決、看護師への研修や研究指導、自身の専門性向上のための研究活動なども重要な役割です。

【2022年12月現在、特定されている14分野】

がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護、遺伝看護、災害看護、放射線看護

参考:https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/vision/cns/index.html

専門看護師受験資格

専門看護師の資格を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

専門看護師受験資格

専門看護師の資格を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

要件 内容
看護師としての経験年数 5年以上(専門看護分野における経験が3年以上含まれていること)
教育要件 看護系大学大学院修士課程、または関連領域の大学院修士課程を修了していること

専門看護師取得費用

専門看護師の審査を受けるために、審査料51,700円(税込)、合格後の認定料51,700円(税込)が必要になります。

また、専門看護師になるためには、大学院で専門分野を学ぶ必要があるため、大学院の授業料や教材費などが別途発生します。

  • 入学金約30万円
  • 授業料約120万円(60万円×2年間)
  • 教材費約20万円
  • 実習費など約30万円

ただし、これらの費用は、教育機関によって異なるため、事前に確認しましょう。

また、資格の有効期限は5年間です。そのため、認定看護師の資格を維持するには、5年ごとに更新手続き費用として30,800円(税込)が発生します。

保健師

国家資格である保健師は、地域住民の健康の保持・増進を目的とした仕事に従事します。

乳幼児健診や健康相談、生活習慣病予防、精神保健、感染症対策など、幅広い業務が担当になります。働く場所は病院だけでなく、保健所や市役所、企業など、さまざまな場所で活躍できるため、活躍の場を広げたい人におすすめの資格です。

参考:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/160

保健師受験資格

すでに看護師の資格を取得している人の場合、短大や専門学校などで1年以上保健師養成課程を受講することで、保健師の受験資格を得られます。

なお、行政保健師(公務員)になる場合には、国家公務員試験を受験する必要があります。

保健師取得費用

保健師資格の受験を受けるには、受験手数料5,400円(収入印紙)が必要になります。

また、保健師養成課程の教育費用としては、国公立で200万円程度、私立では300万円程度の学費が必要になります。

なお、保健師の免許には有効期間がないため、一度取得すれば定期的な更新は不要です。ただし、姓や本籍地が変わった場合や、国籍が変わった場合には免許更新が必要になります。

助産師

助産師は妊娠、出産、産後を通して女性とその家族をサポートする専門職です。

出産に立ち会える、命に関わる仕事であるなど、やりがいが大きい仕事です。近年では、出産の高齢化や核家族化に伴い、より専門性の高い知識や技術が求められています。

助産師の仕事は妊婦健診、分娩介助、産後の母子のケアなど多岐にわたり、病院やクリニックのほか、助産院などで働けます。

参考:https://www.midwife.or.jp/index.html

助産師受験資格

助産師になるためには、看護師免許を取得している必要があります。

すでに看護師免許を取得している人の場合は、短大や専門学校などの教育期間で1年以上必要な学科と実習を修了することで受験資格を得られます。

助産師取得費用

助産師資格の受験を受けるには、受験手数料5,400円(収入印紙)が必要になります。

また、助産師養成課程の教育費用は機関によって異なりますが、1年で100万〜200万円学費が必要になります。

なお、助産師の国家試験に合格すると、免許が交付されます。この免許には有効期限がなく、一度取得すれば更新の手間や費用はかかりません。ただし、名前や本籍地が変わった場合や国籍が変わった場合は、更新手続きが必要となります。

高齢化社会で需要が高まる資格

高齢化社会が進むなかで、医療・介護分野ではより専門的な知識やスキルを持った人材が求められています。

ここでは、高齢化社会で需要が高まっている資格を3つご紹介します。

  1. ケアマネージャー
  2. 認知症ケア専門士
  3. 社会福祉士

これらの資格は、高齢者へのケアに特化した専門知識や技術を身につけられるため、看護師のスキルアップに役立ち、活躍の場を広げてくれるでしょう。それでは、受験資格や取得方法、取得費用などをご紹介します。

