キャリアアップとは?意味や成功に必要な考え方、実践手順を解説

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最終更新日:2024.05.24

「キャリアアップとは?」というタイトルの図解。キャリアアップは職務や地位などが現状よりも上がることを意味し、その実現には以下のキャリアプランの立て方が必要とされています。 自分自身の棚卸しをする:自分の価値観や人生観、強み・弱みなどを列挙する。 将来の姿を思い描く:自分の理想を市場価値と合わせてイメージする。 未来までの道筋をつける:経験とスキルを整理し、獲得の計画を立てる。 下部に「キャリアアップに繰り返し挑戦して自分の市場価値を高め続けよう」というメッセージが記載されています。

同じ会社でしばらく仕事を続けていると、ふと「このままでいいのだろうか」と思うときがあるでしょう。

今は変化の激しい時代。ビジネスのあり方が目まぐるしく変わり、求められるスキルも日々変わっているのが現状です。

こうした状況のなかで活躍し続けるためには、自分のキャリアを能動的に磨いていく「キャリアアップ」が欠かせません。

この記事では、キャリアアップとは一体何なのか、その意味や重要性をあらためて解説します。そのうえで、キャリアアップを実現するための実践手順や、実際にキャリアアップをしていくときの選択肢についても紹介します。

この記事を手がかりに、キャリアアップに向けた第一歩を踏み出してみませんか。

キャリアアップとは

キャリアアップとは

キャリアアップとは、職務や地位などが現状よりも上がることを指します。具体的には、より高い役職につく、専門性が高まる、より高い収入が得られる仕事に転職する、などが挙げられます。

ビジネスシーンにおいては、次のような文脈で使われます。

  • 昨年の業績評価が良かったので、今年はキャリアアップできる見込みです。
  • 管理職に就くことで、キャリアアップを果たしました。
  • 転職を機に、新しい分野でキャリアアップを目指します。

このように、キャリアアップは、単に役職が上がることだけでなく、待遇面がよくなる、責任範囲が広がるなど、キャリアを構成する何かしらの要素が上位に移行した際に用いられるのが一般的です。

キャリアアップとスキルアップの違い

キャリアアップとスキルアップは、よく混同されがちな言葉ですが、実は異なる概念です。

スキルアップとは、現在の仕事に必要なスキルや能力を高めることを指します。 具体的には、業務で使う特定のソフトウェアの操作方法を学ぶなど、職務遂行能力の向上が目的です。

一方、キャリアアップは、より上位の役職や地位を目指すことを意味します。 つまり、現在の立場を超えて、新たなキャリアステージへと進むことが狙いです。

違いを表にすると、以下のようになります。

 

スキルアップ

キャリアアップ

目的

職務能力向上

地位・収入向上

範囲

現在の職務内

職務を超える

手段

研修、自己啓発

昇進、転職など

スキルアップは、キャリアアップに必要不可欠な要素ですが、単にスキルを磨くだけではキャリアアップにはつながりません。 キャリアアップを実現するには、スキルアップに加え、上位の役職に就くなど、新たなキャリアステージへの挑戦が必要です。

キャリアアップはなぜ重要?

ここまで見てきたように、キャリアアップの直接的な意味は、職務や地位などが現状よりも上がることを指します。しかし、その本質は自身の市場価値を高めて自身の仕事を守ることにあります。市場価値とは、自分の保有する知識やスキル、経験が、企業や社会から評価・需要されている度合いを表したものです。

昨今は、科学技術の急速な進歩などで社会が目まぐるしく変化しており、どの企業にも持続的な変革が求められる時代です。一つの会社で同じ仕事をし続けるような働き方では、スキルの陳腐化や成長の停滞を招きかねず、そのような人材を雇い続けるのは難しいと多くの企業が考えています。

このような時代において、働く人自身が仕事を失わないようにするには、現状のキャリアに満足せずに上のステージを積極的にかつ常に目指すこと、すなわち自身の市場価値の持続的な向上が必要となります。

キャリアアップは、雇用が流動化している特に今の時代にこそ避けては通れない取り組みであり、その意味において多くの人にとって重要なものと言うことができます。

キャリアアップするには?キャリアプラン立案3ステップ

キャリアアップをするには、自身が理想とするキャリアの道筋を具体的に描いたキャリアプランを立てることが重要です。キャリアプランは、以下のような手順に沿って作成します。

