データサイエンティストにおすすめな資格7選!資格の概要や難易度を紹介

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最終更新日:2024.09.18

データサイエンティストにおすすめな資格7選 データサイエンティスト検定リテラシーレベル G検定 OSS-DB技術者認定試験 オラクルマスター 統計検定 Python 3 エンジニア認定基礎試験 データベーススペシャリスト試験 データサイエンティストとは、膨大なデータを分析し、ビジネス課題の解決や意思決定に役立つ解決策を導き出す専門家のこと

近年、AIやビッグデータが活用されているなか、ビジネスのさまざまな場面においてデータ分析の需要は高まっています。

それに伴い、データ活用を推進するデータサイエンティストという職業も注目を集めています。しかし、専門性が高く、「具体的にどのようなスキルが必要か」「未経験からでも目指せるのか」といった疑問を持つ人は多いでしょう。

この記事では、データサイエンティストにおすすめの資格を7つ厳選してご紹介します。資格の概要や難易度などを解説していますので、資格取得の参考にしていただけると幸いです。

データサイエンティストにおすすめの資格7選

データサイエンティストとしてのスキルを証明し、キャリアアップを目指す人におすすめの資格を7つご紹介します。

それぞれの資格の特徴や、難易度などを簡潔にまとめました。

データサイエンティスト検定 リテラシーレベル

データサイエンティスト検定 リテラシーレベル(通称:DS検定)は、一般社団法人データサインエンティスト協会が実施しています。

ビジネス力、データサイエンス力、データエンジニア力の3項目において、データサイエンティストとしての実務能力と基礎知識を総合的に証明する試験です。

当協会では、データサイエンティストとしてのスキルレベルを4段階に分けて定義しています。

スキルレベル レベルの目安 対応できる課題
シニア データサイエンティスト 4:業界を代表するレベル ・産業領域全体
・複合的な事業全体
フル データサイエンティスト 3:棟梁レベル 対象組織全体
アソシエート データサイエンティスト 2:独り立ちレベル ・担当プロジェクト全体
・担当サービス全体
アシスタント データサイエンティスト 1:見習いレベル プロジェクトの担当テーマ

参照:スキルレベル表|一般社団法人 データサイエンティスト協会

DS検定は、見習いレベルである「アシスタント データサイエンティスト」を対象としています(現在見習いレベルのみ提供)。これから、データサイエンスの基礎を学びたい人や、データサイエンティストを目指したい人にとって、最初のステップとして最適な資格といえます。

参考:データサイエンティスト検定 リテラシーレベルとは|一般社団法人 データサイエンティスト協会

G検定

G検定は、ディープラーニングを中心としたAI関連技術の知識を問う試験で、一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催しています。

本資格では、ビジネスの現場でAIをどのように活用できるかという実践的な知識を測ることが重視されています。

これからデータサイエンティストを目指す初心者の人にとっては、AIの基礎を体系的に学べるよい機会になるためおすすめの資格です。

参考:資格試験について|一般社団法人 日本ディープラーニング協会

OSS-DB技術者認定試験

OSS-DB技術者認定試験は、オープンソースのデータベース管理システム「PostgreSQL」を使いこなせる技術と知識があることを証明できる資格です。特定非営利活動法人LPI-Japanが主催しています。

本資格には、難易度が異なるSilverとGoldの2つのレベルがあります。

  • Silverレベル: PostgreSQLの基礎知識を持っているか、比較的小規模なデータベースを運用・管理できるかを試すレベルです。これからデータベース管理にチャレンジする人や、PostgreSQLの基本をしっかり学びたい人におすすめです
  • Goldレベル: より高度な知識とスキルが求められます。大規模なデータベースの改善、運用、管理、コンサルティングなど、実践的な内容が出題されます。PostgreSQLのエキスパートを目指している人や、データベース管理の専門家として活躍したい人におすすめです

データサイエンティストを目指す場合、最初はSilverレベルでPostgreSQLの基礎を固め、その後、Goldレベルでより深い知識とスキルを身につけるという方法が効果的です。