ケアマネージャー

高齢化社会の進展に伴い、介護を必要とする人が増加するなかで、ケアマネージャーは需要が高まっている注目の資格です。

ケアマネージャーは、介護を必要とする人が適切なサービスを受けられるように、ケアプランと呼ばれる介護計画を作成します。

その人の状況や希望を丁寧に聞き取り、必要なサービスを組み合わせ、関係機関との連絡や調整といった重要な役割を担っています。

在宅医療のニーズも高まっているため、訪問看護師として患者さんの生活を支え、より質の高い医療を提供したいと考えている看護師におすすめの資格です。

参考:ttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114687.pdf

ケアマネージャー受験資格

ケアマネージャーは国家資格ではなく、各都道府県が認定する資格です。しかし、試験内容などは全国で統一されており、受験資格としては以下の要件が定められています。

受験資格は医療・福祉・介護に関する国家資格、または相談援助業務の実務経験が5年以上(かつ従事日数が900日以上)あることです。

看護師の資格を取得している場合、看護師の実務経験が5年以上になると要件を満たします。

また、試験に合格したあとは、15日間の講習+3日間の実務研修(87時間以上)を受講する必要があります。

ケアマネージャー取得費用

ケアマネージャー試験の受験費用は、受験する都道府県によって異なりますが、7,000〜14,000円程度になります。

試験に合格したあとの、講習費用や実務研修費用は61,000円(税込)です。

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士とは、認知症の方とその家族に対し、質の高いケアを提供する専門家のことです。

認知症ケアに関する専門的な知識や技術を習得し、適切なケアを実践できる能力を有していることを証明してくれます。

認知症ケア専門士は、医療機関や介護施設、地域包括支援センターなどで活躍しています。

認知症の人の日常生活を支援したり、認知症の人の行動・心理面の理解を深め、適切なケアを提供したりするなど、多岐にわたる業務を担っています。

参考:https://ninchisyoucare.com/senmonsi/Ssenmonsi.htm

認知症ケア専門士受験資格

認知症ケア専門士を受験するには、認知症ケアに関する施設や機関での実務経験が必要です。

具体的には、試験実施年の3月31日を起点に、過去10年の間に3年以上の認知症ケアの実務を経験している必要があります。

認知症ケア専門士取得費用

認知症ケア専門士を取得するために必要な費用は、以下のとおりです。

  • 受験の手引き(願書):1,000円(税込)/部
  • 第1次試験の受験料:3,000円(税込)/分野(4分野すべての場合、12,000円)
  • 第2次試験の受験料:8,000円(税込)
  • 資格取得後の登録費用:15,000円(税込)

第一次試験の4つの分野すべてに合格できなかった場合、次回以降に受からなかった分野のみ再受験できます。なお、合格した分野の有効期間は5年間です。

社会福祉士

社会福祉士は、身体の病気や心の障がいがある人、貧困者、介護を必要とする高齢者など、日常生活を送るうえで支障のある人々に対して、福祉・医療サービスの提案や提供、援助するのが仕事です。

相談に訪れた人の話を丁寧に聞き、問題解決につながるよう、福祉・医療サービスの紹介や利用手続きを支援します。

ときには、医療機関や行政機関と連携し、必要な医療や介護、生活支援などが受けられるよう連携・調整します。

参考:https://www.sssc.or.jp/shakai/

社会福祉士受験資格

社会福祉士になるためには、国家試験を受験し、合格する必要があります。受験資格は、以下のとおりです。

  • 4年生大学で指定科目を修了して卒業している人
  • 2〜3年生の短期大学などで指定科目を修了して卒業し、指定施設において1〜2年以上の相談業務に従事した人
  • 6カ月以上の社会福祉士短期養成施設を卒業している人
  • 1年以上の社会福祉士短期養成施設を卒業している人

上記以外にも、一般大学等を卒業した後に、指定科目を修得する、または社会福祉士短期養成施設を修了するといった方法もあります。

社会福祉士取得費用

社会福祉士の資格を取得するには、資格試験の受験料だけでなく、受験資格を得るための費用がかかります。

社会福祉士の資格試験の受験料は、19,370円(税込)です。ただし、精神保健福祉士と同時受験する場合は16,840円(税込)、科目免除者は16,230円(税込)になります。

また、受験資格を持たない人が養成施設などに通って資格を取得する場合は、学費などで30万円程度かかります。ただし、教育訓練給付金制度を利用すれば、自己負担額を抑えることも可能です。