自分自身の棚卸しをする

キャリアプランを考えるうえで最も大切なのが、自分自身の長所や短所、強み・弱みを正しく把握し、現状を知ることです。

自分の棚卸しをするには、以下のようなステップを踏むと良いでしょう。

  1. 自分の価値観や人生観を確認する
  2. 今までの経験から得た強み・長所を洗い出す
  3. 逆に弱み・短所も正直に見つめ直す
  4. 興味や得意分野、やりがいを感じる仕事は何かを探る

このようにして自分を冷静に分析し、棚卸しすることが重要です。自己理解を深めることで、次のステップで思い描く将来の姿とのギャップが明確になり、その埋め方も探しやすくなります。

将来の姿を思い描く

自分自身の棚卸しが終わったら、目指すべき場所を明確にするため、キャリアアップした自分の将来の姿を具体的にイメージします。

将来の姿を描くときは、これまでの自分の経験や現在の立場にとらわれず、むしろそこから一歩踏み出した内容にしましょう。例えば、「役職面でのキャリアアップを目指すなら、今の立場からは想像ができないくらい上の役職」「転職してキャリアアップを目指すなら、スキルに不安があって就けないと感じている仕事への転職」を設定します。

一見すると「無理だ」「できない」と思ってしまうようなことでも、目標として掲げ、行動をすれば実現の可能性が生まれます。逆に自分に制限をかけると、そうした可能性さえ出てこなくなってしまいます。仮に本当に難しかったとしても、そこに挑戦したときに得られる経験やスキルが新たな道を拓いてくれることもあります。

また、その目標を達成することで、自身の市場価値が高まるかどうかも意識しましょう。「キャリアアップをした自分はどの程度会社や社会に貢献できそうか」「キャリアアップをする過程で得る経験やスキルは汎用性がありそうか」、これらの問いも加えながらじっくり思い描いてみましょう。

未来までの道筋をつける

将来の姿を思い描いたら、実現までの道筋をつけ、キャリアプランを完成させます。

まずは現状と未来のギャップから、どんな経験、あるいはスキルが足りていないのかを洗い出しましょう。そのうえで、必要な経験とスキルを得るために、いつ・何を・どのような方法で身につけるのかを考えます。

以下は、「5年後に営業のマネジメントリーダーに転職したい」と考えている営業職の人の参考例です。

  1. 営業部門への出向や研修を受け、1年後までに基本的な営業スキルを身につける
  2. 社内研修や勉強会で発表機会を設けるなどして、2年後までにプレゼンテーション力を身につける
  3. 社内の小規模プロジェクトにリーダーとして参加するなどしてマネジメントの経験を積み、4年後までに一定のマネジメントスキルを習得する。あわせて夜間や週末の語学学校に通い、ビジネスレベルの英語を身につける
  4. 5年後までに社内のマネジメントリーダーへの昇進を目指す

このように、必要な経験やスキルと、それを身につける具体的な方法、そしておおよその期限を時系列順に並べることで、キャリアアップに向けた道筋がより明確になります。

また、定期的にプランを見直し、進捗状況を確認しながら計画を調整することも重要です。

キャリアアップの選択肢はさまざま それぞれの特徴とメリット・デメリット

キャリアプランを作成するうえでは、現状の把握・目標の設定・道筋の形成という3つのステップが必要ですが、あわせて考えておきたいのがキャリアアップの具体的な実現方法です。

ここでは社内・転職・複業・独立の4つについて、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。これらを把握しておくと、自分のなりたい姿とそこまでの道筋を考えるときに、より具体的かつ自由な発想が生まれやすくなります。

社内でのキャリアアップ

現在の職場で役職や職責の変更、部署の異動などを目指す方法です。

社内でのキャリアアップのメリットは、現在の会社の事情に精通しているため、スムーズな移行が期待できることです。また、転職に比べて環境の変化によるストレスが少ない、既存の人脈やノウハウを活かすことができるなどもメリットとして挙げられます。

一方で、昇進のチャンスが限られている可能性や、新しい刺激を得にくいデメリットもあることに注意が必要です。

メリット

デメリット

会社の事情に精通しているため、スムーズな移行が期待できる

昇進のチャンスが限られる可能性がある

転職に比べ、環境の変化によるストレスが少ない

新しい刺激を受けにくい

人脈やノウハウを活かせる

処遇改善の余地が少ない場合がある

転職によるキャリアアップ

転職は、自分の経験やスキルに合わせて環境を変えることで、キャリアアップを図る有効な手段の一つです。

転職によるキャリアアップのメリットは、異なる企業文化や仕事内容に触れることで、視野が広がり、さらなる成長が期待できる点です。また、転職に伴う年収アップは、生活の質的向上にもつながります。