参考:オープンソースデータベース技術者認定資格
(OSS-DB技術者認定資格)とは|特定非営利活動法人LPI-Japan

オラクルマスター

オラクルマスターとは、世界シェアNo.1のデータベースである「Oracle Database」に関する、Oracle社公式の資格です。データベースの構築や運用・管理に必要なスキルを証明できます。

オラクルマスターの試験は、レベル別に5種類の資格が用意されています。

資格名 レベル 証明できるスキル
ORACLE MASTER
Bronze DBA
1 データベースの基本的な知識
ORACLE MASTER
Silver DBA
2 ・データベース管理者として必要な知識やスキル

・SQLの基礎知識

ORACLE MASTER
Silver SQL
2 SQLの知識全般
ORACLE MASTER
Gold DBA
3 ・データベースの運用や管理

・データベースの設計や構築

・新機能への対応

ORACLE MASTER
Platinum DBA
4 データベースシステムの構築・運用・管理に関する専門性の高い知識とスキル、豊富な実務経験を証明

データサイエンティストは、大量のデータを扱うため、データベースに関する知識は必須です。

オラクルマスターを取得することで、オラクルデータベースの知識・スキルを証明できるため、より専門性の高い仕事や、大規模なプロジェクトに携わるチャンスが広がるでしょう。

参考:ORACLE MASTER Portal|ORACLE

統計検定

統計検定とは、データサイエンティストに必須の知識である、統計学のスキルを証明できる資格です。一般財団法人 統計質保証推進協会が主催しています。

データサイエンスに関する試験は、難易度別に3種類用意されています。

資格名 難易度の目安 概要
統計検定 データサイエンス基礎(DS基礎) 1 データサイエンスの入門レベルの基本知識を評価する。統計学の基本とデータ分析などの実務応用力を測定
統計検定 データサイエンス発展(DS発展) 2 DS基礎に加えて、大学教養レベルの論理やAI、数理、情報、統計に関する内容と高度な分析力を測定
統計検定 データサイエンスエキスパート(DSエキスパート) 3 DS発展に加えて、さらに高度な大学専門レベルの内容と高度で実践的な応用力を測定

統計検定は、データサイエンティストとしてのスキルアップに大きく貢献する資格です。自身のレベルに合わせて挑戦し、着実にスキルを磨いていくことをおすすめします。

参考:統計検定|一般財団法人 統計質保証推進協会

Python 3 エンジニア認定基礎試験

Pythonはデータサイエンスで幅広く使われているプログラミング言語になるため、データサイエンティストを目指すなら必須のスキルです。

本資格は、一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会が主催しており、Pythonの基本概念や文法、データ分析の方法などが問われます。

Pythonを学び始めたばかりの初心者から、ある程度使える中級者まで、データサイエンティストを目指すなら基礎力強化として最適な資格です。

参考:Python 3 エンジニア認定基礎試験|一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会

データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験とは、情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格になります。

データベースに関する専門知識を有し、高度なシステムの設計・構築・運用・保守ができることを証明する資格です。

データベースに関する高度な専門知識が求められるため、難易度が高く、合格率は20%前後になります。

初心者が合格することは難しいため、データベースの基礎知識をしっかり学び、一定の実務経験を有してから挑戦しましょう。

参考:データベーススペシャリスト試験 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

そもそもデータサイエンティストとは

データサイエンティストとは、膨大なデータを分析し、ビジネス課題の解決や意思決定に役立つ解決策を導き出す専門家のことです。

企業にとって、データの活用はビジネスを成功させるうえで欠かせないものとなっています。そして、ビッグデータの活用が進むにつれて、データサイエンティストの需要は、ますます高まっています。