専門知識・技術を深めたい看護師におすすめの資格

看護師として特定の分野を究めたい、専門性を高めてより質の高い看護を提供したいと考えている人は、専門資格の取得がおすすめです

ここでは、専門知識・技術を深めたい看護師におすすめの資格を4つご紹介します。

  1. 呼吸療法認定士
  2. 消化器内視鏡技師
  3. リンパ浮腫セラピスト
  4. 終末期ケア専門士

呼吸療法認定士

呼吸療法認定士とは、呼吸器疾患の患者さんに対して、呼吸療法に関する専門知識と技術を用いて、安全で効果的な呼吸ケアを提供する専門職のことです。

医師の指示のもと、人工呼吸器をはじめとする呼吸療法機器の操作や管理、患者さんの状態管理などを行えるようになります。

呼吸器疾患の増加や高齢化に伴い、ニーズが高まっている資格になります。

参考:https://www.jaame.or.jp/iryo/kokyu/

呼吸療法認定士受験資格

呼吸療法認定士を受験資格を得るには、看護師としての経験が2年以上あるうえで、以下の3ステップが必要になります。

  1. 3学会呼吸療法認定士認定委員会が認める学会や講習会などに出席し、12.5点以上の点数を取得する(受験申込時から過去5年以内に取得している必要がある)
  2. 3学会呼吸療法認定士認定委員会が主催する、認定講習会を修了する
  3. 3学会呼吸療法認定士認定委員会が主催する、認定試験に合格する

呼吸療法認定士取得費用

呼吸療法認定士の受験するには、認定講習会費用や認定試験の受験料、認定証の交付料が必要です。

  • 認定講習会費用:eラーニングのみの場合、20,000円(税込)
            会場+eラーニングの場合、30,000円(税込)
  • 認定試験の受験料:10,000円(税込)
  • 認定証の交付料:3,000円(税込)

これらの費用は、受験する年度によって異なる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

消化器内視鏡技師

消化器内視鏡技師とは、消化器内視鏡検査(胃カメラや大腸カメラなど)を専門に行う医療従事者のことです。

医師の指示のもと、検査の準備から挿入、観察、生検の補助、処置に伴う準備・管理、感染管理など幅広い業務を担当します。

近年、内視鏡検査は病気の早期発見・治療のために欠かせないものとなっており、消化器内視鏡技師の需要はますます高まっています。

参考:https://www.jgets.jp/

消化器内視鏡技師受験資格

看護師の資格を持っている人は問題ありませんが、消化器内視鏡技師の資格試験を受けるには、以下いずれかの国家資格を保有している必要があります。

必要な医療関連の法定資格
看護師、准看護師、衛生検査技師、診療放射線技師、臨床工学技師、臨床検査技師、薬剤師

上記国家資格を保有しているうえで、以下の要件を満たしている必要があります。

  • 消化器内科学会認定の専門医が従事する施設で、内視鏡室での実務経験が2年以上ある(過去5年以内)
  • 申請時点において、技師会が主催する「消化器内視鏡技師学会」、または「消化器内視鏡技師研究会」に2回以上出席していること(過去5年以内)
  • 申請時点において、技師会が承認する「機器取扱い講習会(基礎編)」を1回以上受講していること
  • 「消化器内視鏡に関する基礎」の講義を、20時間以上受講していること
  • 直近1年間の消化器内視鏡の介助症例数が、合計100件以上あること
  • 学会認定専門医より、推薦が得られること

これらの要件をすべて満たしている場合は、消化器内視鏡技師資格試験の受験資格を得られます。

消化器内視鏡技師取得費用

消化器内視鏡技師の資格取得には、受験料と合格後の認定料が必要になります。

  • 資格試験の受験料:10,000円(税込)
  • 試験合格後の認定料:10,000円(税込)