一方、転職には初期コストがかかる可能性があり、前職での人間関係や業務ノウハウが十分に活かせない場合もあります。また、短期的には収入が減少する可能性もあるため、慎重な検討が必要です。新しい環境に適応するまでのストレスも考慮しなければなりません。

メリット

デメリット

スキルアップのチャンスが広がる

転職活動に手間がかかる

年収アップが見込める

前職場での経験が活かしにくい場合がある

自分に合った環境で働ける

人間関係を新たに構築する必要がある

キャリアの選択肢が増える

一時的に収入が減る可能性がある

複業によるキャリアアップ

複業とは、複数の仕事を持つ働き方のことです。本業の合間に行う副業と異なり、複業は複数の仕事をそれぞれ本業として同等レベルの労力をかける働き方を指します。複数の経験・スキルが得られる点では副業と同じですが、複業の場合はその一つひとつの専門性が高いため、キャリアアップにつながりやすい点に違いがあります。

複業によるキャリアアップは、複数の収入源を持つことで、経済的なリスクも分散できるのが大きな利点です。さらに、新しい価値観や発想を得ることで、それぞれの仕事にも良い影響を与え、業務効率の向上につながる可能性があります。

一方で、複業を行う際は、本業への時間的な制約や、過度な業務量によるストレスの増加などの問題に直面する可能性があります。また複業の一方がフリーランスや個人事業主であった場合、得た収入によっては確定申告の義務が発生します。

メリット

デメリット

収入源が複数あるため、経済的なリスク分散ができる

自己管理を徹底しないとどちらの仕事もおろそかになる可能性がある

新しいスキルを身につけられる

ストレスが高まるリスクがある

新しい価値観や視点を得られる

確定申告が必要になる場合がある

独立によるキャリアアップ

独立してフリーランスや個人事業主として働くことも、キャリアアップの選択肢の一つです。

自分のペースで仕事ができ、また働いた分だけ収入につながるメリットがあります。また、さまざまな案件に携わることができ、キャリアの幅が広がりやすいのも魅力の一つです。

一方で、自分の実力次第で収入が左右される点や、経済的な安定が得られるまで時間がかかる点に注意する必要があります。会社員のときより社会保険料の負担が大きくなるのもデメリットです。

メリット

デメリット

自由な働き方ができる

安定収入が得にくい

収入に上限がない

社会保険料の負担が大きくなる

多様な仕事に携わることができる

確定申告が必要

キャリアアップに悩んだときの対処法

キャリアアップを目指す過程では、さまざまな悩みや不安に直面することがあります。そのようなときは、以下の対処法を試してみましょう。

  • 経験やスキルの獲得方法を見直す
    人によって最適な経験の積み方、スキルの習得方法は異なります。例えばスキル習得においては専門書を読む方法が思い浮かびますが、こちらも誰もが適しているわけではなく、わかりやすい解説動画を見たほうが覚えられる人もいます。
    経験やスキルの獲得方法が思うようにいかない場合は、実務経験はこうやって得るもの、スキルはこうして身につけるもの、という既存の枠組みにとらわれず、どんなことでも学びになるという柔軟な姿勢を持ち、積極的に動いてみることが大切です。
  • メンター制度を活用する
    経験豊富な先輩社員に相談し、アドバイスを求めるのも一つです。 客観的な視点から課題を見つめ直したり、学んだスキルの習得度合いを確認したりできます。
  • セミナー・研修に参加する
    キャリア関連の講座を受講することで、新たな気づきが得られるかもしれません。 ほかの受講生との交流も、モチベーションの維持に役立ちます。
  • SNSを活用する
    LinkedInやFacebookなどビジネスでよく用いられているSNSで、同じ悩みを抱える人と交流するのもおすすめです。情報交換を通じて、新しいヒントが得られるでしょう。

悩んだときは一人で抱え込まず、上手に外部リソースを利用することが重要です。前を向いて、着実に歩を進めていきましょう。

まとめ

キャリアアップとは、自分の可能性を最大限に引き出し、より良い職や立場を目指すことです。自分自身を見つめ直し、将来のビジョンを描くことから始まります。そのうえで、具体的な行動計画を立て、必要なスキルを身につけていきます。

キャリアアップの選択肢は、以下のとおりさまざまです。

選択肢

特徴

社内キャリアアップ

無理のない着実な成長が可能

転職

スキルと希望が合致した新天地で活躍できる

複業

さまざまな分野での活躍の場が広がる

独立

ビジネスを自由に展開できるが、リスクも高い

このように、状況に合わせて最適な選択肢を選ぶことが重要です。悩んだ際は、冷静に自分に合ったキャリアアップの道を見つめ直しましょう。