ここでは、データサイエンティストの仕事内容と必要なスキルをご紹介します。

データサイエンティストの仕事内容

データサイエンティストの仕事内容は、企業のビジネス課題や社会的問題を解決するために、データを収集・分析し、その結果をもとに改善策などを提案することです。

具体的な業務内容は、企業や携わるプロジェクトによって多岐にわたりますが、主な業務内容を4つ概説します。

データを利活用する目的を明確化する

データ分析は、課題解決のためにおこなうものです。目的が異なれば、分析手法や使うべきデータも異なるため、まずはデータを利活用する目的を明確化しましょう。

たとえば、自社サイトのアクセス数を増加させるという目的の場合と、顧客満足度を向上させるという目的の場合では、見るべき指標や分析手法は異なります。

目的に合わせて、最適なデータを集める

データ分析の目的が明確になったら、自社の顧客データ、購買履歴、Webサイトのアクセスログ、外部のオープンデータなどから必要なデータを集めます。

具体的には顧客の購買行動を分析したい場合、過去の購買履歴や商品閲覧履歴などが分析対象データです。新規顧客獲得のためのWebサイト改善を目的とする場合、アクセスログやユーザー属性データなどを収集します。

分析しやすい形にデータを加工し、整える

収集したデータは、そのままでは分析に適していないことがほとんどです。そこでデータサイエンティストは、さまざまな手法を用いてデータを分析しやすい形に加工します。

加工例
データの形式の統一 日付が「2023-04-01」と「2023/4/1」のように混在している場合は、表示方法を統一する
不足している値の補完 顧客の年齢データが一部欠損している場合、ほかの属性情報から年齢を予測し、補完する
ノイズ除去 誤入力や異常値などのノイズを除去する

加工したビッグデータを分析する

データサイエンティストは、加工されたビッグデータをさまざまな分析手法を用いて分析し、問題解決を目指します。

具体的には、統計学や機械学習などを活用し、データに隠されたパターンや傾向を見つけ出し、立てた仮説を検証していきます。

レポートを作成し、解決策を提示する

データ分析の結果を踏まえ、わかりやすく説得力のあるレポートを作成し、クライアントに解決策を提示します。

データ分析の結果は、それ自体が目的ではありません。重要なのは、その結果をどのように解釈し、クライアントの課題解決やビジネス目標達成につなげるかです。

そのためには、専門知識がない人にも理解できるように、分析結果をわかりやすくレポートにまとめることが重要です。図や表などを効果的に利用し、視覚的にアピールすることで、より理解度を高められます。

データサイエンティストに必要なスキル

引用:データサイエンティストに必要な3つのスキル領域|一般社団法人 データサイエンティスト協会

データサイエンティスト協会では、ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニア力の3つを必要なスキル領域と定義しています。

スキル領域 説明
ビジネス力 ・クライアントの置かれている状況や課題を把握する力
・課題解決につながる具体的なビジネスゴールを設定する力
データサイエンス力 ・統計学、機械学習などの知識を活用し、データを分析する力
・分析をとおして、隠れたパターンや洞察を発見する力
データエンジニア力 ・大量のデータを分析する技術力
・分析結果を実装し、運用するためのシステム開発や環境構築の力

データサイエンティストは、さまざまなスキルを求められます。特定の分野だけでなく、ビジネス力、データサイエンス力、データエンジニア力の3つの領域をバランスよく身につけていることが重要です。

データアナリストとの違い

データアナリストは、過去のデータを集めて分析し、現状の把握や問題点を見つけることが役割です。

今の現状や問題点をわかりやすくレポートにまとめ、データ分析するまでがデータアナリストの仕事です。

一方、データサイエンティストはデータ分析に加えて、統計学や機械学習などの専門知識を使い、将来の予測や最適な解決策などを導き出すことが求められます。

データサイエンティストが資格を取得するメリット3つ

データサイエンティストの資格を取得することで、多くのメリットを得られます。数あるメリットのなかでも、とくに大きなメリットは以下の3つです。

  • 知識を体系的に学べる
  • キャリアアップにつながる
  • 就職や転職活動に有利

順にご紹介します。

知識を体系的に学べる

データサイエンティストに関する資格試験の多くは、データサイエンティストに必要なスキルを網羅的に学習できるよう、出題範囲が設計されています。そのため、資格取得を目標に勉強することで、体系的に必要な知識を身につけられます。

データサイエンティストには、統計学やプログラミング、環境構築など、幅広い知識が必要です。

独学でこれらの知識を習得しようとすると、どうしても偏りが生じてしまいます。さらに、学習範囲が膨大になるため、どこから手をつければよいかわからず、効率的に学習を進めるのが難しいでしょう。