なお、これらの費用以外にも、資格取得のための勉強時間や教材費、資格取得のための講習会など、別途費用が発生する場合があります。

リンパ浮腫セラピスト

リンパ浮腫セラピストとは、がんの手術や放射線治療の副作用として起こる、リンパ浮腫の改善治療に携わる施術者のことです。

医師の指示に基づき、リンパドレナージマッサージ、圧迫療法や圧迫下での運動療法、スキンケアなどの専門的な技術を用いて、リンパ浮腫を治療します。

参考」https://www.mlaj.jp/

リンパ浮腫セラピスト受験資格

リンパ浮腫セラピストは誰でも受けられるわけではなく、「医師」「看護師」「理学療法士」「作業療法士」に限られています。

ちなみに、リンパ浮腫セラピストと似た資格として、リンパ浮腫療法士があります。こちらは「医師」「看護師」「理学療法士」「作業療法士」「あん摩マッサージ指圧師」の資格を保有し、2年以上の実務経験が必要です。

リンパ浮腫セラピスト取得費用

資格を取得するためには、座学研修と実技研修の2つを受講する必要があり、受講料は40〜50万円程度必要です。

なお、リンパ浮腫セラピストは、医療リンパドレナージ協会や日本リンパドレナージスト協会などが資格の認定をしています。

カリキュラムや研修期間、受講料は教科によって異なるため、事前に問い合わせて確認する必要があります。

終末期ケア専門士

終末期ケア専門士は、臨床ケアにおけるスペシャリストです。

終末期ケアが必要な場面で、患者さんやそのご家族に寄り添い、確かな根拠に基づいた質の高いケアを提供できる人材育成が目的になります。

高齢化が進む現代において、終末期に関する専門的な知識や技術を持った看護師の需要はますます高まっています。

参考:https://jtca2020.or.jp/specialist/

終末期ケア専門士受験資格

終末期ケア専門士の受験資格を得るには、看護師資格があり、申請書類提出日までに2年以上の実務経験があれば問題ありません。

なお、実務経験は、終末期ケアやホスピスケアの専門施設・機関である必要はなく、一般病院や施設、在宅ケアなどで終末期ケアや高齢者ケアの実務経験も含まれます。

終末期ケア専門士取得費用

終末期ケア専門士の資格取得には、受験料11,000円(税込)と登録料11,000円(税込)が必要になります。

資格取得後、5年ごとに行われる更新費用は基本無料です。ただし、ココリンク非加入者は、作業手数料として5,500円発生します。

患者さんの心に寄り添いたい看護師におすすめの資格

患者さんの心に寄り添いたい看護師の人には、以下の資格取得がおすすめです。

  1. 臨床心理士
  2. チャイルドカウンセラー
  3. 不妊カウンセラー
  4. 体外受精コーディネーター

これらの資格を取得することで、患者さんの心に寄り添うケアを提供できるようになります。

資格取得には時間と費用がかかりますが、専門性を高め、キャリアアップにもつながるでしょう。

臨床心理士

臨床心理士は、心の問題を抱えている人に対して、心理検査やカウンセリングなどを行う心理専門職です。

医療機関や教育機関、福祉施設など、活躍の場は多岐にわたります。

患者さんの気持ちを理解し、寄り添うことが求められる点や、患者さんの生活背景や置かれている状況を考慮しながら、個別に対応していく必要がある点は看護師の仕事と共通しています。

参考:http://fjcbcp.or.jp/

臨床心理士受験資格

臨床心理士の資格試験を受験するには、主に臨床心理士を養成する指定大学院または専門職大学院を修了する必要があります。

必ず指定の大学院に2年在学し、所定の単位を取得することが必要です。なお、大学院には以下の3種類あり、修了後の取り扱いが異なります。

  • 第1種指定校:所定のプログラム修了後、受験資格を取得できる
  • 第2種指定校:所定のプログラム修了後、1年以上の心理臨床実務件件で受験資格を取得できる
  • 専門職大学院:所定のプログラム修了後、受験資格を取得できる。試験の一部(論文)が免除される。

臨床心理士取得費用

臨床心理士の資格を取得するには、「大学院の学費」と「資格取得に関わる費用」がかかります。

ただし、大学院の学費は、大学院の種類や、在籍年数によって異なります。

区分 入学金 授業料(年間) その他費用
国公立 30万円程度 50〜60万円程度
私立 10〜30万円程度 50〜70万円程度 10〜20万円程度
専門職 10〜30万円程度 100万円程度 10〜20万円程度

上記はあくまでも目安であり、大学院によって費用は大きく異なります。また、上記の費用に加えて、教科書代や生活費なども必要です。

また、認定試験に必要な申請書類の請求に1,500円(税込)、資格審査料30,000円、合格後の登録料として50,000円必要になります。

チャイルドカウンセラー

チャイルドカウンセラーとは、さまざまな悩みを抱えている子どもたちに対して、専門的な知識と技術を用いてカウンセリングする心理の専門家のことです。

近年、子どもを取り巻く環境は大きく変化しており、発達障害やいじめ、不登校など、子どもたちが抱える問題は複雑化しています。

このような状況下で、子どもたちの心のケアの重要性がますます高まっており、専門的な知識を持ったチャイルドカウンセラーの需要も増加傾向にあります。

参考:https://www.jadp-society.or.jp/course/child/

チャイルドカウンセラー 受験資格

チャイルドカウンセラーの受験資格を得るためには、「日本能力開発推進協会」が指定する認定教育機関のカリキュラムを修了する必要があります。

認定教育機関では、チャイルドカウンセリングに必要な知識や技術を体系的に学べます。

チャイルドカウンセラー 取得費用

チャイルドカウンセラーの資格を取得するには、受験資格を得るための講座受講料73,800円(税込)と受験費用5,600円(税込)が必要になります。

講座受講料は、申し込み方法やキャンペーンによって価格が異なるため、事前に認定教育機関のホームページで詳細を確認しましょう。

不妊カウンセラー

不妊カウンセラーは、不妊に悩んでいる人が持つさまざまな悩みに寄り添い、専門的な知識とサポートを提供する専門家です。

具体的には、

  • 妊娠・出産や不妊治療に関する情報提供
  • 治療法の選択や治療過程における精神的なサポート
  • 医療知識に加え、薬学や栄養学の知識を活かしたアドバイス
  • 心理カウンセリングの技法を用いた心のケア

などを行います。

不妊治療は、精神的な負担が大きく、専門家のサポートが必要不可欠です。そのため、助産師や産婦人科、不妊治療専門クリニックで働く看護師の人にとって、資格取得は大きな強みとなります。

参考:https://www.jsinfc.com/

不妊カウンセラー受験資格

不妊カウンセラーの受験資格を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 受験申込時点で、日本不妊カウンセリング学会の会員であること
  2. 日本不妊カウンセリング学会が主催する「不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座」を3回受講していること
  3. 初回の養成講座受講から5年以内に認定試験を受験すること

上記に加え、2026年11月・12月に行われる試験からは、日本不妊カウンセリング学会学術集会に1回以上、現地参加する必要があります。

不妊カウンセラーの資格を取得するには、認定団体であるNPO法人日本不妊カウンセリング学会が主催する養成講座の受講と、認定試験の合格が必要です。

不妊カウンセラー取得費用

受講料や受験料などの費用は、以下のとおりです。

費用項目 金額 備考
年会費 6,000円(税込) 毎年必要
養成講座受講料 33,000円/回 × 3回 = 99,000円(税込) 半年ごとに開催され、3回受講する必要がある
認定申請費用 15,000円(税込) 養成講座を3回受講後、申請する際に必要