キャリアアップにつながる

データサイエンティストの資格取得は、専門知識やスキルを証明できるため、キャリアアップにつながります。

より高い役職や専門性の高いポジションを目指せるようになり、給与アップや待遇向上も見込めるでしょう。

未経験からデータサイエンティストを目指す場合にも、資格取得はアピールポイントになります。

就職や転職活動に有利

資格取得者は、専門知識やスキルを有していることを客観的に証明できるため、就職や転職活動においても有利に働きます。

とくに、未経験からの転職を目指す場合は、大きなアピールポイントです。実務経験がない場合でも、専門知識やスキルを有していることを証明できれば、採用担当者によい印象を与えられ、ほかの応募者との差別化になるでしょう。

データサイエンティストの資格を取るための勉強法3つ

データサイエンティストの資格取得を目指す人に、効果的な3つの勉強法をご紹介します。それぞれの特徴を活かして、自分に合った方法を選んでみましょう。

書籍や過去問題を使い、独学で勉強する

費用をおさえつつ、自分のペースで勉強を進めたい人は、書籍と過去問題集を使った独学がおすすめです。

効果的な学習を進めるために、以下の2点に注意しましょう。

  1. 参考書選びは慎重に:データサイエンスの基礎から応用、資格試験対策まで、網羅的に解説された参考書を選びましょう。自分に合ったレベルの内容であることを確認することも重要です
  2. 過去問で実力アップ:過去問題は、出題傾向の把握はもちろん、時間配分の練習にも最適です。試験本番を想定し、時間内に問題を解く練習を繰り返すことで、当日も落ち着いて実力を発揮できるでしょう

学習サイトを活用する

データサイエンティスト向けの資格試験対策として、学習サイトの活用は非常に有効です。インターネット環境さえあれば、場所や時間に縛られず、自分のペースで学習を進められます。

学習サイトには、無料と有料の2種類があります。

無料サイト データサイエンティストに必要な基礎知識や、スキルを身につけるのに最適
有料サイト より実践的な内容を学びたい場合や、資格試験対策講座を受講したい場合におすすめ

なお、学習サイトを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

  1. 講座内容: 自身の学びたい内容と合致しているか、具体的なカリキュラムや講座内容を確認しましょう
  2. レベル: 現在の自分のスキルレベルに合致しているか、初心者向け、中上級者向けなど、レベル分けを確認しましょう
  3. 料金: 有料サイトの場合、料金が予算に合っているか、無料体験や割引キャンペーンがないかをチェックしましょう
  4. サポート体制: 質問しやすいサポート体制が整っているか、メール、チャット、フォーラムなど、サポート体制を確認しましょう

これらのポイントを踏まえ、自分に最適な学習サイトを選び、資格取得を目指しましょう。

まとめ

データサイエンティストは、データ分析をつうじて企業の課題解決や新しい価値を生み出す、現代社会に欠かせない役割を担っています。そして、企業のデータ活用が進むにつれて、データサイエンティストの必要性はさらに高まっていきます。

データサイエンティストとして活躍するためには、統計学、プログラミング、機械学習といった専門知識やスキルが不可欠です。資格取得はこれらを効率的に習得でき、客観的に証明するための有効な手段といえるでしょう。

記事監修

小澤 健祐

AINOW編集長 / 生成AI活用普及協会 協議員

「人間とAIが共存する社会をつくる」がビジョン。ディップが運営するAI専門メディア AINOW編集長を務める。書籍「生成AI導入の教科書」。1000本以上のAI関連記事を執筆。一般社団法人生成AI活用普及協会 協議員。その他、AI領域で幅広く活動。生成AI教育事業を展開するCynthialyの顧問、日本最大のAI活用コミュニティ「SHIFT AI」のモデレーター&パートナーインフルエンサー、ディップの生成AI活用推進プロジェクト「dip AI Force」の推進、生成AIとエンターテイメントの融合を進めるAI Booster顧問なども務める。