体外受精コーディネーター

体外受精コーディネーターは、高度な不妊治療(体外受精や顕微授精など)を受ける患者さんに対して、治療に関する情報提供やカウンセリングを行う専門職です。

患者さんが治療について理解を深め、治療方法を選択し、安心して治療を受けられるようサポートする役割を担います。

また、よりよい不妊治療の提供を目指し、実践や研究活動にも取り組みます。

参考:https://www.jsinfc.com/

体外受精コーディネーター受験資格と取得費用

体外受精コーディネーターの受験資格は、不妊カウンセラーと同じになります。

くわしくは、上記「不妊カウンセラー」で解説していますので、そちらをご覧ください。

看護師が資格を取得する前に知っておくべきこと

看護師のスキルアップのために資格取得を目指す人は、まず以下の3点をおさえておくことが大切です。

  1. 資格取得の目的・目標を明確にする
  2. 取得方法・難易度・費用などを調べる
  3. 自分のキャリアプランと照らし合わせて選ぶ

順にご紹介します。

資格取得の目的・目標を明確にする

資格取得を目指す際、まず大切なのは目的や目標を明確にすることです。

資格取得には時間とコストがかかるため、なぜその資格を取得したいのか、取得後どのように活かしたいのかを明確にしましょう。

たとえば、

  1. 特定の看護分野における専門知識と技術を習得し、より質の高い看護ケアを提供できるようになる
  2. スキルアップにつながる資格を取得し、病棟のリーダーやスペシャリストとしての役割を担えるようになる
  3. 専門性の高い資格を取得することで、現在の給与から10〜20%のアップを目指す
  4. 新しい知識や技術の習得をつうじて視野を広げ、患者さんにより適切なケアを提供できる看護師に成長する

など、明確な目的や目標を持つことで、モチベーションを維持し、学習意欲を高められます。

取得方法・難易度・費用などを調べる

資格によって取得方法や難易度、費用は大きく異なります。

そのため、資格取得を目指す際は、まず具体的な取得方法や難易度、費用などをくわしく調べることが重要です。

調べるべき主な項目は以下のとおりです

  1. 取得方法
    ・試験の形式(筆記、実技、面接など)
    ・受験資格の有無 ・試験の頻度(年1回、複数回など)
  2. 難易度
    ・合格率
    ・試験科目数
    ・勉強に必要な期間
  3. 費用
    ・受験料
    ・テキスト代
    ・通信講座や予備校の費用(利用する場合)

これらを調べておくことで、自分に適した資格を選び、効率的に準備を進められます。

自分のキャリアプランと照らし合わせて選ぶ

資格取得を検討する際は、自身のキャリアプランと照らし合わせて選択しましょう。これにより、将来の目標達成に効果的な資格を見極められます。

具体的には、以下の3つの観点から選択するとよいでしょう。

  1. 短期的な目標との整合性
    ・現在の業務に直結する資格か
    ・転職や昇進に有利な資格か
  2. 中長期的なキャリアビジョンとの一致
    ・5年後、10年後のなりたい自分に近づける資格か
    ・専門性を高められる資格か
  3. 自己実現欲求の充足
    ・自分の興味や価値観に合致する資格か
    ・やりがいを感じられる分野の資格か

自分の目指す方向性を見失わず、計画的に資格取得を進めていきましょう。

資格取得を支援する制度を活用しよう

看護師の皆さんが資格取得を目指す際、支援制度を活用することで経済的負担を軽減できる可能性があります。

ここでは、主に2つの支援制度についてご紹介します。

  1. 教育研修制度
  2. 公的制度(教育訓練給付金制度)

これらの制度を上手に活用することで、経済的な負担を軽減しながら、キャリアアップを目指せます。ぜひ、自分に合った支援制度を見つけて、積極的に利用してみてください。

教育研修制度

多くの医療機関では、看護師のキャリア支援を目的としたさまざまな制度を設けています。

所属する医療機関の教育研修制度を活用することで、効率的に資格取得とスキルアップを進められるでしょう。

この制度は、主に以下のようなものがあります。

  1. 院内研修制度
  2. 外部研修への参加支援
  3. 資格取得支援制度

制度の内容は病院によって異なるため、詳細は所属する医療機関の人事部門などに確認しましょう。

公的制度(奨学金制度など)

資格取得に高額な費用がかかる場合がありますが、公的な支援制度を利用することで経済的な負担を軽減できる可能性があります。

たとえば、厚生労働省が運営する「教育訓練給付金制度」は、資格取得を目指す看護師にとって大きな助けとなるでしょう。

ほかには、国や地方自治体が設けている奨学金制度や、民間団体が提供する奨学金制度などがあります。

これらの制度の詳細については、各自治体のホームページや民間団体のWebサイトなどに掲載されています。

まとめ

資格取得には専門性向上やキャリアアップ、収入増加、自己成長などのメリットがあります。これらのメリットを最大限に活かすためには、資格取得の目的を明確にし、自分に合った資格を選択することが重要になります。

資格取得は、看護師としてのスキルアップだけでなく、自分自身の成長にもつながる素晴らしい機会です。

積極的にチャレンジし、新たな知識や技術を身につけることで、患者さんへの貢献度を高め、より一層やりがいを感じられる看護師を目指しましょう。